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"韓-米FTAや日本のTTPは無知のなせる業"

原文入力:2011/11/24 22:15(1475字)
チョン・ナムグ記者


野口悠紀雄 早稲田大学ファイナンス研究所顧問
自由貿易協定=貿易自由化?
そのように見るのは狭い視角
広く見れば‘排他的ブロック参加’
中国を排除した米国偏向は極めて大きな損失危険を招く


←野口 悠紀雄 早稲田大学ファイナンス研究所顧問


 "自由貿易協定を‘貿易自由化’と理解するのはあまりに狭い見方です。世界全体に目を広げてみれば、それは排他的な‘ブロック’に参加するということですね。"
野口悠紀雄(71・経済学博士)日本早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問は「そのような観点で見る時、日本の環太平洋経済パートナー協定(TPP)参加や、韓国が米国と結んだ自由貿易協定(FTA)は大変重要なパートナーである中国との関係を間違って把握した無知の為せる業」と指摘した。

彼は24日<ハンギョレ>と行ったインタビューで「TPPは米国が中国を排除するために作った枠組みだが、日本政府がそこに突然入ると言い出し非常に驚いた」として「中国の対応によっては今後、日本の製造業が途方もない打撃を受けることもありえる」と憂慮した。彼は「中国はTPPに対抗してドイツを中心にしたヨーロッパ連合とFTAを結ぶ方式で対応する可能性が強い」と見通した。 そうなれば以前から日本と競争してきたドイツ企業らが中国市場で大きな利点を享受し、中国企業らがヨーロッパ市場で(日本に比べて)大きな利点を享受することになるだろう」と彼は説明した。


野口博士は「中国および米国との関係を考慮してみれば韓国と日本は立場が同じだ」として韓国が米国とFTAを結んだのも「私としては理解できない」と話した。彼は「米国との安全保障同盟強化のために経済的費用を払うのは仕方ないという話があるが、それを考慮しても(中国を排除した米国偏向は)極めて大きな損失リスクを負うこと」と話した。


野口博士は米国の平均関税率が2.5%に過ぎず、韓国や日本が米国とFTAを結んでも経済的利益は極めて小さいだろうと予想した。


彼は「日本は先進国としてはエンゲル係数がとても高い。私は日本の農産物関税引き下げには賛成する」とし、農業打撃のためにTPPに反対するのではないと強調した。彼は「政府のリーダーシップが脆弱で利害関係者らの反対が非常に強く日本がTPPに実際に参加することは容易ではない」としながらも「一度足を踏み出しただけにもう手を引くことはできなくなった」と話した。日本がTPPに参加せずに代わりに中国が参加するFTAに足を入れるのは‘信頼’問題が引っかかっていて、もう事実上不可能になったということだ。


彼はアセアンが最近‘アセアン+6’自由貿易地帯創設を議論することにしたことに対しても「日本はTPPに先に参加してから入ることができる状況になった」として「中国が積極的に出るかも疑問」と付け加えた。アセアン+6自由貿易地帯は既存アセアン10ヶ国に韓・中・日3国とオーストラリア、ニュージーランド、インドまで参加する経済ブロックを作ろうという構想だ。


野口博士は財務省官吏出身で東京大と一橋大学で教授を歴任し、日本経済構造の根元を扱った<1940年体制>という著書で有名だ。


東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/507080.html 訳J.S