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韓国銀行、物価高騰に史上初の政策金利0.5p引き上げ…長い「辛抱の時」到来か

登録:2022-07-14 06:38 修正:2023-02-24 09:51
韓銀、政策金利を年2.25%に 
8年間の低金利時代終わる
韓国銀行史上初めて政策金利を通常の2倍(0.5ポイント)に引き上げた今月13日、イ・チャンヨン韓国銀行総裁がソウル中区の韓国銀行で開かれた金融政策の方向に関する記者懇談会で、取材陣の質問に目をつぶって考え込んでいる=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行の金融通貨委員会(金通委)が13日現在、年1.75%の政策金利を2.25%に引き上げた。通常の引き上げ幅(0.25ポイント)の2倍の「ビッグステップ」(0.50ポイント引き上げ)に乗り出したのは、韓国の中央銀行の政策金利決定史上初めて。2015年3月以後、7年以上続いた年2%以下の「低い政策金利の時代」が事実上終わり、利子負担に脆弱な集団はもちろん、すべての経済主体が、高い金利と物価という変化したマクロ経済環境に適応しなければならない、長期にわたる「辛抱の時」になる可能性が高くなった。

 イ・チャンヨン韓国銀行総裁は同日、金融政策決定会議直後に行った記者説明会で、「今日0.50ポイントを引き上げたのは非常に例外的な状況だ。今後の政策金利は物価に対応して年末までビッグステップよりは0.25ポイントずつ漸進的に引き上げる方向を考えている。市場で年末の政策金利が2.75%~3.00%に達すると予測するのは当然で合理的だ」と述べた。同日、ビッグステップでインフレ期待心理を弱めるための措置をすでに取ったため、今後年末までに残った3回の金融政策決定会議(8月、10月、11月)では0.25ポイントずつ漸進的に引き上げ、さらなるビッグステップはできるだけ排除する方針を市場に明確に示したわけだ。

韓米の政策金利の推移

 今後の政策金利の予想経路の最も重要な前提条件である物価のピークアウトにつて、イ総裁は「第3四半期後半または第4四半期初めにピークを越えるだろう。だが、ピークを越えても急速には下がらず、緩やかに下がり続け、高い水準が当分維持されると金融通貨委員らはみている」と説明した。イ総裁は、原油高および世界穀物価格の急騰など国外要因が大きいエネルギーと食料品価格を除いたコアインフレ率が4%台に上がったという点を特に強調しながら「景気と関連が少ないコアインフレがあまりにも高い水準であり、物価高が加速化・固着化する前に金通委が先制的に対応している」と話した。

 今回の大幅な利上げによる経済成長鈍化の懸念に対し、イ総裁は「下半期に景気下方リスクが大きくなっており、今年5月に韓銀が見通しを修正した今年の成長率年2.7%、来年の成長率2.4%よりは明らかにやや低くなるだろう」としながらも、「今年は2%台半ば、来年は2%台前半を維持し、潜在成長率(概ね2.0%推定)よりは高い水準を示すものと考える」と述べた。

 韓国の政策金利は2015年3月(1.75%)以後、今まで1%台以下で「低政策金利」基調を持続してきたが、今や2014年8月(年2.25%)時点まで上がり、長い低金利時代が事実上幕を下ろしている。イ総裁は「今回の金利上昇局面で不動産と株式価格の調整は避けられないとみられる。金利と物価いずれも、これまで長い間持続してきた0~2%以下を仮定し続けるよりは、今回の事態を経て高くなった金利と物価のリスクを考える方で経済活動をした方が望ましい」と要請した。同日、政策金利0.50ポイントの引き上げは、金通委員(現在6人)の全員一致で決まった。

チョ・ゲワン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1050848.html韓国語原文入力:2022-07-13 19:44
訳H.J

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