本文に移動

"FTA特許条項のために韓国 IT・薬価 上がるだろう"

原文入力:2011/11/23 22:34(1250字)
クォン・テホ記者


ベーカー米経済政策センター所長
"ISDは重要分野の主権放棄"


←米国経済学者ディーン ベーカー


米国の代表的な進歩指向経済学者であるディーン ベーカー(写真)経済政策センター研究所長は22日(現地時間)韓国と米国の自由貿易協定(FTA)国会批准過程で論議になった‘投資家-国家訴訟制度’(ISD)と関連して「韓国がこれを憂慮するのは極めて当然だ」と話した。

ベーカー所長はこの日<ハンギョレ>とのインタビューで 「ISDは重要分野で主権を放棄すること」とし「韓国がISDに対して憂慮するのは正しい」と話した。彼は‘ISD条項が形式的には両国に同じ権利を保障しているが、現実的には相対的に市場が不透明な韓国に不利ではないか’という問いに「そうだ。(米国の相手国が)ISD条項で利益を得たケースは非常に珍しい」として「ISDは根本的に米国が自国の法体系を相手国に構築しようとする意図」と批判した。


ベーカー所長はFTA締結によって「米国が受ける影響は(恩恵であれ被害であれ)感じることもできないほどであるだろう」としつつ「しかし韓国の畜産業者たちと農業分野従事者は明白に打撃を受けるだろう」と話した。


また、彼は「韓国の消費者が特許、著作権条項で関連製品の価格上昇に直面するだろう」としマイクロソフト、ファイザー、ディズニーのような米国の情報通信・製薬・知識・娯楽分野の大企業がFTAの最大受恵者になるものと展望した。「米国はこういう交渉で‘関連条項が何の衝撃も与えない’と主張しているが、協定が批准されれば最も強力な水準の知的財産権規定を要求する」ということだ。自動車など一部工産品は韓国の恩恵業種になりうるが、韓国車の輸出増大が日本ブランド市場を蚕食し、米国自動車産業全般にまで深刻な影響を与える程ではないだろうと診断した。


彼は牛肉市場の追加開放と関連して狂牛病波動を念頭に置きながら「米国で売ることができないものを韓国に輸出するわけではない」と前提を置きながらも、「しかし米国の業者が30ヶ月以上の牛肉を含む牛肉市場完全開放を追求することは確実だ」と話した。


‘韓-米FTAが韓-米関係に役立つ’という主張については「米国産牛肉の輸入増大で畜産業者などが仕事場を失い、薬価上昇で医療体系が動揺すれば韓国社会でFTAによる社会的葛藤が続くだろう」とし「韓-米関係にむしろ害になりうる」と憂慮した。


ベーカー所長はミシガン大で経済学博士学位を受けた後、世界銀行、米議会経済委員会、経済協力開発機構(OECD)貿易諮問委員会などでコンサルタントとして活動した。


ワシントン/クォン・テホ特派員 ho@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/506856.html 訳J.S