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米中貿易紛争で最大の恩恵受けた国は台湾とベトナム

登録:2022-07-23 06:42 修正:2022-07-23 09:01
先端製品の米中双方の貿易の比重が減少 
台湾とベトナムの市場シェアが急増 
韓国は代替輸入先の恩恵なし
サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 米中貿易紛争以降、先端製品の双方の交易の比重が急速に減少し、その空白を台湾とベトナムが埋めていることが分かった。韓国の先端製品の市場シェアは、中国では減少し、米国では小幅上昇した。

 韓国貿易協会の国際貿易通商研究院は、22日に発表した報告書「米中ハイテク輸入市場における韓国の輸出動向および示唆点」で、米国と中国がハイテク産業で相互依存度を減らし、輸入先を多角化したことで、国別の市場シェアに変化が生じていると分析した。

 ハイテク品目は技術開発(R&D)の比重が大きい航空宇宙やコンピューター、電子通信、医薬品など、経済協力開発機構(OECD)が定めた9分野の製造物だ。世界の貿易量の約20%を占めている。韓国は輸出額の3分の1がハイテク品目であり、輸出額基準で世界6位の規模。中国と米国はこの品目で世界1位と2位の輸入国だ。

 同報告書によると、中国のハイテク輸入市場で米国のシェアは、2015年の8.5%(3位)から昨年は4.9%(6位)に落ち込んだ。一方、台湾とベトナムのシェアは大幅に増えた。台湾のシェアは2015年の19.0%から昨年は25.2%に上昇。ベトナムは2017年の4.1%から昨年は7.0%に上昇し、台湾、韓国、日本に次いで4位を記録した。

 中国の輸入市場における韓国の先端製品のシェアは減っている。2015年の19.0%から昨年は15.9%まで下がった。2015年まで台湾と1位の座を争っていたが、シェアの格差がますます広がっている。報告書は「米中紛争以後、中国が台湾とのサプライチェーンの連係を強化し、半導体をはじめとする台湾産先端品目の輸出が急速に増加した」とし、「市場シェアで1位の台湾に大きく引き離されている」と分析した。

 米国のハイテク輸入市場では中国が依然として1位の座を守っているが、シェアは2017年の38.9%から昨年は29.8%へと9.1ポイントも急落した。2018年、米中貿易紛争が本格化し、中国産ハイテク製品の対米輸出が減った影響と見られる。中国のシェアが下がる間、台湾とベトナムが対米輸出国に急浮上した。昨年、台湾の市場シェアは7.0%、ベトナムは6.7%で並んで3位となった。2017年以降4年間、台湾のシェアは3.4ポイント、ベトナムは4.3ポイントも急上昇した。

 韓国のシェアはあまり変わっていない。昨年の韓国のシェアは4.2%で、2017年(3.5%)より小幅上昇した。中国(29.8%)、メキシコ(11.1%)、台湾(7.0%)、ベトナム(6.7%)、マレーシア(6.1%)に次いで6位だった。韓国のシェアは過去10年間で3~4%台を維持している。

 昨年の韓国のハイテク製品輸出対象国は、中国(36.3%)、ベトナム(15.6%)、香港(13.9%)、米国(10.0%)、台湾(5.8%)などの順だった。品目は半導体(58.8%)を含む電子通信機器が78.3%で圧倒的に多く、科学機器(9.2%)、コンピューター・事務機器(7.5%)の順だった。

 貿易協会のキム・ミヌ首席研究員は「米中貿易紛争により、世界最大の先端産業市場である米国と中国で、危機と機会が同時に現れている」とし、「中長期的に台湾のように非メモリー半導体の全般的な領域で輸出力量を育て、航空宇宙や医薬品などで次世代主力産業を積極的に拡張しなければならない」と提言した。

キム・フェスン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1052007.html韓国語原文入力:2022-07-2214:38
訳H.J

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