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IMF「韓国、回復早い」…成長率見通しを4.3%に上方修正

登録:2021-07-28 06:09 修正:2021-07-28 07:28
韓国政府の見通し4.0%など主要機関より高い 
先進国と新興国間の格差は広がる見通し 
IMF「ワクチン接種スピードの違いが格差をさらに広げる」
//ハンギョレ新聞社

 国際通貨基金(IMF)は、今年の韓国の経済成長率見通しを今年4月の見通し(3.6%)より0.7ポイント上げた4.3%に上方修正した。先進国の平均見通しが0.5ポイント上がったことに比べると、韓国の回復傾向が他の先進国より早いと判断したということだ。ただし、今回修正された見通しには、最近確定した第2次補正予算は含まれたが、新型コロナの再拡散は反映されなかった。

 IMFは27日、「世界経済見通し(WEO)アップデート」を発表し、今年の世界経済成長率は4月の見通しと同じ6.0%と予測しながらも、先進国と新興国間の格差がさらに広がると予想した。韓国の場合、今年は4.3%、来年は3.4%成長するとの見通しを示した。韓国政府(4.2%)をはじめ、経済協力開発機構(OECD、3.8%)、韓国銀行(4.0%)、アジア開発銀行(ADB、4.0%)、韓国開発研究院(KDI、3.8%)など主要機関の予想よりも高い。世界3大格付け会社のフィッチ(4.5%)よりは低いが、S&P(4.0%)やムーディーズ(3.5%)よりも高い。

//ハンギョレ新聞社

 IMFは他の主要先進国に対しても今年の成長率見通しを上方修正した。米国については6.4%から7.0%へと0.6ポイント引き上げ、英国(5.3%→7.0%)やカナダ(5.0%→6.3%)なども上方修正した。先進国の平均見通しは5.1%から5.6%へと0.5ポイント上昇した。一方、新興諸国は、中国(8.4%→8.1%)やインド(12.5%→9.5%)など、多くの国が下方修正された。

 IMFのチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏は「経済回復は続いているが、先進国と新興国間の格差が広がっている」とし、「今年の先進国の成長率見通しは0.5ポイント改善されたが、新興国は同じ規模に下方修正された」と明らかにした。格差拡大の主な理由は、新型コロナワクチン接種のスピードの違いだった。ゴピナート氏は「先進国は約40%がワクチン接種を受けたのに対し、新興国は11%水準だ」とし、「より早い接種が日常への回復スピードを高めたが、インドなどはワクチン接種不足とデルタ株の拡散などで(新興国の成長率見通しを)下方修正した」と明らかにした。また、韓国や米国、欧州連合(EU)などは、昨年に続き今年も追加の財政支出が行われた点も影響を及ぼした。

 一方、インフレへの懸念は大きくないと診断された。同氏は「主要先進国で2022年には新型コロナ発生前の水準まで低くなると予想する」と述べた。その根拠として、昨年のコロナ禍における旅行やサービス業種などの低迷によるベース効果や雇用率が、流行前の水準より依然として低いことを挙げた。ただし、原材料などの供給不足や住宅価格上昇の可能性は依然としてインフレを生む要素として挙げられた。

 各国政府には拡張的財政・通貨政策を引き続き進めることを勧告した。ゴピナート氏は「ワクチン供給などの保健支出と脆弱階層の保護が優先」だとし、「補助金で労働・資本を再配置し、教育の損失を防ぐなどの政策のため、拡張的財政政策が重要だ」と指摘した。さらに「財政支出は中期支出計画のもと行わなければならず、財務安定性のため租税累進性の強化と支出構造の調整などが必要だ」と付け加えた。

 IMFによる成長率見通しの上方修正と関連し、企画財政部は同日、資料を出し、「今年の成長率調整幅(0.7ポイント)は先進国平均(0.5ポイント)はもとより、主要7カ国(G7)のうち英国、カナダに次いで3番目に高い」とし、「昨年、コロナショックを最小化したのに続き、今年は主要先進国よりも早く回復する見通し」だと明らかにした。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1005418.html韓国語原文入力:2021-07-27 22:15
訳H.J

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