朝ロ首脳会談が迫っているという報道が相次いでいる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が約4年ぶりに会い、両国の軍事協力強化案について話し合うという。金委員長が最近「海軍の核武装化」を内外に宣言した直後にプーチン大統領に会うことは、軽く受け止められることではない。朝ロの軍事的密着によって、朝鮮半島の緊張はもちろん韓国の安全保障危機が深まるという危険性がさらに高まったためだ。
朝ロ首脳会談は今週開かれる公算が高い。10日から4日間、ロシアのウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム(EEF)」に両首脳が出席し、それを機に会談することが有力視されている。具体的な場所と時間などは公開されていないが、12日にフォーラムの本会議に出席する予定というプーチン大統領の日程を考慮すれば、その頃に会談が行われる可能性が高い。
今回の会談は互いの軍事的必要性によるものとみられている。北朝鮮とロシアはそれぞれ相手側が持っている核・ミサイル技術と通常兵器を必要としている。金委員長は8日、水中攻撃が可能な初の戦術核攻撃潜水艦「金君玉(キム・グノク)英雄」の開発事実を電撃的に公開し、「海軍の核武装化はこれ以上先送りすることも、遅らせることもできない時代的課題」だと強調した。その最も簡単な道は、ロシアから関連技術の提供を受けることだ。原子力潜水艦の心臓である小型原子炉製造技術を今回の会談でロシア側に要請するという見通しも示されている。ロシアはウクライナ侵攻の長期化で、通常兵器不足に悩んでいる。国連安保理常任理事国として国連制裁の無力化を通じて北朝鮮の核・ミサイル開発の「手助け役」になる可能性もある。
核を媒介とした朝ロの過度な密着は、安全保障危機を深める明白な危険信号だ。「準同盟化」している韓米日の協力に対抗した朝中ロの軍事的対峙に拡大する可能性があるからだ。「状況の管理」に向けた対中外交がさらに重要になった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「東南アジア諸国連合(ASEAN)会議」に続き、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で中国の李強首相と数回接触したのもそのためとみられる。対中外交は多角的に拡大する必要がある。
これとは別に、北朝鮮の潜水艦能力に対する対策も急がなければならない。北朝鮮が今回公開した潜水艦は、水中で密かに先制攻撃を加えることができるため、従来のミサイル防衛体制を無力化させる危険性が高い。さらに、北朝鮮は今回の朝ロ会談を通じて核武装の加速化および高度化に向けた足がかりを作ろうとしている。彼らが先に公開した潜水艦の見た目だけで完成度が低いといった評価を下している場合ではない。