原文入力:2008-12-12午前09:25:56
‘大統領の即席出会い’焦った人々
大統領府警護処シナリオには‘カラク市場の涙’はなかったというが
先週新聞を飾った写真の中の一つはイ・ミョンバク大統領とソウル,カラク市場の露天商パク・プジャ(73)おばあさんが抱き合っている場面だった。パクおばあさんの気の毒な事情まで伝えられたことでより一層話題になった。
大統領の警護は非常に厳格だが、どのようにしてイ大統領とパクおばあさんが会うようになったのだろうか。
一般的に大統領が大統領府外の行事に出る時は、警護処と儀式チーム,スポークスマン室などの徹底した事前踏査を経て、現場地形地物に合わせてシナリオと動線を組みたて出席対象者もあらかじめ身分を把握し選別する。ガスボンベのような爆発危険性がある物は片づけて盗聴の可能性を遮断することなどは基本だ。
去る4日の明け方、カラク市場訪問も前日警護処とスポークスマン室の現場踏査を経て用意した動線とシナリオに沿って進行された。イ大統領はあらかじめ予定されていた通り、‘入口で商人らと挨拶→白菜集荷場訪問および白菜積み込み手助け→簡易暖炉で農民・商人らと談笑→彼らと解腸スープ専門店で食事’の順序で移動した。談笑と食事を一緒にした農民・商人7人も前日夜交渉済みだった。
だがパクおばあさんは予定になかった即興的な出会いだったと大統領府は説明する。イ大統領が食堂に歩いて行ってパクおばあさんを目に留め近付いたということだ。大統領府関係者は「おばあさんが大統領を見るやいなやし泣き始めて随行員らが慌てた」と伝えた。
大統領の外部行事の時は、入口に検索台を設置し参席者らと周辺を検索して一括統制するが、カラク市場のように不特定多数が行き来する開放された場所を訪問する時にはこれが不可能だ。警護処ではこれを‘非公式行事’と通称する。このような時は一般市民や商人の姿をした警護官・警察官をあちこちに配置し警戒する‘非露出勤務’に主に依存する。カラク市場の場合、数十人の警護官がイ大統領到着1,2時間前に投入されたという。検索台を設置する代わりに爆発物や武器類を探知する特別装備も動員された。
非公式行事の生命は‘厳重保安’だ。大統領が訪問する場所と時間があらかじめ知られると危険要因もそれだけ増えるためだ。カラク市場訪問の時、大統領府は記者らにも前日夜「明日明け方4時半まで大統領府に来なさい」とだけ通知した後、カラク市場へ向かうバスに乗った後に行事場所と内容を知らせた。警護処関係者は「非公式行事では突発事故の可能性に気を遣わなければならないから髪の毛が逆立つ感じだ」と話した。
ファン・ジュンボム記者 jaybee@hani.co.kr