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「朴正熙政権よりも没歴史的」…強制動員賠償案討論会であふれる怒り

登録:2023-01-17 02:27 修正:2023-01-17 07:34
被害者側代表「被害者を侮辱したパク・チン弾劾すべき」 
イ・ジェミョン「自害外交をやめよ」
共に民主党のイ・ジェミョン代表が16日、国会議員会館で行われた「尹錫悦政権の対日外交診断と課題」と題する討論会で祝辞を述べている/聯合ニュース

 政府が日帝強制動員の被害者に対する賠償問題を日本企業の参加なしに第三者(日帝強制動員被害者支援財団。以下「支援財団」)を通じた韓国企業による寄付で解決するとの方針を明らかにした中、手続きに無理な面が少なからずあると指摘する声があがっている。

 16日午前、共に民主党のイ・ジェジョン議員の主催で国会議員会館第8懇談会室で行われた「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の対日外交診断と課題」緊急討論会で、パネラーとして参加した慶北大学法学専門大学院のキム・チャンロク教授は「債権者(強制動員被害者)が特定の債務者(日本の戦犯企業)から返済を受けなければならないという立場である場合には、債権者の承諾なき併存的債務引受は認められないと考えるべきだ」と述べた。併存的債務引受とは、三菱重工や日本製鉄などの戦犯企業が被害者に対して負っている債務を支援財団が引き受け、返済を肩代わりするというもの。政府は、過去の判例と学説に照らせば、併存的債務引受に被害者の同意は必要ないと主張する。これに対しキム教授は、債務だけ返済されれば済む一般の民事訴訟とは異なり、「特定の債務者(戦犯企業)から返済を受けなければならないという立場」である強制動員問題では、債権者の同意が必要だと指摘したのだ。

 チェ・ボンテ弁護士(法務法人サミル)は、併存的債務引受を遂行する機関である支援財団の性格を批判した。同氏は「韓国政府の発表を見ると、支援財団の設立趣旨に真っ向から反して(被害者による)日本政府および企業に対する権利闘争を邪魔する手先にしてしまっている」とし、「日本に保管されている日本製鉄や三菱重工業などが供託した供託金を回収し、そのための訴訟支援をするどころか、定款のこのような目的を達成できないよう債務を消滅させ、このような活動ができないよう妨害する財団へと墜落させてしまった」と語った。

 政府の解決策は「没歴史的」だとの批判も飛び出した。

 キム・チャンロク教授は、尹錫悦政権が強制動員問題の解決策をまとめるにあたって日本の戦犯企業の賠償責任を事実上免除したことについて、「1905年の乙巳条約や1910年の併合条約などは当初から無効だという(韓国政府の)立場を放棄するものに他ならない」とし、「朴正熙(パク・チョンヒ)政権よりも没歴史的な最悪の政権以外の何物でもない」と批判した。

 一方、被害者側の代表として出席した日帝強制動員市民の会のイ・グゴン理事長は、「国民的自尊心を傷つけ、むしろ日本の被告企業の代理人を自任する長官を弾劾しなければ、大韓民国の憲法の精神はよみがえらない」とし、「憲法を破棄し、被害者を侮辱したパク・チン外交部長官を弾劾しなければならない」と主張した。

 この日の討論会に参加した共に民主党のイ・ジェミョン代表も、被害者に対する賠償の財源を韓国企業の寄付に求めていることについて「自傷的外交をやめよ」とし、「日本との関係改善のためなら何もかも全て差し出せるという姿勢で過去の問題を解決することは困難だ」と批判した。

シン・ヒョンチョル、シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1075911.html韓国語原文入力:2023-01-16 17:49
訳D.K

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