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私は投票しなかった50代 江南(カンナム)おばさんだ

原文入力:2011/08/26 16:05(2091字)
ギム・ドヒョン記者

"‘江南の人はこうだ’断定する言論不快"
"デザインにお金をばらまく代わりに無償給食をしろ"

←キム・インジャ氏が暮らすソウル江南区、狎鴎亭洞のアパート前に駐車していた車の40%ほどは高級外車だ。 写真キム・ドヒョン記者

韓国で坪当たりアパート価格が最も高い町内であるソウル江南区、狎鴎亭洞(アックジョンドン)のアパートに暮らす50代の専業主婦キム・インジャ氏は8・24無償給食住民投票以後、新聞放送報道を見る度に不快に思う。
江南地域が江北(カンブク)地域に比べて最高二倍以上の投票率を示したことと関連して、大多数の言論が江南地域の人々の保守性や利己心、階級性を強調することに違和感を感じるということだ。

投票をしなかったというキム氏は「言論が江南の人はこうだ、ああだと簡単に断定するのは誤り」と話した。坪当たり4千万ウォンを超える狎鴎亭洞の投票率は47.1%で、江南平均(35.4%)よりも高い方だが、逆に自分のように2人中1人は投票をしなかった人々がいるという事実に言論では全く注目しなかったり無視していることに対する抗弁だ。

 "安っぽい三光ふわふわ島は嫌い"

オ・セフン市長が先月発表した狎鴎亭洞一帯に最高50階の高層アパート再建築計画地区に彼女のアパートが含まれたことを勘案すれば、彼女の投票拒否行為は言論報道で指摘された江南の人々の保守性ないしは階級性とは明確に距離があるわけだ。 オ市長の計画どおり彼女のアパートが再建築されればアパート価格が大きく騰がるのに彼女は積極的に投票を拒否することによりオ市長の落馬を期待したためだ。

彼女はなぜ積極的に投票を拒否したのだろうか?

彼女は「江南は右派的で保守的な人、そして昔から豊かな暮らしをする層が多いから声を出せばいじめにあったり江南左派と批判する雰囲気があり、普段は黙っているということなだけで自分のような人も多い」と話した。それと共に彼女は自身は江南左派でもなく「客観的に妥当か、そうでないかを基準として事案を判断する中道」と強調した。オ市長が全面的な無償給食に反対する理由も、妥当性を欠くと言った。

 「私たちの町内の周辺にある三光ふわふわ島を見れば、誰のための開発かわかりません。外国に行けば格好良く作った良い建物がとても多いです。ところが三光ふわふわ島は雨が降れば大騷ぎになるほど めちゃくちゃに作っておいて、ガラスのようなもので‘安っぽく’作ってあり見た目も良くありません。」

漢江ルネサンス事業だけでなく、西海(ソヘ)航路事業などオ・セフン市長の展示行政、パフォーマンス行政を嫌って投票しなかったと彼女は話した。狎鴎亭洞スカイラインを変えるというオ市長の計画に対しても「住民の財産の25.5%を出せとの前提条件で推進することだが、果たして住民たちに利益になるかどうか分からない。私を含めて相当数の狎鴎亭住民たちが再建築計画に対して納得できないと言っている。住民たちのためでなく自身の政治功績のためのもの」と言い切った。狎鴎亭公園とソウルの森まで歩いて行ける歩行橋(ドリームブリッジ)建設計画に対しても「1千億ウォンずつで歩行橋を作る理由があるのか。自転車やバスに乗って行けば良いことではないか」と疑問を示した。

 "とんでもないことに使うお金で無償給食をすべき"

彼女はまた、無償給食も現行通り全面的に施行しなければならないという立場だ。 「給食費を払うことができない子供たちがどれほど多いですか?おばあさん、おじいさんの下で育てられる子供たちも多くはないですか? 光化門(クァンファムン)や東大門(トンデムン)のようなものにデザインするのに莫大な予算を注ぎ込む代わりに給食問題に税金を使うことが良いと思います。」

一部江南住民たちの投票行動に対しては「子供たちに何が必要なのか、福祉がなぜ重要なのかという政策対決になるべきなのに‘国が金がない、まだ駄目だ’というから、単純に信じて投票をしたのだろう」と残念がった。

彼女は江南住民たちの相当数がポピュリズム、左派というフレームにもたれかかり、左派と右派の対決論理に簡単に陥ったとしながら「それならオ市長が西海航路のようなものはできないように、なぜ止めないのか、貧しい一人暮しの老人に与える予算が大幅に削られたことに対してはなぜ関係ないという態度を取るのか理解出来ない」と詰問した。

彼女はまた、オ市長の辞退意志に対しても「自業自得」と評価して「なぜそこまで果敢に住民投票を敢行して市長職を賭けたのか分からないが、彼の話のように福祉のせいで国が滅びると信じて行動した訳ではなさそうだ」と皮肉った。

文・写真キム・ドヒョン先任記者/ツイッター@aip209

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/493478.html 訳J.S