本文に移動

水害対策に‘穴’…ソウル心臓部 1年ぶりに再び浸水

原文入力:2011/07/27 21:45(3412字)
イム・ジソン記者

天災ではない‘人災’
台風対策発表の二日後に光化門など都心 浸水
水害防止予算 5年間に641億→66億へ‘バッサリ’

←ソウル、瑞草区、方背洞のある住宅街で雨水に押し流された乗用車が築台の上にかろうじて引っかかっている。 リュ・ウジョン記者

二日間に降った雨で27日 ソウル、鍾路区、光化門広場と江南一帯など都心核心部が水に浸り、瑞草区、牛眠山では大規模な山崩れまで発生し、ソウル市の治水管理能力が俎上に上がっている。 特に昨年の秋夕(チュソク)連休の時に豪雨で浸水した光化門広場が今回も再び水浸しに変わり、ソウル市がまともな対応をしなかったために発生した‘人災’ではないかという指摘が出ている。
実際、昨年の秋夕連休の水害直後、専門家たちがソウル市内の下水管に構造的問題があり、雨水貯留槽など治水管理施設不足を指摘したが、ソウル市はそのような問題をいまだに解決していないことが確認された。

ソウル市関係者は27日<ハンギョレ>との電話通話で「下水管施設拡充などのために今年285億ウォンの予算を編成し、下水道設備に対しては工事業者選定作業段階」として「江西(カンソ)・陽川(ヤンチョン)・広津区(クァンジング)と江南(カンナム)駅一帯など、浸水地域に雨水を貯めておく雨水貯留槽を5ヶ新設し雨水ポンプ場を12ヶ増設するという計画も同じく推進中」と明らかにした。昨年の水害以後、今年の梅雨期が過ぎようとしていても浸水被害に対する実質的な対応がなされていなかったわけだ。

←ソウル地域に時間当り100㎜を越える記録的な豪雨が降った27日、付近の牛眠山の土砂が押し寄せたソウル、瑞草区、方背洞、三星レミアン、方背アートヒルで消防隊員と住民たちが救助作業を行っている。 キム・ミョンジン記者

さらにソウル市が去る25日、地下鉄駅の浸水などを防ぐための‘スーパー台風対応総合交通対策’を発表して二日後に地下鉄1号線梧柳(オリュ)駅と都心一帯が水に浸り、ソウル市が出した水害対策の実効性にも疑問が提起されている。

これに対してヨム・ヒョンチョル ソウル環境運動連合事務局長は「昨年、水害が出た後、専門家たちが集まりソウル市に原因分析と対策準備のための共同調査、統合的水防対策準備などを建議したが受け入れられなかった」と話した。彼はまた "ソウル市が‘2010年風水害対策総合結果報告’を通じて‘最悪の状況でも被害内容が軽微だった’と主張するなど水害原因を豪雨のせいにだけし、どんぶり勘定式対策だけを出した結果、再び同じ被害が反復されている」と批判した。

昨年、大韓河川学会などが主催した‘ソウル 秋夕洪水診断と持続可能な復旧方向’討論会でも専門家たちは「ソウル市が都市の外見だけに気を遣う政策中心に行った結果、極めて基本的な水害防止対策は失踪し予算も減っている」と糾弾した。 実際2005年に641億ウォンだったソウル市水害防止予算は、昨年は66億ウォンに大きく減った。それも大部分が瑞草洞下水管新設など大規模工事に使われており、体系的な水防対策のための予算は事実上 皆無だったという指摘を受けた。ソウル市がこの間、漢江(ハンガン)公園造成事業に莫大な予算を投じたのとは対照的だ。

特にソウル市は日常的な下水管管理のための予算まで十分に策定しないため、一線区庁では水害発生の際の応急復旧などのために積み立てするようにした災難管理基金まで引きだして使っていることが明らかになった。 管内地域が水害を被ったある区庁関係者は「昨年、大々的な調査を通じて下水管のボトルネック区間と水が流れが円滑でない区間を発見したが、まだ予算などの問題で補修することができなかった」として「梅雨期ではなくても集中豪雨が降る場合が多く、下水管内の堆積物を前より頻繁に片づけなければならないが、これまた予算が足りない状況」と話した。

これに対してソウル市関係者は「下水管保守など一部工事が日程上、遅れてはいるが排水管内堆積物浚渫は90%以上完了した状態で、種々の対策準備にもかかわらず、100年ぶりの最大豪雨が降り浸水被害を防ぐことができなかった」と釈明した。

イム・ジソン、オム・ジウォン記者 sun21@hani.co.kr

‘オセイドン’オ・セフン市長 ツイッター非難も‘洪水’
人工河川造成事業予算だけ増えて…“今度はゴンドラ導入”“ソウルウォーターパーク”

←オ・セフン ソウル市長. ハンギョレ キム・ポンギュ

“オセイドンの野心作、‘水上都市ソウル’が可視化しましたね。 ”

“ついに公約どおり‘水の都’を実現しましたね”

“オセイドンの無償給水、立派ですね。”

“オ・セフンはソウル市が美しい(?)水の都になったので、今度はヴェネツィアの名物“ゴンドラ”を導入しようと予算たてるだろう…”

オ・セフン ソウル市長に冷笑があふれている。新しいニックネームもできた。‘オセイドン’だ。 二日間にかけて降った豪雨で水に浸ってしまった都市ソウルの責任者という意味だ。‘海の神’ポセイドンになぞらえている。

冷笑の根拠は1年前だ。昨年の秋夕(チュソク)連休にもソウル市は同じことを体験した。時間当り最高100㎜、一日累積降水量259.5㎜の雨で1万1千人の被災者が発生し市内各地の住宅が水に浸り道路が統制された。

1年後の今、状況は更に深刻だ。豪雨で牛眠山(ウミョンサン)の土砂が崩れ落ち人が亡くなり、25日一日で199件の浸水被害が発生した。27日夜に最高60㎜の豪雨が降れば被害はさらに深刻化する展望だ。

ついにオンライン上には昨年、ソウル環境運動連合が発表した声明が‘発掘’された。

当時、ソウル環境運動連合は「オ・セフン市長の任期であった去る5年間、ソウル市の水害防止予算が年間641億ウォンから66億ウォン(2010年)へ毎年減少していたことが確認された」として「ソウル市が去る数年間に水害防止業務を退出させたも同じで、今回の洪水の責任がソウル市の不十分な準備にあったことを示す」と批判した。

実際にソウル市建設局下水課と水管理局の予算を分析したソウル環境運動連合の報道資料によれば、オ市長就任1年前の2005年 ソウル市の水害防止予算は641億ウォンだった。この予算は2006年に482億,2007年259億,2008年119億,2009年100億で2010年には66億へ急な下降曲線を描いた。

増えた予算は人工河川造成事業費だ。2006年618億だった人工河川造成事業費は、2007年707億,2008年726億,2009年1724億,2010年1158億へと上昇曲線を描いた。 ‘水害防止予算’を削り、‘人工河川造成’に投じたわけだ。

ソウル市は今年は下水管渠施設拡充などのために285億ウォンの予算を編成した。 しかし下水道設備は工事業者選定作業を進行する段階だ。浸水地域である江西(カンソ)・陽川(ヤンチョン)、広津(クァンジン)・九宜(クイ)、瑞草(ソチョ)・江南(カンナム)駅一帯に雨水を貯めておく雨水貯留槽5ヶを新設して雨水ポンプ場12ヶを増設するための工事業者を選定しているところだ。 主要‘浸水地域’が特別な対応なしに梅雨期をむかえたということだ。

チョン・ジョンベ議員はツイッターで「オ・セフン市長がソウルをヴェネツィアにするといったが、本当にそうなりましたね。ソウル市の水害防止予算は無償給食住民投票予算182億ウォンの1/3に過ぎない66億です。 血税投票に固執せず水害復旧に一銭でも加えてはどうでしょうか?」とした。

ツイッター利用者@doaxも「オ・セフン ソウル市長の最大業績はなんといっても水害復旧予算を10分の1に減らして作ったソウルウォーターパークのようです。税金ドンドン島は流れて行くだろうが、ソウルウォーターパークは毎年続くためです。」としてオ市長を批判した。

デジタルニュースチーム

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/489361.html 訳J.S