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海外原発への投資を増やす韓国大企業…市場の展望は?

登録:2022-08-17 03:48 修正:2022-08-17 09:29
化石燃料の代替として原発浮上…「市場が開けた」 
国内外で原発中心の「エネルギー戦略」を拡大 
公企業主導の国内発電市場には割り込む余地がないため 
市場は開けたものの、稼げるかどうかはまだ不確実
昨年12月29日、当時は国民の力の大統領候補だった尹錫悦大統領が、大田の大徳研究団地内にある韓国原子力研究院を訪問し、小型モジュール原子炉(SMR)について説明を受けている/聯合ニュース

 「海外の原子力企業が韓国で報われた」

 15日、SKがマイクロソフト(MS)創立者のビル・ゲイツの主導で設立された米国の小型モジュール原子炉(SMR)企業「テラパワー」に3千億ウォン(約307億円)を投資することを発表すると、あるエネルギー専門家はこのように評価した。4月にはGSエナジー、サムスン物産、斗山エナビリティーが、米国の「ニュースケール・パワー」と小型モジュール原子炉を使用する発電所を共同開発する業務協約(MOU)を締結している。国内唯一の原発の主要機器(タービンや原子炉など)メーカーの斗山エナビリティーは、世界で最も進んだ原発技術力を持つニュースケールの小型モジュール原子炉のメーカーとして参加する。

 韓国国内の大企業はなぜ、小型モジュール原子炉などの国外の原発市場に飛び込むのだろうか。

 一言で言うと「市場が開けたから」だという。国外の小型モジュール原子炉事業への参加を宣言したある大企業の原子力業務管理者は、本紙の電話取材に対し「最近の動向を見ると、米国政府が小型モジュール原子炉を戦略的に育成している。大型原発と比較すると多くの投資が不必要なため、ポーランドやルーマニアのような低成長国家も送電網をさらに設置しなくても火力発電を代替できると考えている」と語った。別のエネルギー大企業の役員は「気候危機への対応が求められるエネルギー転換時代において、石炭と石油に代わりうる電力生産源は何か。再生可能エネルギーだけでなく、原子力も重要だと考えているからだ。投資先の多様化だ」と説明した。

 ロシアとウクライナの戦争の開始以降、世界的にエネルギー難が深刻化し、欧州連合(EU)がグリーンタクソノミー(グリーン産業分類体系)に原発を含めることを決めるなど、2011年の日本の福島第一原発事故以降減少していた原発への関心が再び高まっていることも背景としてあげられる。特にフランスと東欧諸国を中心として、原発依存度は急速に高まっている。産業通商資源部と中小ベンチャー企業部は、国内の原発エコシステムの活性化および輸出競争力の強化のための政策を先を争って推進している。

 国内のエネルギー市場は政府機関や公企業などによって主導されてきたため、民間企業が割り込みにくいということも、大企業が国外市場に目を向ける理由となっている。国策研究機関のある研究員は「韓国ではこれまで政府主導の原子力技術の開発が行われてきたが、電力生産以外にも水素の生産など、様々に原子力を活用しようとしている市場が開けつつある。しかし原子炉を作る会社がないため、民間でもこの領域に関心が高い」と述べた。

 市場が開けただけで、稼げるかどうかはまだ不確実だ。世界原子力産業現状報告(WNISR)によると、世界の発電量に占める原発の割合は1996年に17.5%でピークに達し、その後は徐々に低下して2020年には10%にまで下がっている。特に2011年の福島第一原発事故後は、中国を除くすべての国の原発の割合が平行線を保っている。原発を再び拡大しようとしている国もあるが、安全性と経済性の問題が解決していない原発を未来のエネルギー源とすることを決定できるかはまだ未知数だ。EUもグリーンタクソノミーに原発を含めたが、廃棄物を処理するという条件を付けるなどの厳しい基準を定めている。

 エネルギー転換フォーラムのソク・クァンフン専門委員は「一種の原子力業界のための福祉政策に企業が投資をはじめた」と憂慮を示した。同氏は「ニュースケールが米国で小型モジュール原子炉(55メガワット)の安全性許認可検査を完了したとはいえ、同じ核発電であるため、原発の安全性問題をなくすことは容易ではない。また、小型モジュール原子炉は77メガワットの小型モジュール原子炉を12基まとめて初めて経済性があるという評価が出ている。だとしても容量が少しでも変われば原発に加わる圧力などが変わるため、安全性許認可も再び受けなければならず、まだ小型モジュール原子炉が成功するかどうかは不確実」だと指摘した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1054922.html韓国語原文入力:2022-08-16 15:53
訳D.K

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