日常生活に深く入り込んだFinTec
“3秒決済”時代に20余りの「ペイ」乱立
カカオペイ会員は500万人を超える
ペイコ、シロップペイ、ネイバーペイも続く
注目される「O2O」、サムスンペイが代表例
カードリーダー機にスマートフォン決済で終わり
狙いはサムスンペイよりギャラクシー販売最大化
サムスンペイ決済時も特に手数料なし
国内のFinTecは様々な金融分野に拡散中
会社員のパクさん(39)は今日も帰宅途中に“ショッピング”する。数日前に買うはずだった子供の学習塾教材、ずっと値段を比較してきた空気清浄器、夫の秋のシャツ…。米びつの残りが少なくなっていたことを思い出し、新米もスマートフォンで何度かクリックして購入を終えた。少し前までは週末に大型スーパーやデパートで購入していたものだ。それらもスマートフォンで購入できたとはいえ、公認証明書の設置が非常に面倒で煩わしかった。今は公認証明書がなくても、あらかじめ登録したクレジットカードを選択し、簡単にパスワードを入力したりスマートフォンのメッセージで認証番号を受ければすむ。
キムさん(41)の財布は日増しに薄くなっていく。クレジットカードが現金にとって代わり、その薄くなった財布もスマートフォンに押し出された。なにかあったためにと財布のようなスマートフォンケースにクレジットカード数枚を挟んで通うが、使うことはほとんどない。地下鉄やバスに乗る時はもちろん、コンビニで飲み物を買ったりコーヒーを1杯注文して飲む時もスマートフォンだけ差し出せば終わりだ。
「FinTec(フィンテック)」が日常に奥深く入り込んでいる。金融(financial)と技術(technology)が出会うことにより、複雑な公認認証手続きもクレジットカードを出して署名する過程も省略されたり簡素化された。“3秒決済”時代に合わせたお金の使い方は消費者には朝飯前だ。FinTecの最も代表的で基礎的な事業モデルである“簡易ウェブ決済”が日常化されたのだ。
朴槿恵(パク・クネ)大統領が「チョンソンイ・コート」(訳注:韓流ドラマ主演女優が着たコートの注文殺到でネットショッピングの煩雑さが問題になったことを指す)と「FinTec」を言及する前の2013~2014年、すでにLGU+のペイナウとBCカードのペイオールが簡易決済サービスを提供していた。移動通信3社の小額決済を支援したり仮想カード番号で決済する方式だった。昨年始まったカカオペイは会員500万人を集め、NHNエンターテインメントは3月からペイコの試験サービスを始め、8月に正式に発売した。SKプラネットのシロップペイ、ネイバーのネイバーペイも相次いで出された。
これまでほとんどがインターネットショッピングモールで簡単に決済させていたサービスだ。カカオペイはカカオトーク利用者がアプリなしでメッセンジャーを活用したり提携加盟店で決済することができる。銀行、カード会社、通信社の制限なく使えるのがメリットだ。国内1位のポータル企業のネイバーのネイバーペイは、約5万あるインターネットショッピング加盟店を利用できるのが強みだ。ネイバー検索結果に登場するインターネットショッピングモールで、ネイバーIDだけで手軽に物品を購入することができる。カカオペイとネイバーペイは、それぞれメッセンジャー利用者とショッピング検索利用者の決済便宜性を高めようとするのが簡易決済発売の背景である一方、カード会社とインターネットショッピングモールの簡易決済は、それぞれカード利用者とショッピング顧客の利用便宜を高めて売り上げ増大につなげるのが目的だ。
さらに注目されるのが急成長する、いわゆる「O2O(online to offline)」市場だ。モバイルで決済して実生活で直接商品とサービスを受け取る、オフラインとオンラインの連係を意味する。インターネット・モバイルでショッピングして商品の配送してもらうことから進化し、実生活で直接スマート機器を活用して手軽に決済して商品とサービスを手に入れることができる。モバイルと実生活が統合されれば消費者は一層便利にお金を使うことができる。
サムスン電子が8月にサービスを始めたサムスンペイが代表例だ。今年4月に発売されたサムスン電子のスマートフォン、ギャラクシーノート5とギャラクシーS6エッジプラス利用者は、サムスンペイのアプリを実行してスマートフォンのカメラでクレジットカードを撮り、パスワード・セキュリティーコードなどを入力すればサムスンペイを利用できる。商品を買う時に既存のカードリーダー機にスマートフォンを当てて決済される手軽な方式だ。ギャラクシーS6とギャラクシーS6エッジは、ソフトウェアのアップグレードをすれば同じように使える。こうした便利さもあってサムスンペイは発売1カ月で国内の累積加入者が50万人を超えたのに続き、最近60万人を突破した。今までの1日の最大取り引き額は約8億ウォン(約8000万円)を記録した。
韓国語原文入力:登録:2015-10-04 20:35