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牛眠山(ウミョンサン) 山崩れ地域で地雷流失の可能性高い"

原文入力:2011/07/29 20:15(2751字)

2000年 地雷除去作業参加者、‘ハンギョレ’に明かす
全国39ヶ所 地雷4000発 現在 流出した状態































↑ 後方地雷埋設地域(資料:韓国地雷除去研究所)

山崩れが発生したソウル、牛眠山(ウミョンサン)に対人地雷が埋められているという事実が新たに明らかになり、1960年代以後 後方部隊付近に埋設された後に流失した対人地雷による被害を憂慮する声が高まっている。
28日、国防部の発表によれば、1980年代に牛眠山頂上防空砲部隊近隣に埋設した足首地雷(M14対人地雷)1000発を1999~2006年の除去作業で980発を除去し、1発は自然爆発し、19発が未だ除去されずにいる。

 キム・ミンソク国防部スポークスマンは28日ブリーフィングで「今回土砂が流失した側は地雷除去が完了した地域なので流失の可能性は少ない」と明らかにした。しかし2000年度に牛眠山(ウミョンサン)で地雷除去初期作業に参加したある前職軍人は<ハンギョレ>との電話通話で「当時、空軍防空砲台では地雷が流失した可能性が高いという話を聞いたことがある。流失の可能性が高い地域は今回 山崩れが起きたところだ」として国防部発表に疑問を示し詳細な調査の必要性を強調した。

流失地雷危険地域は牛眠山(ウミョンサン)だけではない。 キム・キホ韓国地雷除去研究所所長は29日<ハンギョレ>との電話通話で去る2009年国防部資料を根拠に「軍当局は1956年から防空基地防護のために対人地雷を埋め始め、1968年キム・シンジョなど武装スパイ浸透事件以後に北韓が主要軍事施設である防空基地(レーダー基地)を防護するために集中的に地雷を埋設し始め1988年ソウルオリンピックの時まで全国39ヶ所(基地は36ヶ所)に6万568発の地雷を埋設したが、以後 除去作業を始め現在3936発が流失した状態」と指摘した。

全国39ヶ所で4千発流失

 軍当局は2001年5月、M14対人地雷の使用を禁止する特定在来式武器禁止協約第2議定書に韓国が加入する前の1999年から除去作業に着手し、加入以後に積極的に相当数を回収したが豪雨などで流失した地雷が多く除去作業に苦労している。ある専門家は「軍当局は大部分、地雷埋設地域の垣根内だけで探知調査を行っただけで垣根外はほとんど調査しなかった」と主張した。

韓国地雷除去研究所は国防部が2010年 国会に提出した資料を分析した結果、軍当局はソウル・京畿地域15ヶ所に1万5千余発を埋設したが、以後 流失地雷が1千余発に達すると明らかにした。

 牛眠山だけでなく京畿道、城南、南漢山城(ナムハンサンソン)遊園地の‘沙器膜(サギマック)谷’、慶南梁山(ヤンサン)の千聖山(チョンソンサン)、釜山の代表的観光地である影島区、太宗台(テジョンデ)チュンリ山、京畿道坡州(パジュ)市の普光寺(ポグァンサ)遊園地および楊州市(ヤンジュシ)、長興(チャンフン)国民観光団地に位置した鸚鵡峰(エンムボン)、浦項(ポハン)虎尾(ホミ)岬などが流失地雷危険地域に挙げられる。 キム所長は「軍当局の話を聞いてみれば慶南梁山(ヤンサン)の千聖山(チョンソンサン)と浦項(ポハン)虎尾(ホミ)岬の古琴山・烽火山(ポンファサン)はまだ回収出来ない流失地雷が各々400余発、200余発もあり、他の地域より危険な地域に挙げられる」とし「千聖山(チョンソンサン)は登山客が多く虎尾(ホミ)岬は日の出の観光地として有名であり、人が多く訪れる所であるため注意が必要なところ」と話した。
 加えて、駐韓米軍が韓国戦争以後に埋設した対人地雷地域10個所余りは含まれておらず実際に除去されていない対人地雷数ははるかに多いと知らされた。

 これら流失地雷によってこれまでに死亡したり足首を切断される事故が絶えることなく続いている。緑色連合が昨年8月、国防部に情報公開請求をして公開した資料によれば2001年から2008年までの8年間に国内で計32件の対人地雷爆発事故が発生し6人が亡くなり35人が負傷したと集計された。

 特に対人地雷事故は台風とか大雨が降った直後に多く発生したことが明らかになった。台風ルサが上陸した2002年には何と10件の対人地雷爆発事故(死亡2人、負傷16人)が発生した。台風メミ(蝉)とナビ(蝶)が襲った2003年と2005年にも5件(死亡2人、負傷4人)と6件(死亡2人、負傷5人)の地雷事故が発生するなど、去る8年間の死亡事故 6件は全て台風で大雨が降った後に発生した。

米軍が6・25以後に埋設したところも10個所余り

 緑色連合は「対人地雷の埋設地が突然の豪雨で崩れたり削られながら地雷が作戦地域外に押し流されたために事故が発生したと見られる」と話した。対人地雷のために山火事が起き鎮火に苦労することもある。2007年、釜山影島区、太宗台に山火事が起きた時、消防署員が地雷を踏み足を切断する事故も起きた。浦項(ポハン)、虎尾(ホミ)岬では2009年4月、山火事が発生し民間人と浦項製鉄所職員など3000人余りと消防車40台が出動したが、流失地雷の爆発危険ために火災鎮圧に失敗し大きな被害が出た。地雷除去研究所が2000年から2010年までの対人地雷被害実態を調査した結果では、民間人被害者44人(死亡者4人)と軍人被害者16人に達する。

 M14対人地雷は直径5.5㎝、高さ4㎝、重さ95gほどの円筒形プラスチック製で、水より比重が軽いので豪雨が発生すれば流される可能性がある。色は元々は国防色だが長く埋められている場合には色があせて灰色に変色するため、落葉と混じれば区分するのは容易でなく、流失した対人地雷はかなり見分けにくい。キム所長は「対人地雷は指で押しても爆発するなど、小さな圧力でも爆発するため非常に危険だ」とし「地雷を踏み爆発する場合、骨まで損傷を受け、膝下を切断しなければ生命を保護することは難しい」と話した。キム所長は流失地雷の除去作業と関連して「軍の地雷埋設図面に基づき民官軍が合同で調査チームを構成する必要がある」とし「流失地雷は水の流れる側に移動した可能性が高いため、埋設された地域の山頂から眺望してみれば概略どちらへ流失したかを類推することができる」と明らかにした。

キム・ドヒョン先任記者/ツイッター@aip209

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/489600.html 訳J.S