「遊客(ヨウカー)」(中国人観光客)の爆発的な購買力とともに急激に成長した中国の国営クレジットカード会社ユニオンペイ(Union Pay)が、中国から飛び出し韓国などのグローバル市場への進出を加速させている。モバイル決済サービスにも注目しており、「クイックパス(QuickPass)」の普及に加えて、最近、サムスンペイやアップルペイなどとの戦略的提携を結んで市場の先取りに乗り出した。クイックパスは、スマートフォンをかざすと1秒も経たないうちに決済が行われるモバイル決済サービスだ。
ユニオンペイは2002年に中国の銀行カード連合体で発足した決済サービス会社で、韓国国内では「銀連カード」と呼ばれている。ユニオンペイは、2012年にグローバル業務を担当する子会社ユニオンペイ・インターナショナル(UPI)を設立し、グローバル市場への進出拡大を図っている。
4日、中国・上海にあるユニオンペイ・インターナショナル本社で会ったドン・リ(Dong Li)副総裁は、「ユニオンペイが海外市場の中で最も重要視している市場はまさに韓国」とし、「韓国のBCカードとの提携を強化して韓国の中上流顧客を対象に、ゴルフと旅行などで特典を与えるプレミアムサービスを開発し、韓国市場を攻略する計画だ」と語った。
ユニオンペイカードは、現在、中国だけでなく、150カ国以上、2600万加盟店で使える。昨年基準で、全世界で発行されたカードの半分(52%)がユニオンペイだった。ドン副総裁は、「韓国ではまだブランドの認知度が低いが、韓国でのユニオンペイカードの累積発行数は約1600万枚に達する。これは、外国人が顧客の持つユニオンペイカード(5000万枚)の約32%に当たる」と説明した。
ユニオンペイは、モバイル決済サービスにも大きな関心を寄せている。ユニオンペイのクイックパスは、近距離無線通信(NFC)ベースのタッチ型決済サービスで、ICチップが内蔵されたカードやスマートフォン、ウェアラブル機器をかざすと、自動的に決済される。今年8月初めからは、韓国でもBCカードと共にスマートフォンベースのクイックパスカードの発行を始めた。モバイル簡単決済サービスである「サムスンペイ」の中国進出に向けて、サムスン電子との契約も既に終えた。ユニオンペイはアップルペイとも協議を続けている。ドン総裁は、「モバイル決済サービスの競争力を高め、VISAやMasterカードなどに対抗できるように力を付けて行くつもりだ」と付け加えた。
韓国語原文入力: 2015-12-07 20:15