原文入力:2010-03-22午後09:16:28(1902字)
[米国医療保険改革案 通過]歴史的意味と限界
3200万人追加恩恵‘国民95%’保険対象
低所得層 恩恵の一方で公共保険 除外‘限界’
クォン・テホ記者
←歴史的な医療保険法案通過のために一票でも欲しいバラク・オバマ大統領が、21日夜の表決直前までラム イマニュエル秘書室長の部屋で参謀らが見守る中、民主党反対議員らを説得する電話通話を続けている。 ワシントン/AP連合ニュース
21日(現地時間)バラク・オバマ大統領は1世紀にわたる米国進歩陣営の宿願であった‘全国民医療保険’を実現した英雄となった。歴史家らは今回の医療保険改革を1935年社会保障制施行,1965年メディケア導入および1950~1960年代民権法関連立法に見合う序列として評価する。しかしオバマは‘日曜夜の勝利’を楽しむ暇もなく医療保険改革案通過のために抱え込んだ政治的リスクというもう一つの大きな山を越えなければならない。
米国医療保険改革100年の歴史は、セオドア・ルーズベルト前大統領が1912年全国民医療保険を公約し落選した以後 敗北の連続だった。1934年フランクリン・ルーズベルト大統領は社会保障制度を構築し、全国民医療保険を含ませようとしたが、米国医学協会の反対が激しく社会保障制度を守るためにこれを撤回した。以後もヘリ・トルーマン,ジョン エフ ケネディ,ジミー・カーター,ビル・クリントンなど1940~90年代まで主に民主党所属大統領らが絶えず試みたが全て失敗した。のみならず、これらは大部分が再選失敗,暗殺,中間選挙惨敗,弾劾など途方もない代価を払わなければならなかった。去る100年間、1965年リンドン・ジョンソン大統領が高齢者医療保険のメディケアと低所得層無償医療保険であるメディケイド制度を導入し今日の米国社会医療保障制の根幹を用意したことが唯一の成果であった。
オバマの医療改革案は全国民が医療保険の恩恵を受けるという象徴性が大きい。現在5400万人程度いる無保険者の内、3200万人が保険の恩恵を受けることができるようになり、この内 4人家族基準で年所得2万9327ドル(3334万ウォン)未満の1600万人は2014年からメディケイドに加入する。
しかし今回の改革案は恩恵対象が低所得層に集中し、保険料に苦しめられている中産層のジレンマを収斂できなかった限界を持っている。当初公共医療保険である‘パブリック オプション’で民間保険会社と競争を行い、保険料を低くするという腹案があったが、保守派の猛攻撃と保険業界のロビーにより失敗に終わった。このために中産層以上は税金負担,保険料引き上げ,失業難,財政赤字拡大などを抱え込む可能性を憂慮している。また50人以上を雇用する事業主らに職員の医療保険費用負担を抱かせたが、事業主ばかりでなく雇用不安を憂慮する労組からも歓迎されないという矛盾した状況が演出されている。
←医療保険改革案 最終案 主要内容・米医療保険改革100年
このために医療保険改革案の通過は民主党の11月中間選挙敗北に帰結されるという予想が現在のところ支配的だ。すでに大統領支持率は50%を下回り、‘ティーパーティー’という保守層市民運動まで出てきて国論ははっきり分裂した。現在、上・下院を掌握している民主党が中間選挙で負ければ、オバマ大統領の国政掌握力は急激に毀損されるだけでなく2012年の再選にも致命傷を受ける。
<ワシントン ポスト>は1960年代に人種差別を禁止する民権法関連改革を実現したリンドン・ジョンソン前大統領とオバマを比較した。当時ジョンソン大統領は政治的損失の可能性を押し切り正しいことを推進し成功させた。しかしジョンソンは68年の再選出馬を放棄し、民主党は以後ウォーターゲート事件の余波でジミー・カーターが4年間の単任大統領を務めたことを除き、1992年ビル・クリントンまで20余年間にわたり野党として過ごさなければならなかった。その一方で専門家たちは、今回の改革案の成功が表面化し民主党の主張が正しかったということが判明するならば、長期的にはむしろ共和党に大きな打撃になりうるという展望も出している。オバマの闘争はまだ終わらない。
ワシントン/クォン・テホ特派員 ho@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/america/411621.html 訳J.S