中国製電気バスが価格競争力はもちろん技術競争力まで備え、韓国内市場占有率をますます高めている。特に走行距離が韓国製より長く、運送企業の人気を得ている。韓国製電気バスではバッテリー容量が足りず、運行の途中で追加の充電をしなければならないからだ。韓国製電気バスの競争力向上のための集中的な研究開発投資がなされなければ、韓国市場を明け渡すほかはないという見通しが出ている。
14日、自動車市場調査機関である「カーイズユー(CarIsYou)」によれば、今年前半期に新しく登録された電気バス896台のうち399台(44.5%)が中国製だった。2020年は23.2%、2021年は33.2%と、毎年占有率が上がった。かつて中国製の電気バスは約1億ウォン(約1050万円)ほどの価格差が武器だったが、今は変わったという評価だ。バス業界の関係者は「3~4年前でも現代自動車製は4億5千万ウォン、中国製は3億5千万~3億7千万ウォンほどで価格差が大きかった」として「今は競争の激化で共に3億3千万ウォン台であり似た水準になったが、中国製が相変らず人気がある」と説明した。
中国製電気バスの最近のシェア上昇の要因はバッテリーの性能だ。中国製バスは1回の充電で終日運行できるが、韓国製は運行中に再充電しなければならない。匿名を要請した首都圏のある市内バス会社のA代表は「市内バスの路線は終日走れば200~300キロ程度になる」として「BYDやBHMなどの中国製は、バッテリー容量が350キロワット時を超えるが、現代自動車、エジソンモータースなどの韓国製はバッテリー容量が30キロワット時未満」と話した。現代自動車の電気バスであるエレクシティ(ELEC CITY)は290キロワット時のバッテリー容量で、1回の充電での認証走行距離は421キロだが、実際の走行時はそこまで走らないという説明だ。彼は「メーカーが言う走行距離は、バッテリーを完全に充電してから放電するまで走った実験結果に過ぎない。安全問題から100%充電は難しく、余裕を残さなければ回送が不安なので、実際のバッテリー容量の20~30%しか使えないとみなければならない」として「春、秋の電費(バッテリー容量1キロワット時当たりの走行可能距離)は1キロを少し超え、冬には0.7~0.8キロまで下がる」と説明した。
短い走行距離はコストの増加を持たらす。昼間の時間帯の充電料金がより高いからだ。ソウル市の基準で深夜の充電料金は1キロワット当たり50~100ウォンだが、昼間の充電料金は200ウォンを超える。中国製は深夜時間にだけ充電すれば良いが、韓国製は昼間にも充電しなければならない。
バス会社は中国製を選んでいるが不安もある。バスは普通9~11年間運行するが、その期間に中国メーカーが廃業すれば、部品調達や整備などアフターサービスが不可能になりうる。京畿道の市内バス関係者は「かつて中国製のディーゼルバスを導入したが、数年後にメーカーが廃業し、非常に苦労をした会社があった」として「中国製電気バスに一斉に変えることはリスクがある」と話した。
こうした状況で、韓国メーカーは中国製より多い補助金の支給を要求している。だが、通商紛争の可能性があり、実際の適用は容易でない状況だ。結局、技術力を高め中国と競わなければならないというのが専門家の意見だ。大林大学のキム・ピルス教授(未来自動車学)は「電気バスは中国が先に始めてスケールメリットを武器に競争力を備えてきた」として「輸出で生きなければならない韓国の立場としては、韓国製に補助金を支給すれば不利益にあいかねない。開発段階から研究開発に集中投資して競争力を高める方法が最善」と話した。