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[特派員フォーカス]日本は今‘資本論’猛勉強中

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/373083.html

原文入力:2009-08-25午後07:18:42
漫画本 15万冊 売れ
世界的不況 世相反映

キム・トヒョン記者

日本の小説家,村上春樹の出世作<ノルウェーの森>(韓国名 喪失の時代)を読むと意外なことにカール・マルクス<資本論>話に出会う。1968~1969年、学生運動が絶頂だった時期を背景にしたこの小説の中で、大学入学後に運動圏サークルに入った女主人公みどりが<資本論>を読み内容がとても難しく何ページだけ読んで止めたという部分が出てくる。“革命を考える余裕もない”と叱り飛ばした運動圏の先輩たちもその本を読まずに革命云々していたことを知りサークルを辞めたという内容だ。

それから40年が過ぎた日本で再び、その難しいという<資本論>ブームが起きている。昨年の秋以後、金融危機と後に続く世界同時不況が継続し資本主義経済の矛盾点を理論的,歴史的に分析した<資本論>が再び注目されているのだ。特に原典の難解さを解き放した解説書10冊余りが一時に出版され<資本論>入門の道案内の役割を果たしている。

その先頭走者が<資本論 漫画で読破>(イースト プレス)だ。父親とチーズ作りに精を出す青年が投資家の勧誘で事業を拡大する内容を骨格にして資本家に搾取される労働者の姿を漫画で生き生きと描いている。上下巻合わせて15万冊も売れた。韓国と中国などでも翻訳出版される予定だ。

出版社側は世界的な不況の中でドイツでも<資本論>が再び読まれていることを知って企画したという。出版社側は28日マルクスがエンゲルスとともに草案を作成した共産主義者同盟綱領である<共産党宣言>も漫画で出版する予定だ。

原典を簡単に要約した<抄訳資本論>は販売実績10万冊を越えた。この他にも<理論劇画 マルクス資本論> <知識ゼロでマルクス経済学入門> <高校生でも理解できる資本論> <初心者のためのマルクス>等、原典の内容を理解しやすいように案内する本も出てきた。

<資本論>再読ブームは昨年50万冊以上売れた1929年のプロレタリア小説<蟹工船>(小林多喜二)ブームに続いている。

日本資本主義初期の苛酷な労働条件と労働者の闘争を扱ったこの小説は今日の‘ワーキングプア’状態に置かれた非正規職労働者の追いつめられた状況と重なり80年の歳月を跳び越える生命を得た。

東京/キム・トヒョン特派員aip209@hani.co.kr

原文: 訳J.S