原文入力:2011/07/28 20:58(2227字)
ユ・ソンヒ記者、パク・ヒョンジョン記者、イム・ジソン記者
2000年代に入り豪雨大幅増加…排水処理に限界
専門家たち、都市計画時から防災計画との連係強調
"貯留施設拡充・浸透ブロックなど制度的装置 用意すべき"
←ソウル地域に記録的な豪雨が降った27日午前、ソウル、盤浦漢江市民公園が浸水している。 キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr
113㎜。27日ソウル、冠岳区の一部地域に1時間に降り注いだ雨の量だ。
気候変化にともなう気象異変で、2000年代に入りこのように特定地域に瞬間的に途方もない豪雨が降るケースが多発し‘都市洪水’が日常化している。専門家たちは気候変化で洪水被害の様相が変わっているだけに、それに備えて防災システムのパラダイムを変えなければなければならないと指摘する。
都市洪水とは排水施設が豪雨に耐えられずに都心が水に浸る現象をいう。現在のソウル地域の排水施設は時間当り75㎜を処理することができるよう設計されている。 したがって、この水準に近接したり越える量の雨が降る場合、排水施設が自らの機能を果たせなくなる。
←山崩れなどの被害を受けたソウル、瑞草区(ソチョグ)、牛眠洞(ウミョンドン)のヒョンチョン マウル(村)で28日午前、下水が逆流し水が噴きあがっている。リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr
実際、昨年9月の秋夕(チュソク)連休当時、ソウル、光化門(クァンファムン)一帯が浸水した時、この地域に時間当り75㎜の雨が降り、今回の集中豪雨で大きな被害を被った江南区(カンナムグ)・瑞草区(ソチョグ)の場合にも降水量が時間当り各々72㎜と86㎜と集計された。二度ともソウル市の排水処理能力に肉迫したり、それを越えた降水量だった。 チェ・ウジョン国立防災研究所気候変化対応チーム長は「時間当り50㎜以上の豪雨が降った回数が1970年代には平均1年に5.1回だったが、2000年に入ってからは12.3回へ大きく増えた」として「こういう豪雨は都市洪水に直接的な影響を与えるが、気候変化のために今後もこういう傾向は維持または一層強くなるだろう」 と話した。
このように集中豪雨とそれにともなう都市洪水が日常化しているが、現在の国内洪水対応システムは依然として過去の方式を抜け出せずにいて、都心開発や都市計画過程で防災システムもきちんと考慮されていない。 専門家たちは防災システムを都市洪水に備えられるよう全面改編しなければ、夏の集中豪雨の度に都心が水に浸る事故は反復されると警告している。
キム・ヒョンジュ国立防災研究所都市防災チーム長は「100年ぶりの豪雨という話をしているが、100年頻度の豪雨が毎年降るならば頻度には意味がないので概念を変えなければならない」 として 「下水管や排水施設を作る時、100年という頻度概念より50㎜、100㎜など強度概念を導入し豪雨防御能力を向上させなければならない」と話した。 金烏工大イ・ジェジュン教授(土木環境工学部)は「米国は都市設計の時、低い地帯には道路、高い地帯には住宅を作り、雨が多く降る場合には道路を水路として使っている」として「我が国も今後、新しい都市を建設する時に都市計画と防災計画を必ず連係させなければならない」と強調した。
ソウルのようにすでに完成された都市の場合、貯留施設を拡充し、浸透ブロックを設置するなどお補完策を用意し都心浸水に備えなければならないという指摘も出た。ハン・ムヨン ソウル大工学研究所雨水研究センター所長は「雨水は捨てるのではなく集めるという概念により貯留施設を増やさなければならない」として「各家庭や公共施設に庭園を作る時、デコボコにして雨水を集められるようにするとか、学校の運動場の周りにレンガを積み雨が降った時に水を閉じ込める水溜りにすることが実例となりうる」と話した。キム・スン韓国建設技術研究院博士は「水が地中に入る隙間を作ることが必要だ」として「アパート駐車場など公共施設に浸透ブロックなどを敷くことも一方法」と提案した。
専門家たちは特に具体的防災システムを強制できる法的・制度的装置を用意することが重要だと口をそろえる。 ハン・ムヨン所長は「ソウル市をはじめとして50ヶ市・郡が建物を作る時に貯留施設を作ればインセンティブをあたえる内容の条例があるが、義務的でないため守られていない」として 「ドイツの一部の州のように建築物を許認可する際に義務的に貯留施設を設置するよう制度を変えなければならない」と指摘した。
イ・ジェジュン教授は「我が国は3~4年前ぐらいに規制緩和をするとし、災害影響評価をなくし事前災害影響性検討協議会を置くようにしたが、実効性が全くない」として「米国のように災害影響評価を実施し、問題がある場合は代案なしには建築許可を出さないなど防災システムの準備を法的に義務化しなければならない」 と話した。
ユ・ソンヒ、パク・ヒョンジョン、イム・ジソン記者 duck@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/489527.html 訳J.S