原文入力:2011/11/28 22:14(2669字)
‘希望のハシゴ’機会均等選抜を無視するソウルの大学ら
2011学年度 16大学平均1.61%にとどまる
農漁村選抜の半分にも満たず
ソウル私立大学は選考すら無い
修学能力最低学力要求など‘狭き門’
政府が‘暖かい社会’を作るとして‘共生発展’を強調しているが、大学が‘階層移動のはしご’の役割をしなければならない入試で疎外階層の選抜に相変らずケチなままでいることが分かった。高麗大などソウル地域の一部大学の場合、2011学年度入試で低所得層学生選抜比率が全体募集定員の1%にも満たないことが明らかになった。
28日、国会教育科学技術委員会所属アン・ミンソク民主党議員が教育科学技術部から提出させた‘2011学年度主要大定員外特別選考選抜現況’によれば、ソウル地域の大学16校が低所得層などを対象にする‘機会均等選抜’で選んだ人員は全体新入生の募集定員(3万8726人)の7.54%にあたる2920人に留まった。2009学年度入試から施行された機会均等選抜は定員外特別選考で△基礎生活受給権者および次上位階層など低所得層学生△農漁村学生△専門系高校(現、特性化高校)出身者を全て合わせて全体募集定員の最大11%まで選ぶ制度だ。ソウル地域の主要大学が疎外階層を法が定めた限度より大幅に低い割合で選んだわけだ。 漢陽(ハニャン)大(6.05%),韓国外大(5.97%),ソウル大(5.73%),高麗大(5.41%),ソウル市立大(4.58%),梨花(イファ)女子大(4.57%)等は16大学の平均にもはるかに至らなかった。
これら大学は特に低所得層の学生選抜に消極的であることが分かった。16大学が2011学年度に選抜した低所得層学生は全体定員の1.61%(661人)に過ぎなかった。 農漁村学生選抜比率(3.62%)の半分にもならない数値だ。‘機会均等選抜’の法的根拠である高等教育法施行令は低所得層学生を全体定員の9%まで選べるようにしている。
高麗大は新入生募集定員が3772人で最も多いが低所得層学生はたった24人(0.64%)だけ選抜した。東国大は募集定員(2715人)の0.44%に過ぎない12人を選ぶのに終わり、淑明女子大もやはり21人(2278人の0.92%)で1%に至らなかった。淑明女子大は2010学年度まで低所得層選考を導入さえしなかったが2011学年度に新設した。 女子大の中で募集定員が最も多い梨花女子大は31人を選び全体定員(3109人)の1.0%にかろうじて入った。ソウル市内唯一の公立大であるソウル市立大は低所得層学生を対象にする選考がそもそもない。
2011学年度入試で低所得層学生を多く選抜した大学は西江(ソガン)大(4.02%),ソウル大(3.83%),延世(ヨンセ)大(3.5%),成均館(ソンギュングァン)大(3.42%)の順であった。
しかも一部大学は低所得層学生を選びながら他の選考と同じ修能最低学力基準を要求していた。 高麗大の場合、修能最低学力基準が一般選考と全く同じで、ソウル大もやはり低所得層選考の修能最低学力基準が地域均衡選抜選考および特技者選考と同じだ。ソウル大入学管理本部のキム・ギョンボム教授は「低所得層学生たちも他の選考の学生たちと同じようにソウル大で修学できる能力を備えていなければならない」として「私たちが提示する基準(2領域以上2等級以内)が初めから低かったために、これ以上は低くできなかった」と説明した。
反面、延世大と西江大などは低所得層選考には一般選考より1~2等級ほど低い最低学力基準を適用している。 キム・ドンノ延世大入学処長は「私たちの学校が定めた水準(2領域等級合計が6以下または、1領域以上2等級以内)でなければ、その学生たちは入学さえ難しい場合が多い」と話した。 チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr
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低所得層学生、合格しても心配
奨学金・寄宿舎支援なく“成績順に選ぶ慣行変えるべき”
京畿(キョンギ)東豆川(トンドゥチョン)中央高のパク・チョルウ教務部長は最近大学に合格した2人の生徒が進学をあきらめるのではないかと心配している。2人の生徒は共に基礎生活受給権者で東国大の低所得層学生対象選考に合格した。 彼は「2人の生徒は共に言葉で表現できないほど難しい環境なので、数百万ウォンずつにもなる授業料と入学金を用意できない状況」としながら「国からもらえる奨学金があるといっても半分程度にしかならないので残りはどのようにすればよいか心配」と話した。
低所得層学生たちは大学に合格した後にも奨学金や寄宿舎支援を受けることができないなど大学の無関心のせいで困難を経験する。
ソウル地域16主要大学の‘2011学年度入試要綱’を通じて、これら大学が低所得層学生対象特別選考で選抜した学生のために運営する奨学制度を調べると、この選考合格生全員に奨学金を支援する所は延世大だけだった。延世大は‘延世ハンマウル選考’合格生119人全員に8学期分の授業料(入学金を含む)全額を支援し、学期ごとに図書費20万ウォンも支援している。ただし延世大はこの選考の支援資格を基礎生活受給権者に制限しており次上位階層は除いている。
延世大を除く大多数の大学は基礎生活受給権者の場合、韓国奨学財団が支給する国家奨学金(一学期220万~230万ウォン)の差額を支援しており、入学金はほとんど支援していない。また、低所得層学生選考で基礎生活受給権者と次上位階層学生を共に選びながら奨学恩恵では次上位階層を除いていた。
寄宿舎の場合、崇実(スンシル)大と漢陽大が基礎生活受給権者と次上位階層学生を優先選抜していた。 中央大と高麗大は成績順に寄宿舎入所者を選ぶと明示した。
ソン・ヨルグァン慶煕大教授(教育学)は「米国は奨学金を成績順でなく両親の所得水準にともなう学生の必要度により支給している」として「大学評価指標に機会均等選抜比率や事後支援などを含ませれば状況がはるかに良くなるだろう」と話した。 チン・ミョンソン記者
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/507610.html 訳J.S