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ソウル市新林洞(シルリムドン)の優しい不動産 「家は人権です」

原文入力:2011/11/28 19:50(1186字)


イ・チュンシン記者


社会的仲介業者≪路地の風≫・・・低所得層には無料など住居福祉活動


←左からチェ・ジョンエ(31)課長、シン・ジョンウン(24)室長、チョ・ヒジェ(32)代表


「経済的に苦しい方は仲介手数料をいただきません。」
今年4月、ソウル市新林洞の路地に≪優しい不動産 路地の風≫が開業した。 市民団体活動家出身のチョ・ヒジェ(32・右側)代表とともにチェ・ジョンエ(31・左側)課長、ファン・ミンジ(26)チーム長、シン・ジョンウン(24・中央)室長の、20代と30代初めの若者4人が一緒に仕事をしている。

チョ代表は「低価格ワンルーム村の20代~30代初めの若者たちが多い所で仕事を始めたかった」と新林洞に店を開いた理由をいった。


彼が“家は人権”というモットーで“社会的不動産”を運営することにしたのには、市民団体での活動経歴が大きく作用した。 彼は2005~07年、ソウル市冠岳(クァナク)地域の自活センターで健康状態の良くない一人暮らしの老人たちを世話する看病事業団のチーム長として活動した。 2008年に父親の助言により不動産仲介士の資格を取ったという彼は「その時から専攻と不動産を連係した住居福祉の方面に関心を持ち始めた」と話した。 翌年、聖公会(ソンゴンフェ)大で社会的企業の教育を受け、不動産仲介業も社会的企業にすることができるという可能性を見出した。


≪路地の風≫は疎外階層には無料で家を紹介する。 基礎生活受給者(訳注:所得が最低生計費以下の世帯に最小限度の基礎的生活を保障するために国が支援する給付を受けている人)からは仲介手数料をもらわず、一般借家人から受け取った手数料の3%は借家人名義で地域社会団体に寄付する。 地域共同体性回復のために借家人交流も活発に行なっている。 一般的に顧客が残金を払って契約手続きを終えれば仲介人との縁も終わりだが、≪路地の風≫は若い借家人たちと持続的な出会いを持っている。 大部分が1人世帯である若い借家人が互いに頼り合えるよう登山等の集いを通じた疎通の場も提供している。 地域社会のために奉仕できる借家人の集いも作っている。 彼は「出退勤時に若い人がたくさん出入りしていて、≪路地の風≫は周囲の若者たちが集まるサランバンの役割も果たしている」と話した。
チョ代表は「家が投資と投機の対象でなく家族と個人の生活の基盤という認識が根をおろすように努力したい」と語った。


文・写真イ・チュンシン記者 cslee@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/507540.html 訳AK