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疎通と傾聴の一ヶ月…今後、ニュータウンなど‘難題’解決できるか

原文入力:2011/11/27 20:20(2088字)
クォン・ヒョクチョル記者


市長室の敷居を低くしたパク・ウォンスン 就任一ヶ月
‘ツイッター’で苦衷解決…膝詰めで長屋の住民に会うことも
再建築など各種懸案 山積み…‘人事・財政改革’が課題


←パク・ウォンスン ソウル市長.


27日就任1ヶ月をむかえたパク・ウォンスン ソウル市長が傾聴と疎通に努める特有のリーダーシップで話題をまいている。気さくで新鮮だという反応が多い。キム・ミンジョン慶煕(キョンヒ)大教授(政治外交学)は 「パク市長が在来市場のような現場で市民の生き生きした声を直接聞くのが印象的」としながら「ソウル市政に‘人が中心’という新しい風を吹かせているようだ」と評した。

パク市長のツイッター(@wonsoonpark)は‘ソウル申聞鼓(目安箱)’になったようだ。市民は一ヶ月間に彼のツイッターに1422件の政策提案文や嘆願文を載せた。パク市長は平日深夜や週末にいちいち返事を付ける。‘検討してみる’という原則的回答が多いが、嘆願が解決されたり政策に反映された時もある。


去る9日「家庭の暮らしが苦しい子供たちが通う中浪区(チュンナング)地域児童センター(勉強部屋)給食予算がなくなった」という文がツイッターに上がった。パク市長が「ソウル市の公務員がすぐに確認するように」という答を残し、担当公務員も「電話番号を知らせればすぐに説明申し上げる」として動いた。初めてツィットを残した人は二日後に自身のツイッターに「疑問が迅速に解決され心配したことが起きなくて幸いだ。…初めて人間くさいソウルを見ることができた」という文を載せた。 パク市長は「(ツイッターのような)手軽で価格の安い疎通ツールが普及したが(これまで)なぜ疎通が問題だったのでしょう?」という文をツイッターに上げもした。


←パク・ウォンスン ソウル市長就任1ヶ月の歩み


パク市長は市民や公務員たちと対話する時「私は…」で始め、「してくださいますね」のような丁重な請誘形で話を結ぶ。先月27日出勤初日の午後、永登浦(ヨンドンポ)の長屋を訪問した時、狭苦しい長屋で30分以上も膝詰めで座り住民たちの話を聞いた。


彼の就任以後ソウル市庁西小門(ソソムン)別館周辺には嘆願性デモが絶えない。去る3日にニュータウン事業に反対する住民200人余りが集まり、西小門別館ロビーを占拠した。「パク・ウォンスン出てこい」と叫び夜通し座り込みをした。パク市長は翌日正午に彼らに会い「約束を取って来ればいつでも会う」と話した。住民たちは 「パク・ウォンスン万歳」を叫んだ後、すぐに座り込みを解いた。すっきりした答えを得ることができなくても‘空の星を取る’如く会うのが難しかったソウル市長が自分たちの恨が積もった話を聞いてくれたことだけでも心が多少やわらいだのだ。


現場で全て聞けない話は手紙で受け取り市長が自筆で返事を書いて送っているとソウル市の公務員は伝えた。


パク市長のこういう‘傾聴’、‘疎通’の歩みが、住民たちの利害関係が乱麻のようにからまった各種懸案を解きほぐすところまで威力を発揮するかはまだ見守る必要がある。


牛眠山(ウミョンサン)山崩れ惨事を被った瑞草区(ソチョグ)、方背洞(パンベドン)田園マウル(村)を去る21日に訪問したパク市長に、住民たちは‘山崩れ原因を再調査しなさい’としつこく要求した。‘山崩れは集中豪雨にともなう事実上の天災’という去る9月のソウル市の調査結果発表が翻意されてこそ被害補償の余地ができるためだ。パク市長が最後まで‘再調査する’という返事をしないので、「市長が何をしにきたか」と失望する住民たちもいた。
パク市長の‘話法’が論難をかもしたこともあった。彼は‘このような面もあり、あのような面もあって外国の事例はこのようで、私はこのように見るが皆さんの考えはどうか’という方法で話を結ぶ。‘ソウル市長が授業料撤廃闘争を扇動した’という論難は保守言論が前後の脈絡を切り捨てて彼の発言を伝えて煽ったものだが、過剰なほどに詳細に説明する‘市民運動家話法’が誤解を生む恐れがあると話す市会議員らもいる。


権威主義を脱ぎ捨てたソウル市長の破格の歩みが目を引いてきたが、ニュータウン・再建築、公共交通料金引上げのような懸案の解決法を出すためにより一層努力しなければならないという指摘も出始めた。 キム・ミョンス ソウル市議会民主党市会議員は「パク市長の姿に熱狂する市民もいるが、憂慮する声も共に上がっているということを肝に銘じなければならない」として「パク市長が浴場の湯気のような人気に酔わず人事・組織・財政など市政全般に対する体系的な改革に乗り出さなければならない」と話した。


クォン・ヒョクチョル記者 nura@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/507367.html 訳J.S