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韓日外交当局、強制動員賠償の解決策を協議…日本側の謝罪・賠償は依然として争点

登録:2023-01-17 06:06 修正:2023-01-17 06:51
韓国政府が国内強制徴用被害者に第三者返済案を示し、今後受領に同意を求めると明らかにしたことに対し、被害者たちはこの案に強く反対している。写真は12日午後、ソウル鍾路区の日帝強制動員被害者支援財団の様子/聯合ニュース

 韓国政府が日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者に対する賠償の解決策として、「第三者債務引受」方式を提示してから4日後に日本側と公式協議に乗り出すなど、交渉のスピードを上げている。謝罪と賠償への参加など日本側の「誠意ある呼応」のレベルが依然として争点である中、日本の市民社会からは「被告企業が謝りもせず、補償にも参加しない案は解決策とは呼べない」という指摘が出てきた。

 ソ・ミンジョン外交部アジア太平洋局長は16日、日本外務省で船越健裕アジア大洋州局長と局長級協議を行った。ソ局長はこの場で、韓国政府が強制動員賠償問題の解決法として提示した「第三者による重畳的・併存的債務引受」案に対する批判世論など韓国の国内状況を詳細に伝えたという。

 外交部側の説明によると、同日の協議でソ局長は、討論会で被害者側が政府案に大きく反発し、国内世論も否定的であることなどを説明し、接点を見出すためには日本側も相応の措置を講じる必要があるという点を強調した。外交部当局者は「公開討論会の後、できるだけ早く日本側に会い、国内の雰囲気がどれほど厳しいのかをありのまま伝えたうえで、要求事項を示す必要があると判断し、早めに日程が決まった」と述べた。同当局者は「日本側の『誠意ある呼応』が必要だという点を強調した。スピード感を持って緊密に協議しているが、『誠意ある呼応』措置について両国の間の認識の相違がある」と明らかにした。さらに「日本の被告企業の謝罪と賠償への参加を外交部が求めているのか」という質問に「そうだ」と答えた。

 これに先立ち、外交部は12日に国会で公開討論会を開き、韓国最高裁(大法院)の確定判決により賠償責任を負った日本の加害戦犯企業の「債務」を「第三者」である日帝強制動員被害者支援財団が引き受けた後、ポスコなど1965年韓日請求権協定で恩恵を受けた企業に寄付金を募り、被害者への賠償金を肩代わりすることを骨子とする政府案を公式化した。特に日本側の謝罪および賠償への参加問題について「現実性がない」と明らかにし、被害者側の反発を買った。

 外交部は同日の協議では「日本側の誠意ある呼応措置」があればこそ韓国政府が最終的な解決策を示せるという点を明確にしたという。政府案の発表後、反発世論が広がっていることを意識したものとみられる。外交部当局者は「国内世論もあり、被害者側の説得のためにも、呼応措置があればこそ(韓国政府も解決策を)発表できると日本側に伝えた」と述べた。

 しかし、日本の「誠意ある措置」については両国の間に依然として隔たりがあるものとみられる。最高裁の確定判決により賠償責任を負うことになった加害戦犯企業の賠償参加の可否および方式に対する議論には進展がないという。むしろ日本側は第三者による債務の引受後に賠償が行われた場合、今後韓国側が日本の被告企業に求償権を請求できるという懸念を示したという。

 一部では謝罪の方式として「金大中-小渕共同宣言(日韓パートナシップ宣言)」(1998年)など過去の日本政府の談話内容を継承するという意思を明らかにする形になるという見通しも示されている。これと関連し、外交部当局者は「謝罪の内容も発表の時期も予想するのは難しい」とし、「韓国国民にこの程度なら努力したと認められると共に、原告側も受け入れられる方法を探している」と述べた。韓日両国は旧正月(1月22日)の連休以降、ソウルで後続交渉を続けることにした。

 一方、日本の学者や弁護士、ジャーナリスト、市民団体の活動家など94人はこの日記者会見を開き、「被害者不在では『解決』にならない―『徴用工』問題で日本政府・日本企業に訴える」という題の声明を発表した。彼らは会見で「被害者が納得できる解決策作りが最も重要だ」とし、「真のお詫びは事実を認め、謝罪と賠償を行い、(過ちを)繰り返さないために努力すること」だと強調した。

東京/キム・ソヨン特派員、チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1075922.html韓国語原文入力:2023-01-17 02:45
訳H.J

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