原文入力:2011/08/08 20:18(1728字)
ク・ポングォン記者
放送通信委員会、住民番号収集・利用制限など対策発表
"現行法は個人情報の保管を義務化…非現実的" 批判
ネイト・サイワールド会員3500万人の情報がハッキングされるなど個人情報流出とハッキング事故が相次ぐ中で、政府が泥縄式に再発防止対策準備に乗り出した。だが、国民の大部分の個人情報がそっくり流出しているうえに、インターネット実名制(制限的本人確認制)と電子商取引法等を通じて企業等に住民登録番号などの個人情報を収集・保管するように仕向けてきた政府が関連法案には手も触れず実効性の乏しい‘牛をなくして牛小屋直す’処方に終わっている。
放送通信委員会は8日‘インターネット上の個人情報保護強化方案’を発表し 「インターネット上での住民番号収集と利用を原則的に制限し、例外的に許容するなど企業らの過度な個人情報収集を防止し、収集した情報に対する技術的・管理的保護措置基準を高める」と明らかにした。 放送通信委員会はまた「利用者が自己の情報を統制できる手段も拡大する計画」と付け加えた。このために放送通信委員会はインターネット上での住民番号の収集・利用を制限し、業種・サービス別に個人情報取り扱い標準ガイドを用意する予定だ。また、個人情報有効期間制導入を推進し、個人情報の提供・破棄に関するウェブサイト点検も強化する計画だ。この他に情報管理者PCの外部ネットからの分離および個人情報暗号化対象の拡大など技術的保護措置義務基準も強化される。
ソク・ジェボム放送通信委員会ネットワーク政策局長は「本人確認制は使用者の実名を確認しろということであり、必ずしも住民番号を収集・保管しろということではない」として「過度な個人情報収集は業界の慣行的な側面が強い」と明らかにし、企業等の‘過度な個人情報収集’側に問題の原因を負わせた。
だが、これに対しインターネット業界では、むしろ政府が個人情報の収集と保管を煽ってきた側面が強いと反論する。あるポータル業者関係者は「今回の事故が起こる前まで政府が業界に住民番号を収集・保管するなと要請したことはない」として「実名制と電子商取引法にしたがい住民番号などの個人情報を各々6ヶ月、5年ずつ保管するようになっている状況で、実名を一度確認したら個人情報を廃棄しろということは現実的でない」と指摘した。実際、昨年4月 実名制対象に含まれるやインターネット掲示板を閉鎖してしまったインターネット言論<ブロッター ドット ネット>は当時「意思表明を実名確認後にしなければならないということを認めることはできない」として「使用者の住民番号を受け取り安全に保管するためにはサーバーの保安強化など費用がかかり、これを安全に保管することもとても大きな負担」と明らかにした経緯がある。
こうした中で個人情報流出にともなう被害は深刻な状況に至っている。現在、中国のポータルサイト 百度(写真)・新浪などで‘韓国実名身分証番号’を検索すれば関連リンクが130万件余り検索され、韓国人の名前と住民番号など個人情報がぞろぞろ出てくる。 韓国人の住民番号と電話番号、Eメールなど個人情報は1件当たり1ウォン程度で大量に取り引きされているのが実状だ。
インターネット実名制に対しチェ・シジュン放送通信委員会委員長が一進一退の態度を示していることも問題解決を難しくさせている要因だ。 チェ・シジュン委員長は昨年4月、ネイバー・ダウムなどのポータル代表に会い「本人確認制について規制改善推進班を構成し代案を模索する」と明らかにしたが、去る6月にはある討論会で「今やっと定着した本人確認制の廃止を議論することは適切でない」として「南北対立という現実と種々の副作用を考慮すれば、当分は維持しなければならない」という見解を明らかにした経緯がある。
ク・ポングォン記者 starry9@hani.co.kr