太陽系で衛星が最も多い土星で、128個の衛星が新たに発見された。これで確認された土星の衛星の数は274個になった。
12日付のニューヨークタイムズによると、今回の発見は過去最大規模であり、数日以内に米国天文学会(AAS)の研究ノートに発表される予定だ。
土星は2023年に62個の衛星が新たに発見されて100個を超え、太陽系で衛星が最も多い惑星になった。現在、土星の次に衛星が多い惑星は木星で衛星の数は95個。続いて天王星が28個、海王星が16個だ。いずれも太陽から遠いガス惑星・氷惑星に当たる。太陽に最も近い岩石惑星である水星と金星には衛星がない。地球は1つ、火星は2つだ。
■直径数キロの小さな不規則衛星
新たに確認された衛星の多くは直径が数キロメートルに過ぎないほど非常に小さい。大きさに関わらず、星ではない惑星や他の天体を追跡可能な軌道で公転する宇宙物体は、衛星の資格を持つ。研究チームは、おそらく約1億年前の小惑星の衝突後に軌道に残った残骸だと推定した。国際天文学連盟(IAU)は11日、これらを新たに衛星として公式に登録した。
これらの衛星は2023年に海抜4200メートルのハワイ・マウナケア山の頂上にある直径3.58メートルのカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)の観測を通じて発見された。
衛星は全て大きさが小さく形が不規則で、土星の赤道を基準に非常に大きな傾斜角軌道を回っている。土星との距離は1050万~2900万キロメートルだ。土星の環が28万キロメートルまで延びており、主な衛星が最大320万キロメートルの距離にあることと比較すると、土星から非常に遠く離れている。
■さらに数千の衛星があるかもしれない
土星にこれほど多くの衛星があるということは、何度も衝突があったことを示唆する。研究チームは、太陽系の他の場所で衝突した大型天体の破片が土星の重力にとらえられたか、土星の軌道で数十キロメートル大の衛星間の衝突の結果として残された残骸である可能性もあると明らかにした。128個のうち47個は一つのグループにまとめることができる。研究チームは、このグループが1億年前の土星軌道内の衝突の残骸であると推定した。
今回の研究の主著者で2023年に62個の衛星発見研究の責任者でもあったエドワード・アシュトン博士(台湾中央研究院天文学および天体物理学研究所)はニューヨークタイムズに「土星周辺には発見されるのを待っている衛星がさらに数千個ありうる」と語った。博士は「だが、その発見は他の人々に任せることもできる」として「今は少し疲れている」と付け加えた。