今から7年後の2032年に地球に衝突する可能性が提起されていた小惑星「2024 YR4」の標的が、地球から月に変わった。
科学専門誌「ニュー・サイエンティスト」は、米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが26日、5時間にわたりジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)で観測した結果、この小惑星が月に衝突する確率が2%になったと報じた。2月の1.7%よりやや上昇した。研究チームは、小惑星の地球衝突の可能性が高まった2月、緊急にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測を申請した。
研究チームはまた、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線観測を通じて、小惑星の正確な大きさが幅60メートル前後であることを突き止めた。誤差範囲は7メートル前後。過去に地上の望遠鏡を通じて推定された大きさは、40~90メートルだった。
2月に一時は3%台まで上昇したこの小惑星の地球衝突の確率は、その後はほぼ0に収束している状況だ。米航空宇宙局(NASA)の地球近接天体研究センター(CNEOS)が測定した衝突の確率は、3月31日時点で0.0011%、9万1000分の1だ。
科学者たちは、地球衝突の危険が消失したこの小惑星が、地球の代わりに月に衝突するケースを密かに期待している。小惑星による月のクレーターの生成過程を直接目撃できる機会だからだ。
英国ケント大学のマーク・バーシェル教授は「もしそのようなことが起きるとすれば、衝突地点で光る光(閃光)を研究できる幻想的な機会になるだろう」と述べた。
月に自然に衝突する小惑星を観測し、科学的データを得ることは、きわめて難しい。いつどのような小惑星が衝突するのか予測できないだけでなく、たとえ発見したとしても、その小惑星の質量と速度についての情報がないためだ。衝突の可能性がある7年前に確認された小惑星「2024 YR4」については、必要なすべての情報を揃えてこれを観測するチャンスを作ることができる。
■月に衝突するときに閃光を見るためには
バーシェル教授によると、1990年代までは、天文学者らはこのような現象は見られないと考えていた。しかし2000年代初頭、一部の研究者が2つの望遠鏡を併用することで観測が可能なことを証明した。これを受け、欧州宇宙局(ESA)は2003年、衛星「SMART-1」を打ち上げ、意図的に月の表面に衝突させる実験を行った。科学者たちは大きさ1メートル、重さ367キログラムのこの衛星を、2006年9月3日に月の表面に衝突させ、そのときに発生した閃光を地上の望遠鏡で観測した。これを通じて、隕石衝突シミュレーションに必要なデータを確保することができた。
しかし、実際に「2024 YR4」が月に衝突するとしても、閃光を観測するための条件はきわめて厳しい。何より、小惑星が地球に面した側に、それも日光を受けない陰の地域に衝突しなければならない。地球では、観測者は月が昇る地域にいる必要があり、観測地の天候も雲一つない快晴でなければならない。
バーシェル教授は「このような条件がすべて満たされれば、すでに大きさと移動速度が分かっているため、小惑星が月に衝突する場合に、どのようなことが起きるのかを完璧に把握できる機会になるだろう」と述べた。バーシェル教授は「このようなことが実際に起きるとすれば、天体望遠鏡はもちろん、双眼鏡でも観測が可能だろう」と補足した。
2024年12月27日に初めて発見されたこの小惑星の地球衝突の確率は、1月末の1.3%(77分の1)から3週後の2月18日には3.1%(32分の1)まで上昇し、天文学界の強い関心を集めた。
この小惑星は昨年末、地球から80万キロメートルの距離まで近づいた後、方向を変えて秒速13.5キロメートルの速度で地球から遠ざかっている。3月31日現在は地球から1億7000万キロメートルの距離にある。軌道周期は4年、近日点は1億2700万キロメートル(0.85AU)、遠日点は6億3300万キロメートル(4.23AU)と推定される。2028年に地球から800万キロメートルの距離まで再接近する。
ESAが議長を務める宇宙ミッション計画諮問グループ(SMPAG)は、この小惑星が視野から消える4月末または5月初めに、小惑星のリスクを検討する会議をふたたび開催する。