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韓国人32年間のみ「黒字人生」…41歳がピーク

登録:2019-12-10 04:32 修正:2019-12-12 07:31
27歳から「+」59歳から「-」 
人生の黒字期間3年増える 

幼年期には民間移転額多く 
老年期には公共移転が先行 
「家族扶養より福祉が老後支える」
ゲッティイメージズバンク//ハンギョレ新聞社

 韓国人は27歳で労働所得が消費より多い「黒字人生」に入り、41歳にピークに達し、定年目前の59歳で再び「赤字」に転落することが分かった。

 9日に統計庁が発表した「2016年国民移転計算」によると、1人当たりの生涯サイクル上、韓国人は0~26歳までは「赤字」、労働所得が上がる27~58歳は「黒字」で、59歳以降は再び「赤字」の人生となることが分かった。人生を通して32年間は黒字暮らし、残りの期間は収入が消費より少ない赤字人生を送るということだ。

公共移転および民間移転の年度別推移(単位:兆ウォン) =資料:統計庁//ハンギョレ新聞社

 今年1月に発表された「2015年国民移転計算」では、黒字人生の期間は29年(29~57歳)だった。1年で黒字期間が3年伸びたかたちだ。統計庁の関係者は、「高齢化によって、より長く働き引退時期が遅くなったことが影響したものとみられる」と語った。国民1人当たりの生涯サイクル上、赤字幅は16歳で2867万ウォン(約261万円)と最も大きく、黒字幅は41歳(1435万ウォン、約131万円)で最も大きかった。

 収入より消費の多い長い赤字期間を支えるのは、家族や国の援助だった。労働年齢層(15~65歳)の収入は、国家の福祉システムを通じた公共移転と、主に家族間の援助を意味する民間移転に分けられ、それぞれ幼年層(0~14歳)と老年層(65歳以上)に移転されるが、幼年層には132兆4千億ウォン(約12兆1000億円)、老年層には74兆4千億ウォン(約6兆7800億円)の順流入が発生した。特に幼年層には民間移転(74兆4千億ウォン)の方が公共移転(58兆ウォン、5兆2800億円)より多く、老年層には公共移転が54兆8千万ウォン(約5兆円)と、民間移転(19兆6千億ウォン、約1兆7900億円)より多かった。

1人当たりの生涯サイクルにおける赤字//ハンギョレ新聞社

 高齢化と福祉制度の強化で公共の役割はますます大きくなっていることが分かった。現金などの財源が年齢別に移転された総額を見ると、2016年に公共移転は112兆7千億ウォン(約10兆3000億円)で、民間移転99兆ウォン(約9兆200億円)を超えたことが分かった。特に民間移転が2010年の91兆5千億ウォン(約8兆3400億円)から2016年の99兆ウォンへと7兆5千億ウォン(約6840億円)増える間に、公共移転は2010年の74兆ウォン(約6兆7500億円)から28兆ウォン(約2兆5500億円)あまり増加したことが分かった。統計庁所得統計開発課のキム・デユ課長は、「税金を徴収し福祉で返す公共移転が、家族関係などを通じた私的な扶養規模を超えたことになる」とし、「公共移転の比重が特に高い高齢者層に対する福祉を強化したことにより、公共移転が高い増加率を示している」と述べた。

 国民移転計算は、人口構造の変化などによる年齢層別の資源配分の流れを把握できる指標で、2019年1月に初めて発表された。全国民の年齢層別労働所得や消費水準、公的移転、世帯内と世帯間の私的移転などを把握しなければならないため、統計調査と発表に3年程度の時差が生じる。キム・デユ課長は「政策効果をより分かりやすくするため、時差を減らすことを検討している」と述べた。

ノ・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/920213.html韓国語原文入力:2019-12-09 20:24
訳D.K

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