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OECD、韓国の今年の経済成長率を4.0%に上方修正

登録:2021-09-23 06:30 修正:2021-09-23 07:20
最新の「経済見通し」で成長率4.0%、従来より0.2p引き上げる 
韓国、コロナ禍以前に比べ成長は回復したものの、雇用はまだ低迷 
OECDが最近発表した最新の「経済見通し」(OECD Economic Outlook, Interim Report)//ハンギョレ新聞社

 経済協力開発機構(OECD)は、今年韓国経済が4.0%の成長を遂げると見通した。4カ月前より0.2ポイント引き上げた推定値だ。また、韓国がコロナ禍前に比べて経済成長は回復したものの、雇用市場は完全な回復に至っていないと分析した。

 OECDが22日に発表した最新の「経済見通し」(OECD Economic Outlook, Interim Report)によると、韓国の今年の経済成長率は4.0%と予想され、5月の予測(3.8%)より0.2%ポイント上方修正された。国際通貨基金(IMF、4.3%)や韓国政府(4.2%)の見通しよりは低く、韓国銀行(4.0%)やアジア開発銀行(ADB、4.0%)とは同じ数値だ。OECDは、来年の韓国の成長率は2.9%と予想した。これも従来の予測より0.1ポイント高い数値だ。企画財政部は「OECDが最近(新型コロナの変異ウイルス)デルタ株拡散の影響を反映し、米国をはじめ主要先進国、全世界など全般的な成長率見通しを下向修正した」とし、「先進国のうち韓国と、フランス・イタリアなど一部欧州国家だけが上方修正された」と明らかにした。

 OECDは、今年の世界経済成長率見通しを5.7%とし、昨年5月より0.1ポイント下方修正するなど、多くの国の予測値を引き下げた。主要20カ国(6.3%→6.1%)をはじめ、米国(6.9%→6.0%)やカナダ(6.1%→5.4%)、日本(2.6%→2.5%)などの今年の成長率も前回より低く予想された。ユーロゾーン(4.3%→5.3%)やフランス(5.8%→6.3%)、イタリア(4.5%→5.9%)などの成長率見通しが上方修正され、中国(8.5%)は従来の見通しが維持された。来年の世界経済成長率は従来の見通しより0.1ポイント上がった4.5%と予想された。OECDは「世界経済の回復は政府と中央銀行の支援とワクチン接種で進んでいるが、国によって不均衡に行われている」と明らかにした。

//ハンギョレ新聞社

 コロナ禍前に比べると、韓国は国内総生産は回復したものの、就業率はまだそれに及んでいない。OECDは、主要20カ国のうち韓国をはじめ米国、オーストラリア、トルコ、中国などの今年第2四半期の国内総生産(GDP)が、2019年第4四半期の水準を上回ったと分析した。しかし、就業率はオーストラリア(1.8%)とフランス(0.8%)だけが2019年第4四半期より高かった。韓国は-0.1%で、イタリア(-1.3%)、カナダ(-2.3%)、米国(-4.5%)、ブラジル(-5.8%)なども完全に回復していない。OECDは「生産と雇用の側面で国別に異なる様相を示している」とし、「米国など一部の国は、生産においてはコロナ禍前の水準に回復したが、雇用においては低迷が続いている」と明らかにした。さらに「欧州は雇用を維持したが、生産量と勤労時間はまだ完全に回復しておらず、一部新興国は早く回復したが、高いインフレの圧迫に苦しんでいる」とし、「各国が異なる課題に直面している」と分析した。企財部の関係者も「韓国は輸出を中心に速く成長率を回復したが、自営業者の割合が高く、内需回復が遅れ、雇用も完全に回復していない状況であることを示している」と説明した。

 OECDは、主要20カ国の物価についても修正した見通しを発表した。通常は5月と11月に物価見通しが発表されるが、インフレへの懸念を考慮し、異例にも今回見通しを示した。今年の韓国の消費者物価上昇率の予測値は、従来より0.4ポイント引き上げた2.2%だった。主要20カ国の物価上昇率の予測値は今年3.7%、来年3.9%で、従来の予測よりそれぞれ0.2ポイントと0.5ポイント下方修正された。OECDは「今年第4四半期の物価指数は最高を記録した後、ベース効果の低下と原材料価格と運賃上昇の鈍化などで今後は安定化するだろう」としながらも、「コロナ禍前の平均に比べると高い水準」だと明らかにした。

 OECDは今後の政策方向として、新型コロナワクチン普及に向けた国際協力と積極的なマクロ政策を勧告した。OECDのチーフ・エコノミストのローレンス・ブーン氏は「通貨政策は明確な指針をもとに緩和の基調を維持し、財政政策は短期的な不確実性が高いため、性急に政策転換を進めるよりは景気状況に応じて柔軟に対応すべき」と勧告した。

 アジア開発銀行(ADB)も最新の2021年アジア地域経済見通し(Asian Development Outlook Update)を発表し、今年の韓国経済成長率の見通しを従来と同じ4.0%と予想した。企財部は「変異株の出現などにもかかわらず、予想外の純輸出傾向、堅固な民間投資および民間消費回復による結果」だと分析した。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1012327.html韓国語原文入力:2021-09-23 02:36
訳H.J

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