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検察、尹大統領の虚偽釈明の捜査は継続…共謀容疑のキム・ゴンヒ夫人は却下

登録:2022-09-21 02:41 修正:2022-09-21 09:31
尹錫悦大統領とキム・ゴンヒ女史が19日(現地時間)、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着し、空軍1号機から降りてきている/聯合ニュース

 ドイツモーターズ株価操作についての虚偽釈明疑惑について、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する捜査を継続すると明らかにした検察が、肝心の株取引の当事者で、尹大統領と虚偽釈明について共謀した疑いで告発されたキム・ゴンヒ女史に対しては「捜査を開始するほどの具体的理由がない」として却下処分を下したことが確認された。

 20日に本紙が入手したキム女史不起訴決定書によると、ソウル中央地検公共捜査2部(イ・サンヒョン部長)は却下理由を「告発人の推測のみを根拠としたもので、捜査を開始するほどの具体的理由や情況が不十分」としている。

 司法正義確立市民行動は5日、尹大統領夫妻が共謀してドイツモーターズ事件についての虚偽釈明を行うなど、公職選挙法に違反したとして告発した。尹大統領が国民の力の大統領候補を選ぶ党内予備選挙の昨年10月の討論会で行った「妻が株価操作の達人L氏に4カ月ほど口座を委任し、その後、損失が発生し、以降はL氏と絶縁している」との趣旨の発言が虚偽であり、この発言の前にキム女史と共謀していたとする内容だ。だが、ドイツモーターズのクォン・オス前会長ら株価操作犯罪の主な加担者の公判では、キム女史が「L氏と絶縁」した時点以降も取引を続けていたことが明らかになり、波紋が広がった。共に民主党も同じ趣旨で尹大統領を告発している。

 告発状を受け取った検察は、尹大統領夫妻が共謀関係で告発されたにもかかわらず、キム女史は却下し尹大統領は「継続捜査」するという相反する結論を8日に下した。その際、却下理由は明らかにしていない。

 大統領選挙関連事件の公訴時効は9日までだったが、大統領は在任期間中に不訴追特権を持つため、任期開始とともに公訴時効までの期間の換算は停止される。

 検察の内外からは、「推測だけで告発した」としてキム女史事件は却下しながら、同時に尹大統領については捜査を継続するという検察の立場は矛盾していると指摘する声があがっている。当時は株の取引状況を知らなかった尹大統領としては、キム女史に事実関係を尋ねたうえで件の発言を行ったと考えた方が常識にかなうからだ。検察のある幹部は「キム女史に対する最小限の事実関係の確認もなしに却下処分としたことも問題だが、捜査の必要性がないと判断した告発事件を、一方では捜査を継続すると述べたことも矛盾しているように見える」と語った。検察は、共に民主党のイ・ジェミョン代表を先に起訴する一方で、尹大統領事件も捜査を継続すると述べたわけだが、内部的にはすでに結論を出しており、野党代表の起訴に対する批判をかわすための「バランスとり」ではないかというわけだ。

 これについて検察は、大統領選挙関連事件の公訴時効が迫った時点で告発状が提出されたため、告発内容をもとにキム女史事件を却下したに過ぎないとの立場だ。ソウル中央地検の公報担当官は「公訴時効満了の数日前に告発された中で、告発状に書かれた内容をもとに、共謀に関する捜査を開始するだけの理由があるかなど、検察事件事務規則に則り処分した。尹大統領の捜査は手続きに沿って進める予定だ」と述べた。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1059354.html韓国語原文入力:2022-09-20 15:53
訳D.K

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