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恐ろしい明け方 "下請けガードマンらが角材と消火器で…"

原文入力:2011/08/04 16:39(2608字)
ホ・ジェヒョン記者

4日明け方、明洞(ミョンドン)撤去籠城場、下請けガードマンら警察が外にいても無差別攻撃
女性2人失神、ペ・ジェフン委員長 角材で殴られ頭を縫う負傷
"女性の頭を地に打ち付け悲鳴を上げても足蹴にして"

←警察は籠城場の入口に警備に立っている。市民と下請け警備職員らの間の追加衝突を防ぐためだ。 写真 ホ・ジェヒョン記者

 3日夜10時30分。ソウル、中区、明洞再開発3区域‘撤去民籠城場’カフェ マリの前で文化祭を終えた撤去民と市民百人余りは奇襲的にマリ建物1階に押し寄せた。この日明け方5時頃、下請けガードマンらに奪われた籠城場を取り戻すためであった。
 どっしりした図体の下請けガードマンは闇雲に角材と拳を振り回し人々を殴り始めた。下請けガードマンがばら撒いた消火器粉末のせいで前が見えない状況で拳が振るわれ、ある市民は消火器で頭を殴られ病院に搬送された。

  "下請けガードマン1人が一人の女性の後ろ髪を掴み地面に打ち下ろした。悲鳴が聞こえてもガードマンは連続的に足で蹴りました。その方は結局、病院に運ばれていきました。"

現場を目撃したチョン・キフン(26)氏は「下請けガードマンが最初から暴力的だった」と証言した。

明け方4時頃、下請けガードマンらと市民20人余りは20坪余りの籠城場内で対立状態にあった。市民はさらに多くの衝突を防ぐためスクラムを組み建物内のトイレ付近で連座示威をしていた。この時、ガードマンらの奇襲暴力が再開された。籠城場は再び修羅場になった。

  「スクラムを組んでいました。私たちはこれ以上、ガードマンらと戦いたくないという表現でした。ところがガードマンが突然私たちの方に駆け寄りました。」

←ペ・ジェフン明洞3区域委員長は下請けガードマンらに後頭部を角材で殴られ頭に裂傷を負い(上)、ガードマンが3日明け方、奇襲的に奪った籠城場は廃虚に変わった。 写真 ホ・ジェヒョン記者

チン氏はペ・ジェフン3区域非常対策委員長(53)が下請けガードマンに殴られる姿を目撃した。「下請けガードマンに拳で顔ばかり7回も殴られました。角材で頭を2回打たれました。ペ委員長はどうにか踏ん張っていましたが頭から出血が始まり結局、病院に運ばれていきました。」

4日朝に会ったペ・ジェフン委員長は本人がどのように殴られたかよく覚えていなかった。「ボカッツという音がしましたよ。頭をなでてみると熱くねばねばするのが感じられました。」ペ委員長はすぐに病院に運ばれ頭を縫った後、再び籠城場に駆け付けた。

 キム・セミ(18)君もこの日明け方、籠城場を守ってガードマンに殴打された。 「警察が籠城場の外側で守っているにも関わらず市民を殴りましたよ。ガードマンはレンガのような硬い物で私の頭を打ち下ろしました。持っていた角材で私の頭と腕を殴り続けました。」 4日朝、籠城場の前で会ったキム君は、患者服を着ていた。病院で左腕の靭帯が延びたという診断を受けたと話した。

 アズ(20・仮名)氏はガードマンが20代の男性一人の後ろ髪を掴み机に打ち下ろすのを止めに入り殴られたと言った。「その方を殴るなと言いました。するとそのガードマンが今度は私の後ろ髪をつかんで私を投げ飛ばしました。足で私の腹部を踏みずっと殴るので逃げて出ました。」アズ氏は「ガードマンは市民を人とは見ずに犬・豚を見るかのようだった」と語った。

3日夜と4日明け方に起きた衝突で市民十人余りが病院に搬送された。ガードマンに角材で頭を殴られ病院に搬送されたチェ・某氏は脳出血症状を示し、現在入院している状態と伝えられた。撤去民は激烈な衝突の末に一時籠城場を取り戻したが、ケガ人が続出しこの日午前7時30分頃、自発的に籠城場を抜け出した。

 籠城場は再び下請け警備職員らのものになり、現在20人余りが籠城場内で警備に立っている。ガードマンらは自分たちもたくさん殴られたと主張したが、詳しいインタビューは断った。警察は市民との衝突を防ぐため籠城場外側の入口を守って立った。

←ガードマンらから暴行を受けた市民が4日午前、ソウル、中区、明洞3区域籠城場の前で記者会見を行っている。 写真ホ・ジェヒョン記者

 撤去民は「施行社が裁判所の調整を無視し暴力的に籠城場を奪っていった」と主張した。ペ・ジェフン委員長は「7月中旬に裁判所は‘籠城場(カフェ マリ)に対する退去を8月16日まで猶予し対話で解決しなさい’としたが、施行社がガードマンらを動員して籠城場を奪っていった」と主張した。

 施行社である明洞都市環境整備株式会社イ・ミンソク代表は「撤去民が度々撤去を妨害したのでガードマンが籠城場に入った」とし「ガードマンらが自分の判断で入ったことで我々が指示したわけではない」と主張した。

 この日午前11時。撤去民パク・クンジュン(62)氏は籠城場前の歩道に座り泣いていた。明洞で‘イモナクチ’という食堂を9年にわたり営んできたが強制撤去された借家人であった。9年前に保証金と権利金を含めて2億ウォンを投資したが、施行社に‘4千万ウォンしか補償できない’と言われ、籠城している撤去民だった。六十を越したパク氏は去る明け方、ガードマンらに思い切り殴られ片方の腕が自由にならない状態だった。

 「この悔しさをいったい誰に訴えればよいのでしょう。この歳でガードマンらに踏まれたら、もう世の中が嫌になります。」

 パク氏が座っていたテントの上に霧雨がしとしと降っていた。テントの上で‘ぼとん’という雨音が聞こえた。パク氏のしわになった目じりに涙がいっぱいに溜まっていた。

 ソウル、中区庁は撤去民と施行社間に衝突が続き、3日午後 施行社に「別途指示があるまで撤去工事を中断しなさい」という公文書を送った。

文 ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr 映像 チョン・ジュヨンPD j2yong@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/490392.html 訳J.S