原文入力:2011/08/10 16:42(2574字)
韓進重工業 3つの記者会見
極秘帰国 チョ・ナムホ "整理解雇は仕方ないことで、希望のバスは不法圧力"
希望のバス 電話連結 キム・ジンスク委員 "整理解雇者をまず復帰させるべき"
野5党 "聴聞会不参加は政権の庇護なしには不可能"
←10日午前、釜山市庁ブリーフィング室でチョ・ナムホ韓進重工業会長が記者会見を行い、韓進(ハンジン)事態と関連、‘対国民要請文'を発表するのに先立ち頭を下げ対国民謝罪をしている。 ニューシス
"労働者をこれ以上泣かさず殺すな、彼らの涙をこれ以上無視するな。今からでも労働者が本来の場所に戻り、私をはじめとするクレーンにいる5人の労働者が無事に帰れるように努力してくれ"
釜山の韓進重工業影島造船所85号クレーン上で218日にわたり高空籠城中であるキム・ジンスク指導委員がチョ・ナムホ会長に絶叫しながら注文した。希望のバス企画団は10日午前、緊急記者会見を行いキム・ジンスク指導委員と電話連結し、このようなメッセージを伝えた。キム指導委員はこの電話連結で「チョ・ナムホ会長の帰国を歓迎する。韓進重工業はすでに多くの人々が職場を失い苦痛を受けた。3000人余りの人々が職場を失った。関係者が問題解決次元で整理解雇問題に真正性をもって対応することを期待する」とも付け加えた。
この緊急記者会見はこの日、チョ・ナムホ韓進重工業会長が極秘裏に帰国した後、釜山市庁前で記者会見を行うと知らされ開かれた。
←韓進重キム・ジンスク委員
キム指導委員は10日午後<ハンギョレ>との電話通話でも「工場正常化をするなら整理解雇者をまず復帰させなければならない」として「整理解雇を撤回しなければ降りて行くことはできない」と断固たる立場を明らかにした。
チョ・ナムホ会長は去る6月、国会出席を控え出国し、先週末に極秘裏に帰国し、10日釜山市庁前で記者会見を行い対国民要請文を発表した。チョ会長は要請文で「構造調整過程で釜山市民と影島区民、国民に大きな心配をおかけした点に対し心より謝罪申し上げる」として対国民謝罪をした。
チョ会長はこの記者会見で整理解雇撤回に対しては明白な拒否の立場を明らかにした。チョ会長は「会社の生存のためにやむを得ず選択した整理解雇を無条件に撤回しろということは、企業と役職員が全員生存をあきらめろという話」と話した。チョ会長はまた、全国各地から市民の参加により3次まで運行された‘希望のバス’に対しては "不法圧力" と規定した。チョ会長は記者会見で希望のバスに対する立場を問う質問に「当事者間の合意を無視した外部勢力の介入で高空籠城、デモ、集会など不法圧力によって正当で合法的な経営活動が難しくなるならば、私たちの社会が守らなければならない最小限の基本原則を葬ること」と答えた。
チョ会長はこの席で労使交渉のための会社側カードも提示した。チョ会長は「3年以内に経営正常化を実現できるよう最大限努力して、やむを得ず会社を去らねばならなかった家族を再び迎えるだろう」と話した。チョ会長はまた「会社を去った方々に対し可能なすべての部分に対し支援を惜しまないものであり、優遇を最大限整える」とし、退職者400人の内 希望退職者に対しては子供2人まで大学卒業時までの学資金全額を支援するという提案を出した。
チョ会長のこういう発言に対し、キム・ジンスク民主労総指導委員は<ハンギョレ>との通話で「真正性を認めることはできない」と明らかにした。キム指導委員は「工場正常化をするなら整理解雇者をまず復帰させなければならない。3年間わざと受注を回避した状態で、3年後に整理解雇者を再入社させるという発言には真正性がない」と指摘した。キム指導委員は「双龍(サンヨン)車も(似た約束をしたが)約束を破った」として「揉み消す目的で(話を)するのではなく、私が降りて行くための実質的な措置を用意しなければならない」と明らかにした。キム指導委員は「整理解雇を撤回しなければ降りて行かない」と断固として話した。
一方、これに先立ちチョ・ナムホ会長が85号クレーンに上がっているキム・ジンスク民主労組指導委員が聴聞会に出てきてこそ自身も聴聞会に出て行く立場だと知らされ批判の声が上がっている。
民主党チョン・ドンヨン最高委員、民主労働党イ・ジョンヒ代表、進歩新党チョ・スンス代表、創造韓国党コ・ボンユン事務総長、国民参与党パク・ム最高委員など野5党は10日午前、共同記者会見を行い「チョ会長はいかなる条件もなしに聴聞会に出席しなければならない」と要求した。彼らはチョ会長が海外に留まり、去る聴聞会に参加しなかったことを批判し「政権の庇護なしには不可能な事を確信している。野5党は全面的な財閥改革に乗り出す」と述べた。
民主労働党ウ・ウィヨン スポークスマンは論評で「事態を収拾できる道は整理解雇の撤回だけ」とし「チョ会長はムダ口をたたかずに聴聞会に出席しなければならない」と明らかにした。
進歩新党チョ・スンス代表は「チョ会長が今日の記者会見でキム・ジンスク民主労組指導委員が出てくれば本人も出席できると言ったが、これは大統領府の作品」と主張した。
先進党も論評し「チョ・ナムホ会長は去る6月17日、国会環境労働委員会が自身を聴聞会証人として採択し、その日すぐに出国し二ヶ月近く外国に留まった」とし「聴聞会出席を拒否し出国したのでも足りずに、今度は聴聞会出席に条件を付けるのか?」と批判した。先進党は論評で「韓進重工業事態に無限責任を感じなければならないチョ会長が、国会を相手に聴聞会出席について取り引きでもしようということか? 理解も容認もできない」としてチョ・ナムホ会長の条件なしの聴聞会出席を要求した。
釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr ・デジタルニュースチーム haninews@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/491177.html 訳J.S