イスラエルが16日(現地時間)にもパレスチナ・ガザ地区に対する空襲を継続し、42人が亡くなった。10日に始まったイスラエルとパレスチナの武装団体ハマスの衝突が一週間を超えて続き、パレスチナ側の犠牲者は197人にのぼった。そのうち半数が子供と女性だ。この日、国連安全保障理事会は武力衝突の中止案を探すために初の公開オンライン会議を開いたが、共同声明すら出せなかった。米国が今回もイスラエルの肩を持っているためだ。国際関係では民主主義と人権の価値を強く前面に掲げながらも、バイデン政権が自国の利益の前では目を瞑る姿が残念でならない。
安保理会議で米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、「米国は当事者が休戦を推進するならば支援する準備ができている」として、対岸の火事という態度を示した。この間、中国が新疆ウイグル自治区と香港で人権と民主主義を侵害していると声を高めてきた米国が、ダブルスタンダードを使っていると批判されても返す言葉はないだろう。米国内でも、これ以上イスラエルによる残酷な民間人攻撃を擁護してはならないとの声が高まっている。イスラエルがパレスチナに対する暴力と強圧的政策を止めるよう、バイデン政権が役割を果たさなければならない。
中国が今回の事態を米国の「人権外交」に対する反撃の機会に利用しようとする態度も見苦しい。今月の安保理巡回議長国を務める中国の王毅外交部長は、この日の会議終了後に「ある国の反対のために安保理が声明を出せなかった」とし、米国を非難した。この間ミャンマー軍部の暴力に対する安保理の共同対応を「内政干渉」だとして阻んできた中国は、まず自身を省察してほしい。人権を普遍的価値ではなく国際政治の手段として利用するならば、それは偽善に他ならない。米国と中国は、国際的地位に相応しい責任ある行動で、罪なき民間人の犠牲を防がなければならない。