本文に移動

投票率 33.3% に向けた‘崖っぷちの涙’作戦

原文入力:2011/08/21 21:31(1705字)
ファン・ジュンボム記者、オム・ジウォン記者


‘市長職辞退’賭けた策略は
党の支援 圧迫効果 同時狙い
チョン・ドゥオン "格別の効果はないだろう"
汝矣島(ヨイド)研究所、投票率 23% 展望


←オ・セフン ソウル市長が21日午前、ソウル、中区、西小門のソウル市庁別館で‘無償給食住民投票’の結果に市長職を賭けるという内容の記者会見をしている間、涙を拭っている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr


オ・セフン ソウル市長は21日、放送で生中継された記者会見で何度も涙を見せた。 去る12日‘2012年大統領選挙不出馬’宣言記者会見の時よりはるかに感情が込められている様子だった。

オ市長は「福祉ポピュリズムとの戦争は避けられず避けてはならない選択」という点を強調した後、「必ず33.3%の投票率を越し市民の皆さんの厳粛な意思がどこにあるかを確実に示す契機としなければならない」と話すと、後ろを向いたままハンカチで涙を拭いしばらく話を続けられなかった。その度に一斉にカメラのフラッシュが光った。オ市長は3度にわたり背中を見せた。会見文を朗読した後「これが私の衷心」とし床にひざまずきお辞儀をした。

オ市長がこの日、無償給食住民投票結果と市長職を連係させると明らかにしたのは、‘最後のカード’を切ることにより住民投票参加ムードを高めようとする意図と解釈される。ソウルのあるハンナラ党議員は「感性的に接近すれば投票率が少しは上がると見たようだ」と話した。オ市長側はこの間、自主調査を通じて36%の投票率を予想してき、市長職を賭ければ投票率が5%程度上がり41%まで達すると予想してきた。投票箱を開けてみるためには投票率が33.3%を超えなければならない。

だが、この日の宣言で投票率が大きく上がると見る視角は多くない。ハンナラ党付設汝矣島研究所の去る19日の世論調査では、投票率が23%にとどまるという結果が出た。チョン・ドゥオン汝矣島研究所長は20日 オ市長に会い、この結果を提示し「市長職を賭けても特別な効果はないだろう」と話した。ハンナラ党のあるソウル地域選出議員は「国会議員が4年の任期中ずっと地域を飛び回っても1万票を引き上げることは難しい。結果はすでに出ている」と話した。オ市長は2010年の地方選挙で208万票を得、今回の住民投票では278万人が投票場に出てこそ投票箱を開けてみることができる。オ市長に投票した人より70万人がさらに多く投票に参加しなければ開票できないということだ。

こういう側面から見てオ市長のこの日の宣言は‘避けられない選択’という解釈が多い。投票で敗北する場合、どうせ‘植物市長’になるため、投票を三日後に控えて背水の陣を敷く姿で‘福祉ポピュリズム反対’という名分を確実にしようとしたという話だ。オ市長は普段 「市議会の4分の3, 区庁長の5分の4を民主党が掌握した状態では仕事をしにくい」と公・私の席で吐露してきた。ハンナラ党関係者たちはオ市長が効果を極大化するために戦略的に‘大統領選挙不出馬’(8月12日)と‘住民投票-市長職連係’宣言を二段階に分けたものと分析した。 オ市長の‘崖っぷち’戦略が‘政治イベント’として薄められたという批判が党内でも提起される理由だ。それだけに真正性も疑いを受けざるを得ない。

ハンナラ党のある議員は「去る12日の記者会見の時(市長職連係ではなく)大統領選挙不出馬を宣言してしまって戯画化された側面がなくはない」と話した。別の議員は「市長職を賭けるならば市長職連係可否の話が出た時に明確にすべきで、このような形でちびりちびりと出せばみっともない」として「格別の効果があるとは思えない」と話した。

ファン・ジュンボム、オム・ジウォン記者 jaybee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/492723.html 訳J.S