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[単独] アン・チョルス "研究所 保有持分 半分を社会に還元"

原文入力:2011/11/14 20:38(2937字)


アン・チョルス研究所全職員にEメール送り…1500億ウォン相当
"企業が存在することには金を稼ぐこと以上の崇高な意味がある"


←アン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長. ニューシス


 アン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長が14日、自身が所有するアン・チョルス研究所(AhnLab)の持分の半分を寄付し低所得層青少年たちの奨学金などのための社会貢献事業に使う計画を明らかにした。アン院長の財産社会還元が本格的な政治活動のための事前布石という解釈が出ているが、アン院長側は‘昔からの構想’とし強力に否認した。

 アン院長はこの日午後、研究所職員全員に‘共に希望を抱き生きていく社会を夢見て’という題名の電子メールを送り、こういう意向を明らかにした。この手紙でアン院長は「永く胸中に抱いてきた小さな決心を実践に移そうと思う」として「私が持っているアン研究所持分の半分程度を社会のために使うつもり」と明らかにした。アン院長の持分37.1%(372万株)は14日の終値基準で約3028億ウォン分に及び、社会に還元される金額は1500億ウォン余りの規模になるものと見られる。


 アン院長は「今日、私たちの社会が抱いている数多くの問題の核心の一つは価値の混乱と資源の偏重配分であり、その根本には教育が位置している」として「(還元される持分が)低所得層の子供たちの教育のために使われればという願いを持っている」と書いた。1995年アン研究所を創立したアン院長は現在AhnLabの理事会議長を受け持っている。


 政界では今月初めからアン院長が財産を出捐するらしいという話が出回っており、財団設立が本格的な政治宣言になりうると解釈してきた。アン院長はこういう見解を憂慮したかのように「これには別の目的はない」として「かなり以前から考えてきたことを実践するということ以上でも以下でもない」と説明した。アン院長は「失意と挫折に陥った若者たちに向けた真心こもる慰労も必要で、対策を議論することも重要だが、共同体の共生のために小さな実践をすることこそ最も切実に要求される徳性」と明らかにし、‘実践’に傍点をつけた。


 アン院長はこの間、色々な方式の社会貢献を熟考してきたと知られた。当初はアン院長が去る9月まで2年間進行した青春コンサートを終えた後‘noblesse oblige(指導層が持つ道徳的義務)’を強調する富の社会還元キャンペーンを行う計画だったが、ソウル市長補欠選挙の出馬考慮のために保留されたと伝えられた。


 アン院長と親しいある人は「アン院長は自身が言った話を実践することに厳格な人であり、これ以上遅くなる前に実行に移すのが正しいと判断したものと見られる」と話し、「政治的な目的があるとすれば支持率が落ちたりした時にこういうカードを出したはずではないか」として政治的解釈を警戒した。キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr


以下はアン・チョルス教授のEメール全文だ。


共に希望を抱き生きていく社会を夢見て


アン研究所の同僚の皆さん、こんにちは。


私は今日、永く胸中に抱いていた小さな決心を実践に移そうと思います。
それは分かち合いに関することです。私はこの間、医師と企業家、そして教授としての道を歩いてきながら私たちの社会と共同体から過分な恩恵と激励を受け取り、その結果、いつも挑戦のときめきと成就の喜びを抱いて生きてくることができました。この過程で私は一つの思いを忘れずに大事にしまってきました。


それは私が成し遂げたことは私だけのものではないということです。私は企業を経営しながら、自ら‘魂のある企業’を作ろうと努めてきました。企業が存在することには金を稼ぐこと以上の崇高な意味があり、そこには構成員一人一人の自己実現はもちろん共に生きていく社会に寄与する存在にならなければならないという、より大きな次元の価値も含まれると信じてきました。


そして、今やその価値を実践しなければならない時がきたと考えます。戦争の廃虚と分断の痛みを経験し類例のない成長と発展を成し遂げてきた私たちの社会は最近大きな試練を迎えています。


元気な中産層の暮らしが崩壊しつつあり特に夢とビジョンを持ってより明るい未来を夢見なければならない若い世代が挫折し失意に陥っています。


私は去る十年余りの間、皆さんのような元気で覇気あふれる若者たちと現場で同僚として共に仕事をし、学校で師匠と弟子にも会いました。また、その過程で理想とビジョンを掲げ苦悩と涙も経験しました。


それにもかかわらず、今日私たちが体験している試練を国家社会が一挙に全て解決することはできないことだと考えます。それなら国家と公的領域の悩みに劣らず私たち自らもそれぞれの持ち場で何をすべきかを悩むことが重要ではないだろうかと思います。


特に社会から相対的により多くの恩恵を受けた立場から先頭に立って共同体のために貢献するいわゆる‘ノブレス オブリージュ’が必要な時ではないかと考えます。


失意と挫折に陥った若者たちに向けた真心に充ちた慰労も必要で対策を議論することも重要ですが、共同体の共生のために小さな実践をすることこそ今この時点で最も切実に要求される徳性だと考えるためです。


“いつかは一緒にいなくなる同時代の人々ともう少し意味があり健康な価値を守りながら生きてゆき‘星の向こう側の塵’に帰ることが人間の生だと考えます。”


10年余り前に私が本に書いた話をもう一度思い出してみます。そこで、まず私が持っているアン研究所持分の半分程度を社会のために使うつもりです。


具体的にどんな手続きを踏んだら良いのか、また、どのように使われることが最も意味あることなのかは多くの方々の意見を謙虚に聞いて決めますが、低所得層の子供たちの教育のために使われればという願いは持っています。


今日私たちの社会が抱いている数多くの問題の核心の一つは価値の混乱と資源の偏重配分であり、その根本には教育が位置していると考えるためです。それで先ずは自身が処した社会的、経済的不平等のために機会を保証されなくて、思う存分に才能を育てていけない低所得層青少年たちに夢と希望を与えることに使われれば良いと思います。


このことには他の目的はありません。


かなり以前から考えてきたことを実践するということ以上でも以下でもありません。ただし一つ願いが叶うとすれば今日の私の小さな考えが呼び水になり、幸い今の私と志を同じくしてくれることにした何人かの友人のように、多くの方々の参加があったらと思います。


志ある他の方々の大いなる関心と参加を期待してやみません。


ありがとうございます。


2011年11月14日

アン・チョルス 拝


原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/505362.html 訳J.S