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【 ハンギョレ in 】‘悪い働き口’社内下請け④蔓延した不法派遣(1)

原文入力:2011/10/12 22:32(2533字)


"不法派遣" に相違ないと言ったのに…私たちはまだ正規職ではありません
キム・ソヨン記者


韓国GM(旧 GM大宇),ハイニックス・マグナチップ、KTX,現代自動車などの社内下請け労働者たち(左側から)は不法派遣認定にともなう正規職化を要求し長期闘争を行ったが、未だ正規職に転換されていない。左上写真は去る2008年に全国金属労働組合GM大宇自動車非正規職支会所属の解雇労働者イ・ジュンサム(31)氏がソウル、麻浦(マポ)大橋欄干から綱でぶら下げたカゴに入り社内下請け解雇労働者たちの復職を要求する示威を行い、119救助隊が近づくや漢江(ハンガン)に飛び降りた場面だ。 <ハンギョレ>資料写真

 

GM・ハイニックス、政府判定を無視
KTX・現代自動車は裁判所判決に知らぬフリ
すでに6年が過ぎたが、キム・ミンス(仮名・39)氏はその日付まで正確に覚えていた。 2005年4月13日。 労働部が韓国GM(当時 GM大宇)昌原(チャンウォン)工場の社内下請け労働者800人余に対して不法派遣を認めた日だ。キム氏は 「政府が不法派遣と言った以上、まもなく正規職になれるだろうと堅く信じた」と語った。だが、それは錯覚だった。 むしろその時から試練が始まった。 労組員が多く所属している下請け業者は突然廃業をし、慣行的に毎回反復されてきた3ヶ月・6ヶ月の短期職たちの契約が終了した。


 多くの下請け労働者が正規職どころか一日で失業者になったのだ。 昌原工場内の高さ40メートルの煙突に登り1ヶ月間にわたり籠城して、ハンスト闘争に野宿籠城など‘死ぬこと’以外は全てしたが、正規職採用の夢はますます遠ざかっていった。 彼は「当時、不法派遣と認定された人々の中で200人余りだけが残って今も社内下請けとして仕事をしている」として「残りはみな去った」と話した。 キム氏はまだ解雇者の身分だ。 またGM下請け労働者たちの正規職化闘争は止まった。 昨年12月、昌原地方裁判所は‘派遣勤労者保護などに関する法律’(派遣法)違反容疑で起訴されたGM大宇のデビッド ニック ライリー前社長(現 GMヨーロッパ社長)に罰金700万ウォンを宣告しただけだった。


 韓国GMだけでなくハイニックス・マグナチップ、KMNI、ルネサンスホテルなどの多くの社内下請け労働者が不法派遣を認められたが正規職転換はなされなかった。 KMNIの労働者は‘集団遺書’まで書き激烈に闘争したが、会社はびくともしなかった。 労働者は結局戦いを終えなければならなかった。


 検察も労働部が不法派遣と判定した事件に対して常に無嫌疑処分を下し企業に‘免罪符’を与え、起訴しても罰金刑がその全てだった。 5年4ヶ月間‘命をかけて’戦って正規職化を実現したキリュン電子と5年ぶりに最高裁で勝訴し元請けに直接雇用された韓国馬事会の社内下請け労働者たちの成果がかろうじて目につく程度だ。 キム・ソヨン金属労組キリュン電子分会長は「企業は法を無視しても何の処罰も受けず、不法派遣労働者だけが集団解雇にあい闘争して拘束されるなど一方的に被害を受けることが今も反復されている」として「不法派遣問題を見れば‘無銭有罪、有銭無罪’の現実を痛感する」と話した。 彼は「強い処罰がないために不法派遣が大手を振って歩いている」と強調した。 現行派遣法には不法派遣をすれば3年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金に処すると規定されている。


死ぬこと以外は全てやってみた労働者たち
解雇・社内下請けから抜け出せず


 さらに大きな問題は労働部が不法派遣だと判定した事業場に対し、検察が一貫して‘無嫌疑’処分を下し、労働部までが不法派遣を認めることに慎重になったという点だ。明らかな不法派遣であるにも関わらず基準を厳格に適用したために労働現場に不法派遣が蔓延している。KTX女性乗務員の事例がその転換点に挙げられる。 ソウル地方労働庁は2006年9月、集団解雇に対抗し闘争中のKTX女性乗務員に対し「不法派遣ではない」と決めた。 ソウル労働庁の決定に僅かな期待をかけてきた女性乗務員は絶望し、座り込んで号泣した。 この事件に対しソウル高裁は今年8月、KTX女性乗務員が韓国鉄道公社(KORAIL)を相手に提起した勤労者地位確認など請求訴訟控訴審で1審と同じく「女性乗務員は鉄道公社の職員」と判決した。裁判所は「女性乗務員が所属した鉄道流通は事業の独立性を備えておらず鉄道公社の一介の事業部として機能した」として、労働部の5年前の判断を完全にひっくり返した。 裁判所は単純な指揮・監督関係が認められる不法派遣を跳び越え、女性乗務員は初めから鉄道公社職員だったと判決した。 女性乗務員が所属した下請け業者は独立した事業体ではなく鉄道公社の一部署と見ることができる程に実体がなかったという話だ。 労働部の決定がどれほど粗末だったのかが分かる内容だ。


 政府の消極的な態度は統計でも確認できる。労働部が国会環境労働委員会所属イ・ミギョン民主党議員に出した‘社内下請け実態点検結果’によれば、2007~2009年に政府は計1339社の元・下請け業者を対象に調査を行い、7社に対して不法と判断した。この内、司法処理のために送検された業者は1ヶ所(罰金70万ウォン)に過ぎなかった。 これは2004~2006年の政府実態調査結果と対比される。 労働部はこの期間に計2720社の元・下請け業者を対象に実態点検を行い、507事業場を法違反事業場と判断した。この内、253事業場が刑事処罰を受けた。

 イ・ミギョン議員は「労働部が不法派遣問題から手を離したも同じ」として「社内下請けを使っている労働現場に不法派遣が蔓延している可能性が高い」と話した。 キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/500436.html 訳J.S