日本が福島原発事故の汚染水を海に放流すれば、韓国にはどのような影響が及ぶのか。日本の東京電力による汚染水海洋放流計画が22日に日本原子力規制委員会の認可を受け、来春にも実施される可能性が高まり、韓国国内に及ぶ影響に再び関心が集まっている。
原子力規制委はこの日、東京電力が昨年12月に提出した「福島第一原発特定原子力施設に係る実施計画変更認可申請書」を正式に認可した。日本のマスコミ報道によれば、原子力規制委は5月にこの実施計画を承認し、国民の意見聴取の手順を踏み、この日「安全性に問題がない」として認可手続きを終えた。
2020年末までに設置された福島第一原発敷地の1060個の貯蔵タンクには、14日現在で各種の放射性物質が含まれた130万7811立方メートルの汚染水が保管されている。
2011年の事故発生後に溶融し熱を出し続ける核燃料を冷やすために注入した冷却水、原発敷地に流れ込む雨水や地下水などを多核種除去設備(ALPS)で処理し、保管しているもの。
汚染水の増加スピードは鈍化しているが、昨年新たに発生した汚染水の量は一日平均130立方メートルにのぼる。この状態が続けば、貯蔵タンクの容量137万立方メートルが満杯になるのは時間の問題だ。
この汚染水を、トリチウム(三重水素)以外の62種の放射性物質が排出基準値を超えないよう浄化した「処理水」と規定し、来春から海に放流するというのが東京電力の計画だ。ここで問題は、ALPS設備で浄化できないトリチウムだ。
東京電力は、浄化できないトリチウムは海水を引き込み濃度を排出基準の40分の1未満になるまで薄めて排出することにした。その場合、海水中に入るトリチウムの総量は変わらない。汚染水中のトリチウムの放射能総量は約860兆Bq(ベクレル)と推定される。
これは韓国の原発全体で年間に排出するトリチウムの約4倍を超える量だ。昨年、月城(ウォルソン)原発で流出の物議を醸したトリチウムは、汚染された水産物を通じて人体に入り、有機結合トリチウムに転換されれば、内部被爆を起こすことが知られている。
このように日本が海に放流する汚染水の中の放射性物質が、隣接する韓国にどのような影響を及ぼすのかという質問に、韓国政府は答えを出せずにいる。
韓国政府は22日に関係省庁会議を開き、「原子力研究院と海洋科学技術院がシミュレーションの正確性向上のために(分析)モデルを高度化中であり、日本との二者疎通・協議チャンネルを通じて、安全性の検討に必要な十分な情報提供と原発汚染水の安全な処理のための責任ある対応を持続的に促す計画」だと付け加えた。
結局、放流状況を仮定し影響を分析する上で必要な情報を日本から提供されずにいるだけでなく、情報が提供されてもまともに分析する放射性物質の海洋拡散シミュレーションモデルも完成していないという話だ。
福島原発汚染水の海洋放出影響分析が遅れていることについて、海洋水産部の関係者は「今でもシミュレーション分析をすることはできるが、モデルの正確度が下がる問題点があるため実施していない」として「分析結果を国際社会に発表しても、論理的に対応可能な水準までモデルの正確性を引き上げて実施しようということ」と話した。科学技術情報通信部の関係者は「モデルの高度化は当初計画した日程どおりに推進されている」として「計画どおり終えられれば、年内に最初の分析結果が出せるだろう」と話した。