ガーナ戦で涙を流したファン・ヒチャン(ウルバーハンプトン)がついに韓国を救った。
ファン・ヒチャンは3日(韓国時間)午前0時、カタール・アルラヤンのエデュケーション・シティ・スタジアムで開かれた2022カタール・ワールドカップH組最終第3戦のポルトガルとの試合で、後半のアディショナルタイムに逆転ゴールを決め、「アルラヤンの奇跡」を作った。2-1で勝利し、リーグ2位で決勝トーナメントに進出した。
この日の後半21分、イ・ジェソン(マインツ)に代わり交替投入されたファン・ヒチャンは、これまでの試合で走れなかった恨みをはらすかのように、活発に攻撃を繰り広げた。ニックネームの「牡牛」らしい動きだった。ガーナ戦でのイ・ガンイン(マヨルカ)のように、韓国側の攻撃に活力を吹き込む交替だった。
得点が入ったのは、後半のアディショナルタイムだった。1次リーグでの脱落の恐怖が襲撃した瞬間、韓国はハーフラインの近くから相手のボールを奪い、ソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)が約70メートル走り、逆襲を加えた。ソン・フンミンはファン・ヒチャンに冷静に鋭いパスを渡し、ファン・ヒチャンは右足のシュートできれいにゴールを決めた。完ぺきな仕上げだった。
ファン・ヒチャンは今回の大会で精神的苦労を多く受けた。彼は先月初め、所属チームでの試合途中、左側太もも後部にけがをした。代表チーム招集後もなかなか回復できなかった。ウルグアイ戦とガーナ戦に続けて出場できなかったのもそのためだ。ベンチでガーナ戦の敗北(2-3)を見守っていたファン・ヒチャンは、涙を流した。4年間走り続けてきたにもかかわらず、最も重要な90分を逃した選手の涙だった。
いよいよ夢に描いていたグラウンドに入ったファン・ヒチャンは、涙を微笑に変えた。まさに、最も重要な活躍だった。ファン・ヒチャンは、この日の試合でシュート1本を記録したが、そのシュートが韓国を16強に上げるカギとなった。英国BBCは「ファン・ヒチャンが後半のアディショナルタイムに得点を入れ、韓国のファンを熱狂させた」として、評点8.87点を付与した。ソン・フンミン(9.15点)次ぐチーム2番目だ。
カタールW杯は、ファン・ヒチャンにとって2回目のワールドカップだ。2018年のロシア大会の際には、物足りなさが強かった。1次リーグで最初の2試合(スウェーデン戦・メキシコ戦)をフルタイムで消化したが、チームの敗北は防げず、「カザンの奇跡」が繰り広げられた最後のドイツ戦では、後半に交替投入され不安定なプレーを乱発し、23分目に再び交替させられる屈辱を受けたりもした。だが、カタールの「アルラヤンの奇跡」で彼は堂々たる主人公になった。
これに先立ち、ファン・ヒチャンは先月17日、練習場で記者団に「前回のワールドカップではとても緊張したが、今回は感じがかなり違う。これまで様々なチーム、様々な監督、様々な選手と試合をして経験した。自らも大きく発展したと考えている」と述べた。実際、ロシアとカタールの間で、彼は欧州サッカー連盟(UEFA)のチャンピオンズリーグの本戦でデビューゴールも入れ、イングランドのプレミアリーグ(EPL)の舞台も踏んだ。そしてついに待望の舞台で自身の言葉が虚言でないことを証明した。