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最も危険だった「2032年衝突予想の小惑星」、地球衝突の可能性消える

登録:2025-02-26 07:27 修正:2025-02-26 09:24
クァク・ノピルの未来の窓 
衝突確率0.0017%、5万9000分の1 
NASA、衝突リスクのレベルを「0」に修正
2月7日、8.1メートルのジェミニ南望遠鏡から観測した小惑星2024 YT4=Catalina Sky Survey//ハンギョレ新聞社

 2032年に地球に衝突する確率が3%台まで上昇した小惑星「2024 YR4」の衝突の可能性が事実上消えた。

 米国航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の地球近接天体研究センター(CNEOS)は24日(現地時間)、この小惑星が2032年12月22日に地球に衝突する可能性が0.0017%、5万9000分の1に低下したことを明らかにした。一方、小惑星が月に衝突する可能性は1.7%に上昇した。

 欧州宇宙機関(ESA)の地球近接天体調整センター(NEOCC)も独自の推定を通じて、小惑星の衝突確率は0.002%だと明らかにした。

 NASAは「専門家が継続的に追加されている観測データに基づき、小惑星の軌道をより正確に計算することができた」とし、「現時点では、この小惑星が今後100年間に地球に影響を与えるに足る可能性はないことを発見した」と発表した。さらにNASAは「最新の観察結果から、今後の軌道の不確実性はさらに減り、2032年12月22日に小惑星が取りうる位置の範囲は、地球からさらに遠ざかった」と補足した。

2032年12月22日の「2024 YR4」が取る可能性のある位置(黄色の線)を示した図。白の円は月の公転軌道、地球は円の中心にある=NASA提供//ハンギョレ新聞社

■トリノスケール0は「危険なし」のレベル

 これを受け、この小惑星のトリノスケールも0になった。国際天文連盟が基準としているトリノスケールは、衝突の可能性がまったくないレベル0から、衝突が確実で地球全体を危険に陥れる可能性のあるレベル10まで、11のレベルに分かれている。ESAも小惑星の衝突リスクの順位として、この小惑星を7位に付けた。

 トリノスケールを開発したマサチューセッツ工科大学(MIT)のリチャード・ビンゼル教授は、宇宙メディアの「スペース・ドットコム」に「小惑星の軌道経路を追跡した結果、地球に衝突する可能性が1000分の1以下に減り、『危険なし』のレベルであるトリノスケール0に再指定された」と述べた。ビンゼル教授は「1000分の1は、大きさが100メートル以下の物体に対してレベル0に下方修正できる臨界値」だと説明した。この小惑星の大きさは40~90メートルと推定される。

2月24日に推定された「2024 YR4」の軌道(白い線)=NASA提供//ハンギョレ新聞社

■観測は継続…3月にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で

 2024年12月27日に初めて発見されたこの小惑星の地球衝突の確率は、1月末の1.3%(77分の1)から3週後の18日には3.1%(32分の1)まで上昇し、天文学界から強い関心を集めた。国際小惑星監視ネットワークが稼動して以来、衝突の確率が3%を越えたのは初めてのことだった。

 小惑星の衝突の確率は、観測データが追加されるにつれ、1.6%(63分の1)、1.9%(53分の1)、2.2%(48分の1)、2.6%(38分の1)と徐々に高まり、3%でピークとなった後、19日には1.5%に低下し、20日からは0%台を維持している。

 NASAは、3月中に最高の観測力を持つジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)でこの小惑星の正確な大きさを把握するなど、今後もこの小惑星を継続して追跡する予定だと明らかにした。ESAが議長を務める宇宙ミッション計画諮問グループ(SMPAG)は、この小惑星が視野から消える4月末か5月初めに、もう一度会議を開くことにした。

 この小惑星は、昨年末に地球から80万キロメートルの距離まで近づいた後、方向を変えて秒速13.5キロメートルの速度で地球から遠ざかっている。軌道周期は4年、近日点は1億2700万キロメートル(0.85AU)、遠日点は6億3300万キロメートル(4.23AU)と推定される。2028年に地球から800万キロメートルの距離まで再び接近する。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1184038.html韓国語原文入力:2025-02-25 10:20
訳M.S

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