原文入力:2011/11/25 16:49(2570字)
「私たちの法研究会」所属判事‘骨の髄まで親米大統領 国を売り飛ばす’文に対し、朝鮮日報が社説まで動員
記者が取材するや文を下ろした後に報道を正面批判 "‘SNS活動は政治的中立性に外れない"
←新任判事および予備判事任命式. キム・ポンギュ記者
現職部長判事が韓米自由貿易協定(FTA)と関連して自身のフェイスブックに "骨の髄まで親米の大統領と通商官僚が国を売った" という趣旨の文を載せ削除した。その過程で<朝鮮日報>は1面記事と社説で部長判事を猛非難した。
<朝鮮日報>は25日、某地裁の部長判事であるA(45・司法研修院22期)氏が去る22日 "骨の髄まで親米の大統領と通商官僚らが庶民と国の暮らしを売り飛ばした2011年11月22日、私はこの日を忘れない" という文を載せたと報道した。
この文を載せたチェ・某部長判事は‘進歩指向’法曹人らの集いである‘私たちの法研究会’所属で文の下には‘私たちの法研究会’会員たちと検事出身弁護士らが‘良い’と共感を表示していたことが分かった。
チェ判事は去る13日にも "韓米FTAにあるISDが韓国の司法主権を侵害する内容という話があるならば、判事らもそれに対してイエス、ノー、正しい、正しくないと考えを出すべきではないだろうか?」と文を載せた。
朝鮮日報はこの日付紙面で<FTA通過は "国を売り飛ばしたこと" と言った判事>という社説を通じてチェ判事を猛非難した。朝鮮日報は「まともな判事ならばそのような浅はかな行動はしない」として「判事が個人意見を外に向けて表現すれば特定懸案に偏見を持っているという事実が明らかにならざるを得ず、裁判での公正性が疑問に思えるため」と批判した。朝鮮日報は「裁判官は実際に公正に裁判を行わなければならないのに、公正性に疑問を抱かれないように行動することも重要だ」として「それが嫌ならば法服を脱ぐのが正常」と主張した。
朝鮮日報記者が取材をするや文を削除したチェ判事はこの日午前、フェイスブックに再び文を載せ、自身がFTAと関連した文を書いた背景を詳細に説明しながら朝鮮日報の報道を正面から反論した。
チェ判事は「韓米FTA批准案が闇討ちで通過したことに対して討論と疎通を価値と見なす民主主義が民意の殿堂で蹂りんされる姿を見て民主主義と人権擁護のために裁判官職を遂行する自分としてはとうてい耐え難く自分の所感を短い文にして上げた」と明らかにした。
チェ判事は文を削除した過程と関連して「ある保守言論の記者が色々なことを尋ねてきたので、フェイスブックの友人に話したことは、客間で仲良く話す水準以上でも以下でもない。それを記事化することは非常に不適切なことだと話した」として「不必要な論難がさらに広がることを防ぐという意図で(文を削除)した」と話した。
彼は「判事までSNSで特定社会的懸案に対して‘自分たちが見る時に不都合な’意見を表明するのを見た保守層が、一度は言及して萎縮効果を与えなければならないと考え、あんな記事と社説まで書いたのではないだろうかと考える」として「それだけ差し迫っているのでしょう」と付け加えた。
チェ判事はフェイスブックに文を載せたことと関連して「私が好む人、私と話したいと思う人々に自分の考えを話し、ある時は一緒に感動してげらげら笑ったり、ある時は一緒に怒ったりもする自分のSNS空間で自分の考えを言ったまでで誤りはないと考える」として「国家公務員法と裁判官倫理綱領で言う政治的中立性と職務の公正性を常に念頭に置いたし、私が行ったフェイスブック活動がそこから全く外れた点はなかった」と話した。
こういう事実がフェイスブックとツイッターなどで知らされながらチェ判事の発言を巡る論難より、朝鮮日報の報道を問題にする文がむしろ多く上がってきた。
検事出身のクム・デソプ弁護士はチェ判事の文の下にコメントをつけ“朝鮮日報の記事が旧態依然の分析という気がするのは‘水平的疎通’が起きるSNSの特性を全く把握できていないため」とし「この記者は‘SNSを私的空間なのか、公的空間なのか’という枠組みだけで見ているが、事実フェイスブックの最も大きな特徴は話者の地位や職業に関係なく対等な関係で疎通が成り立つということ」だと書いた。
ツイッター利用者‘@hang***'は「朝鮮がフェイスブックとツイッターをよく知らないから! 部長判事が友人とFTAが誤っていると話すことさえ阻むのか? 酒の席の話まで盗聴する?」と皮肉った。彼は朝鮮日報が主張した裁判の公正性と関連してロウソクのあかり偏向裁判で論難をかもしたシン・ヨンチョル最高裁判事に言及して「ロウソクのあかり偏向最高裁判事から服を脱ぐことにしたら」と主張した。
‘@hobe***'は「報道機関が言論の自由を抑圧していますね。非常識です」と非難し、‘@blue***'は「朝鮮(日報)が‘私たちの法研究会’に口枷をはめている」と話した。
‘@sy***'は「ウィキリークスが公開した米外交電文を見れば、‘骨の髄まで親米親日’という話は、MBの実兄イ・サンドク議員が米大使にした話なのに、朝鮮日報は彼にも‘政界を離れろ’と言ったことがあったか」として「自分の好みで裁つ言論、検閲官と変わりない」と批判した。
一方、最高裁はチェ判事が文を載せることになった経緯と内容など事実関係を確認中であり、該当判事を来る29日に開かれる公職者倫理委に回付することにした。
最高裁関係者は「フェイスブックは私的な空間の性格を持つと同時に伝播の可能性が大きいという特徴もある」とし「倫理委でガイドライン用意の必要性と共に掲示文の表現と内容が裁判官倫理綱領に対する違反有無を審議する予定」だと話した。
パク・ジョンチャン記者 pjc@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/507163.html 訳J.S