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偉大な発明か希代の詐欺か

記事入力 : 2008-11-17 午後 07:12:50
世界初 水素エネルギー商用化 ‘水素・酸素混合ガス発生器 中央部署賞席巻 科学界 “物理学的に不可能”…検察内偵調査着手

キム・ギテ記者

2005年2月、教職員出身のチョ・某(57)氏は○会社を作った。高効率エネルギーである酸素・水素混合ガスを利用した家庭用ボイラーを作るための会社であった。翌年、チョ氏はイ・スソン前総理が会長であるチャン・ヨンシル先生記念事業会の科学技術大賞を受賞した。 “世界初の水素エネルギー源商用化を成し遂げた”功労のためだった。
2007年6月には、国立韓国電気研究院もチョ氏が作った‘水素・酸素混合ガス発生器’に対して性能確認実験を終えた。研究院試験成績書によれば、混合ガス発生器は消費電力3.85Kwで水355リットルの温度を20度ほど上げる結果を現わした。これは100のエネルギーで400以上のエネルギーを発生させる計算で、熱力学の基本であるエネルギー保存法則を跳び越える途方もない成果であった。
この商品は昨年11月にはある法人が主催した大韓民国環境大展で環境部長官賞を受賞した。去る9月に開かれた大韓民国価値経営大賞でもチョ氏は知識経済部長官賞を受けた。昨年は‘中小企業修士.博士級人材雇用支援事業’の一環で1400万ウォンを産業資源部から支援されもした。この外にワールドベスト商品大賞,大韓民国革新企業大賞,親環境経営大賞なども総ざらいした。中小企業庁が主催した親環境エネルギー競技大会でも10ヶの本戦企業に選ばれた。

チョ氏は全羅北道と全州市などが出資して作った全北テクノパークの支援を受け、全羅北道科学研究団地に本社と研究所を造った。事業も大きく拡張して去る7月までに総販売と代理店の保証金などで約166億ウォンに達する契約高を上げた。

しかし、科学界ではチョ氏の発明品に疑問を提起している。去る3月、○会社が政府の支援を要求するや韓国科学技術研究院水素燃料電池事業団が提出した意見書は「必要熱量を得るための必要電力量が理論値より低い」として「○会社が主張する数値は虚構」だと明らかにした。事業団のホン・ソンアン団長は「この製品はエネルギー保存法則を無視している」と語った。キム・ジョンフン エネルギー技術研究院博士も「2~3年に一回ずつ水素エネルギー商用化に成功したという会社が出てくる」として「核融合,核分裂でもないのに、エネルギー保存法則を越えることはできない」と明らかにした。

これに対して韓国電気研究院は「試験成績書は電力消耗量を表わすだけであり熱効率を表すものではない」と明らかにした。環境部と知識経済部は「行事主催団体らの要請により長官名義の賞状を与えただけ」と話した。

チョ氏は「電気研究院の試験成績書に現れた熱効率結果は事実」としながら「学者らが新技術を調べられなかったり、私を陰湿に攻撃しているようだ」と話した。

進歩新党は17日午後2時、○会社をソウル地検に告発し記者会見を行い「世界最初の水素エネルギー商用化という主張は希代の詐欺」としながら「○会社にもてあそばれた政府と政界の支援勢力を調査しなさい」と促した。国務総理室は電気研究院に対し混合ガス発生器を再実験しろと指示したことが分かった。検察も○社に対する内偵調査を進行している。 キム・ギテ記者kkt@hani.co.kr

原文:https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/322319.html
翻訳:J.S