原文入力:2011/09/01 17:14(3217字)
ホ・ジェヒョン記者
押収捜索当日 "検察が来ているから全部片づけろ" 指示受けて
職員たち、特検来るなり‘その箱にはゴミしか入っていない’せせら笑い
←イ・ゴンヒ三星グループ会長が4日午後、ソウル、漢南洞のチョ・ジュンヌン特検事務室に出頭し「グローバル企業である三星が犯罪集団になっている状況について誰に責任があると考えますか?」という質問に記者を見つめながら「犯罪集団だと思ったことがなく、書いた皆さんに問題がないかと考える」と話している。 イ・ジョングン記者 root2@hani.co.kr
2008年三星特検は龍頭蛇尾に終わった。2007年10月30日、キム・ヨンチョル弁護士の良心告白以後 世論が沸き立つや2008年1月10日に特検がスタートしたが、特検活動105日間で三星の秘密資金造成と政官界不法ロビー疑惑はきちんと調べられもしなかった。三星の不法経営権継承過程にイ・ゴンヒ会長の指示があったということだけが一部確認されたに過ぎない。 理由は "証拠不充分"
特検はなぜ証拠を見つけられなかったのだろうか。そこには三星の組織的な証拠隠蔽が大きく一役買っていた。特検がスタートするまで長くかかり、三星本社押収捜索をするまでも期間がとても長くかかった。2007年11月30日、検察特別監察・捜査本部(特本)の三星証券押収捜索以後45日も過ぎてから特検は三星本社を押収捜索した。その間に三星は数多くの証拠書類を廃棄できた。
←チョ・ジュンヌン三星特検チーム捜査官が去る2008年4月10日午後、ソウル、中区、太平路の三星本館の三星電子電算センターと倉庫などを押収捜索した後、乗用車にで去っている。 キム・ジョンス記者 jongsoo@hani.co.kr
2008年1月、三星の‘保安指針’が一度 言論を通じて公開されたことがある。この保安指針には△2001年以前の作成文書△市民団体・官庁・構造調整本部・子会社・関連会社関連資料△構調本が実施した経営診断文書などを全て廃棄することとされている。指針には‘個人通帳は会社に置かず、公務員から受け取った名刺は直ちに廃棄しなさい’、‘役員は部長を、部長は次・課長を点検し実行可否を報告しなさい’という内容も入っていた。
<ハンギョレ>は先月25日、証拠廃棄作業に動員された三星のある職員から三星が当時どのように証拠書類を廃棄したかに関する具体的な情況を聞くことができた。三星特検当時 「三星が証拠書類を廃棄している」という三星職員の証言が間接的に言論に伝えられたことはあるが、直接報道機関とインタビューしたことは今回が初めてだ。
三星がどれほど広範囲な証拠隠蔽をしたのか調べることができる証言と判断し、この職員とのインタビュー内容を紹介する。この職員は文書廃棄に参加し特検押収捜索現場を近くで目撃した。この職員は「当初から証拠不充分ろいう結果が出るはずだった」と証言した。彼は「三星に労組がないために こういう証拠隠蔽が可能なようだ」と付け加えた。
"ゴミ車で3台にもなりました。全職員が動員され無用なものまで本当に全て捨てました。"
この職員は三星が証拠隠滅のために廃棄した資料の量を‘ゴミ車3台’と表現した。 彼は 「特検の三星本社押収捜索の一週間前から毎日ばく大な量の書類を捨てた。あまりにも量が多く他部署にまで投入され書類を廃棄したし、ゴミ車で3台分を廃棄した」と話した。
以下はこの職員と交わした一問一答。インタビューに応じたこの職員は現在も勤務しており彼の名前と職責などは明らかにしない。
-当時、証拠隠滅のために捨ててしまった書類はどれくらいあったか?
“ゴミ車で3台が出て行った。特検が本社押収捜索しに来た日の朝、ゴミ車3台が出て行くのを直接見た。本当になぜこれほどたくさん捨てるのかと思ったが、全職員が参加して捨てたものだった。”
-主にどんなものを捨てたか?
“職員によって捨てた書類が全て異なるので私も具体的なことはよく分からない。株式関連書類などをたくさん捨てたことは確実だ。これは話してはいけないことだが(しばらく悩んで)盗聴依頼を受けた書類も捨てた。”
-書類廃棄を一日中したのか?
“本社押収捜索の一週間前から毎日ばく大な量の書類を捨てた。本当にささいな書類までみな捨てた。あまりにも量が多くて私が勤めているわけでもない他部署にまで投入され書類を廃棄した。それを全て処理するのに毎晩11時から12時の間に退勤しなければならなかった。それらの書類を廃棄する時、紙資料のクリップとホッチキスなどを取り除くのに私の手が休まる日がなかった。書類は全てシュレッダーにかけ粉砕した。”
-特検が押収捜索にくることをあらかじめ通知されたか?
“数日前から社内インターネット網で‘何日から何日まで社内保安が強化される’という公示を見た。直接的な日程を公示したわけではないが職員は押収捜索と関連する公示と解釈した。2008年1月15日、特検が本社押収捜索に入った日. いつも私より遅く出勤する役員がとびきり早く出勤していた。雰囲気がおかしかった。朝の会議時はある幹部が‘検察が上がってきているからまだ片づけられなかったものなど全て片づけ普通に仕事をしているフリをしろ’という指示を受けた。ところが、それは口で言うほどやさしくない。”
-特検が押収捜索しにきた時、現場にいたか?
“そうだ。”
-どうだったか?
“青い紙ボックスを持ってきた。職員がみなせせら笑った。‘その中にはゴミしか入っていない。本当のものはみな出て行った。バカだ。みな組んでいるのになぜそうなの。’私達だけで後でそう言っていた。
-他に偽装したことはなかったか?
“その日、床工事をするようにわざと演出をした。文書をたくさん捨てたが、わざとそうしたように見えてはいけなかったのではないか。それで事務室の床材を片付けて机もみな抜いてきれいにしておいた。”
(実際、特検は秘密金庫があると推定された三星火災本社22階の奥の部屋で三星がそれまでなかった壁を新しく作った跡を発見した。)
-特検捜査官が何と言ったか?
“その日、私たちが‘こんにちは’と挨拶するから笑っていたよ。ただ笑いながら私たちが出しておいたものだけを静かに一つ一つ詰めていた。ところが全てゴミばかりだった。押収捜索に入った日は本当に何もない状態だった。当初から特検捜査結果は証拠不充分と出てこざるを得なかった。”
-三星が今後どうなれば良いと思うか。
“‘お金をたくさん上げるから代わりに静かにしていろ。’こういう要求は本当に変わらなければならない。これは背中に刀を突きつけておきながら‘これは刃物ではなく金だ’という格好だ。”
-三星が変わるだろうか。
“そうですね…. 希望がよく見えなくて会社を辞めるべきだと思ったりする。良心が傷ついてこれ以上会社に通えない。言論が重要だ。本当に客観的に三星問題を扱う言論が必要だ。”
三星グループはこの職員の証言に対して「保存期限が過ぎた書類は周期的に廃棄している」と明らかにした。しかしインタビューに応じた三星職員は「保存期限が過ぎた書類を廃棄しろという業務指示は受けたことがない。偽りの説明だと見て良い」と話した。また、三星グループは「特検があらかじめ押収捜索日程を知らせたことはない」と釈明した。
ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/494445.html 訳J.S