尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻のキム・ゴンヒ女史が、2023年に(当時与党の)「国民の力」のキム・ギヒョン議員の配偶者から267万ウォン(約30万円)相当のロジェ・ヴィヴィエのクラッチバッグを受け取ったことを、裁判所が認めた。ただしキム女史は、バッグを直接受け取ってはいないため、具体的な受け取りの経緯は覚えていないと述べた。
キム女史は、ソウル中央地方裁判所刑事22部(チョ・ヒョンウ裁判長)で10日に行われたキム議員と配偶者L氏の請託禁止法違反などの容疑の裁判に、証人として出廷した。キム女史が直前の期日に出廷しなかったことによる過料300万ウォンは、この日取り消された。
キム女史は、ミン・ジュンギ特別検察官チームから「キム議員の配偶者L氏からバッグと自筆の手紙を受け取ったか」と問われ、「最初は知らなかったが、後に認識した」と答え、バッグを受け取ったことを認めた。ただし「L氏から直接受け取ったわけではないため、記憶がはっきりしない」として、具体的な受け取りの経緯は覚えていないと陳述した。そして「令夫人はクラッチバッグが必需品」だとして、「服の色ごとに必要で、高価に見えるが安価な偽物を多く買った」と述べた。続けて特検チームに「与党代表ないしその妻からブランド物の贈り物を受け取り、配偶者の直筆の手紙も受け取るのは異例にみえるが、覚えていないのか」と問われ、「これまでの大統領夫人、全員捜査したのか。(捜査は)私にだけだ。なのにどうして異例だと言えるのか」と反論した。
また、キム議員側の特検チームによる誘導尋問制止要請を、裁判所が「物を受け取った方だから、どう受け取ったのか追及するのは当然だ」として受け入れなかったため、キム女史は「裁判官は一方に肩入れすることなく、正確に聞いてほしい」と非難した。裁判所に「大統領室を通じて受け取ったが、(直に渡した人が)誰かは分からないということか」と再度問われると、キム女史は「誰かまったく分からないないので話せない」として、「犯罪を広げないでほしい」と反発した。
裁判所はこの日、証人尋問に先立ち、公職者の配偶者が職務に関連して金品を受け取ったとしても、配偶者本人に対する罰則規定がないことを根拠に、本件においてキム女史は証言を拒否できないことを伝えた。するとキム女史は「私が知らないことも想像の翼を広げて語らなければならないのか」、「この事件は私が直接関わったものではないため、記憶がほとんどない」と抗議したが、裁判所は「記憶通りに答えればよい」と一蹴した。
キム議員夫妻は2023年の国民の力の代表選出支援の対価として、キム女史に267万ウォン相当の「ロジェ・ヴィヴィエ」のクラッチバッグ1点を渡した容疑で起訴され、裁判中だ。