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【社説】サムスン電子労使の劇的な合意、幸いだが残された課題は多い

登録:2026-05-21 06:02 修正:2026-05-21 08:07
20日、京畿道水原市長安区の京畿雇用労働庁で開かれたサムスン電子の賃金交渉を終えた後、サムスン電子のヨ・ミョングDSピープルチーム長と、サムスングループ超企業労働組合サムスン電子支部のチェ・スンホ委員長が暫定合意案に署名し、手を握り合っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 成果給をめぐるサムスン電子の労使交渉が暫定合意案を導き出した。労組が予告したストライキの期限が目前に迫り、国民の懸念が高まっていた中、土壇場で劇的な合意に至ったのは幸いなことだ。労使が互いに一歩譲歩し、政府が最後まで仲裁に尽力した結果だ。

 サムスン電子の労使は、スト突入を翌日に控えた20日午前まで中央労働委員会(中労委)の仲裁による事後調停交渉を行ったが、合意には至らなかった。中労委が提示した調停案を労組は受け入れたが、会社側が拒否。労組は21日から予定通りストライキに突入すると宣言した。交渉は、キム・ヨンフン雇用労働部長官が午後4時頃、土壇場の仲裁に乗り出したことで再び分岐点を迎えた。キム長官とサムスン電子労使交渉代表らは、6時間ほどの交渉を行った末、同日深夜に暫定合意案に署名し、労組はストを保留すると発表した。

 労使交渉が行き詰まったのは、半導体部門内の事業部ごとの成果給配分比率の問題だった。労組は半導体部門の成果給財源の70%をメモリ・非メモリ事業部の両方に共同配分しようと主張したが、会社側は赤字を出している非メモリ事業部に過度な成果給を支給するのは成果主義の原則に反するとして、共同配分比率を40%に引き下げるべきだと主張した。土壇場の交渉では、会社側の要求を1年間限定で受け入れるという線で合意点を見出したものとみられる。今回の暫定合意案が正式な合意案になるためには、22〜27日の全組合員投票で過半数の賛成が必要だ。

 全面的な対話圧力により労使が合意に至ったものの、サムスン電子という韓国を代表する企業の信頼性は、今回の事態で大きく揺らいだ。サムスン電子の労使は、過去最大級の超過利益を前に、自律と協力の原則に基づいた解決策を見出せず、鋭い対立を続け、結局は政府の仲裁介入を招いた。労組は成果給がこれまでの努力に対する正当な要求だと主張し、会社側は今後の投資余力を残さなければならないとして対立したが、労使いずれも数多くの協力会社との共生や、これまでの国家的支援に対する責任については目を背け、国民の支持を得ることに失敗した。成果給の差別的配分をめぐる内部の対立は、いつ再燃するか分からない火種として残っている。

 人工知能(AI)産業への転換期を迎え、半導体産業の異例の好況による超過利益をいかに分配すべきかという問題は、社会全体が解決すべき課題となった。個々の企業内での利益分配にとどまらず、共同体の統合と未来への投資のための社会的共有策を公論化するきっかけにしなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1259679.html韓国語原文入力:2026-05-21 01:37
訳H.J

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