原文入力:2011/11/29 22:26(1536字)
チョン・ウイギル記者
自己資本強化基準に合わせるため債権回収・貸出抑制
航空業・造船業・SOC 直撃弾…全世界信用収縮 憂慮
不良債権に苦しむヨーロッパの銀行らが財布を閉じるなかで、憂慮された世界的な信用収縮が現実化する兆候を示している。
ヨーロッパの銀行らがヨーロッパ国家の不良国債投資で被った損失を埋め金融当局が要求する自己資本強化基準に合わせるために最近債権を回収して貸出を固く締めつけていると米国<ニューヨーク タイムズ>が28日(現地時間)報道した。新聞は経済アナリストたちの話を引用してヨーロッパの銀行らが今後数年間、全体資産の約10%に該当する3兆ユーロ(4590兆ウォン)の貸出を回収する可能性があると伝えた。
特に大規模な資金調達が必要な航空業、造船業などが直撃弾を受けている。 ヨーロッパの銀行らはこれらの業界の伝統的な信用提供者であった。ギリシャの不良国債を最も多く抱えているBNPパリバとソシエテゼネラルなどフランスの銀行らに航空機購入資金の15%を依存してきたエアーフランスは最近これらの銀行から資金貸出を拒絶された。エアバスとボーイングなど840億ドル分の航空機243機を最近注文したドバイのエミレート航空もヨーロッパの銀行らが貸出窓口を閉じたことによりイスラム金融業者や新興国銀行らに資金調達先を変えている。
世界最大のタンカー船社であるノルウェーのフロントラインは当初建造計画をたてた7隻中の2隻だけに資金提供を受けた。造船業者の操業萎縮により関連業種や下請け業者も連鎖的に影響を受け、ドイツの主要港であるハンブルグ、キールなどではすでに5000ヶ以上の働き口が消えた。
大規模資金が必要な大型社会間接資本プロジェクトからもヨーロッパの銀行らは撤収している。 特に中東の発電所と修理開発事業で目立ち、カタールの100億ドル規模のガスプロジェクト資金調達にBNPパリバ、ソシエテゼネラルなど3大フランス大型銀行が参加しなかった。
東ヨーロッパ国家もやはり影響圏に入った。オーストリア金融当局が自国銀行の海外貸出を抑制するよう指示するやトライアン バセスク ルーマニア大統領はオーストリア金融当局が「ルーマニア経済の首を締めている」と非難した。 ハンガリーではショッピングセンターなど商業施設の建築がほとんど中断された状態だ。
中国の製造業者はギリシャの銀行などヨーロッパ不良銀行らの信用状受付を拒否し、ギリシャの中小企業等は製品注文などにさらに多くの費用を払っている。 米国金融業者はヨーロッパの銀行らに資金を提供してきたマネーマーケットファンド(MMF)窓口を閉じている。 これはヨーロッパの銀行らの流動性をより一層固く締めつけ、ヨーロッパの銀行らの債権回収と貸出抑制につながる悪循環を繰り返している。
その上、負債危機に苦しんでいるヨーロッパ国家が自国銀行らに市場で消化出来ない国債買い入れを強要し、ヨーロッパ銀行は二重の苦痛に処したと<ウォールストリート ジャーナル>が報道した。ポルトガル・イタリア・スペインでは国債の12~22%を自国銀行が保有している。これらの銀行はすでに不健全化された自国国債を処分しなければならない状況でも、反対に買い入れや売渡中断を強要されておりポートフォリオの不健全化が加速化しているということだ。 チョン・ウイギル先任記者 Egil@hani.co.kr
原文: 訳J.S