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[W杯]「大切なのは折れない心」…W杯が私たちに残したもの=韓国

登録:2022-12-07 06:41 修正:2022-12-07 07:31
3日、ポルトガル戦終了後、韓国代表チームのクォン・ギョンウォン選手(左)とチョ・ギュソン選手がサポーターから渡された「大切なのは折れない心」と書かれた太極旗を持っている=大韓サッカー協会(KFA)のツイッターよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 2022カタールW杯韓国サッカー代表チームの試合をすべて観戦した会社員のファン・ジヌさん(30)は、韓国代表チームのベスト16入りの道のりを「ハッピーエンドのドラマ」に喩えた。6日未明、ブラジルに1対4で惨敗した試合を見て出勤したファンさんは、それほど落胆した様子ではなかった。「最近、仕事で大変だったが、ポルトガル戦の勝利後、『大切なのは折れない心』と書かれた太極旗を掲げた選手たちを見て、諦めずに最後まで挑戦してみようと思うようになった」と語った。

 12年ぶりにベスト16入りを果たした韓国代表チームは、毎試合全力を尽くして走りぬいた。負けていれば追いつき、負けた後も互いに拍手を送った。市民たちはこのような選手たちの姿に感動を覚えたという。特に16強進出がかかった絶体絶命のポルトガル戦で2対1の劇的な逆転勝ちを収め、ウルグアイ対ガーナ戦の結果を一心に待っていた時、チョ・ギュソン選手とクォン・ギョンウォン選手が「大切なのは折れない心」と書かれた太極旗を掲げたことで、このフレーズは大きな反響を呼んだ。親世代に2002年W杯の「夢は叶う」があるならば、2022年には「大切なのは折れない心」が若い世代の脳裏にはっきりと刻まれたのだ。

 「大切なのは折れない心」は、9~11月に開かれたオンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)ワールドチャンピオンシップで、10年間の挑戦の末にこの種目世界最強の「フェイカー(Faker)」イ・サンヒョク選手を破って優勝した「デフト(Deft)」キム・ヒョッキュ選手のインタビューで初めて登場した。勝てない相手だと思われていたフェイカーに、ついに勝利したデフトの挑戦が若い世代を強く引き付けた。そして今回のサッカー代表チームのベスト16への挑戦と成功を表わす言葉として「大切なのは折れない心」がSNSに急速に広がった。

 会社員のホン・ソクヒさん(32)は、「大のサッカー好きとして、ベスト16という結果より最後まで諦めない代表チームの試合力にもっと大きな感動を覚えた」と語った。相次ぐ強豪との試合でも、最後まで諦めない選手たちの姿から慰めと共感を得たという人もいる。会社員のチョン・ジェウォンさん(30)は、「最近の20~30代は『N放(Nポ=放棄し、諦めたものの多い)世代』といわれている。すぐに諦めることに慣れてしまった韓国の若い世代に、9%の確率を突破した韓国代表チームが『諦めるな』というメッセージを送っているようだ」と話した。この日早朝、ソウル光化門(クァンファムン)広場で開かれた「赤い悪魔(韓国代表サポーターズ)』のパブリックビューイングに娘のミジュ(21)さんと共に参加したコ・ヨンソクさん(56)は、「2002年W杯の時、2歳だった娘を抱いてここで応援したことを思い出す。勝敗にかかわらず、今回のW杯が梨泰院(イテウォン)惨事で苦しんでいる娘と同じ年頃の若者たちの力になってほしい」と話した。

パク・ジヨン、コ・ビョンチャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1070443.html韓国語原文入: 2022-12-06 21:42
訳H.J

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