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11階 映画館-12階 フィットネスが 39階建て建物を揺らした?

原文入力:2011/07/07 10:01(2256字)
パク・テウ記者、イ・チュンシン記者、パク・ヒョンジョン記者

区庁結論‘残された疑問’専門家たち "きわめて珍しいこと…逆に振動を加えて探すべき"
住民たち "たった一日で発表…信頼できない" 依然 不安

←江辺(カンビョン)駅テクノマート入口  統制待避命令が下されたソウル、広津区のテクノマート ビルディングに繋がる地下鉄2号線江辺駅出入口で、6日午後 通行遮断の事実を知らずに来た市民が統制線前に立ち止まり窓の向こう側を眺めている。キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

ソウル、広津区、九宜洞のテクノマート建物に対し、韓国施設安全公団が6日緊急安全点検を通じて構造的に大きな問題がないという結論を出したが、5日に発生した上下揺れ現象に対する明確な原因は見つからなかった。入居者と近隣住民たちはひとまず安心しながらも不安感を拭えない雰囲気だ。

■原因は依然ミステリー
施設安全公団調査チームは緊急安全点検結果を発表し、地盤侵食や用途変更による振動の可能性は排除した。今回の調査責任を引き受けたパク・クビョン施設安全公団建築室長は「建物の設計上、2.5m規模の頑丈な岩盤上に建物基礎が載っており地盤侵食の可能性は殆どない」とし「4つの階で計8回にわたり用途変更が起きたが、安全を侵害するほどの構造的変更をしたり柱を除去した事実はない」と説明した。 公団側は代わりに販売棟11階の4D上映館(椅子が動いたり風を吹かせたりするなどの効果を通じて映画の場面を実際に体験し楽しめる上映館)と事務棟12階のフィットネスセンターのランニングマシンなどで起きた振動による共鳴で揺れが起きた可能性を提起した。このような結論に対して専門家たちは共鳴による振動が発生する可能性は認めながらも、種々の疑問点を提起した。

←ソウル、広津区のテクノマート ビルで安全診断を実施した韓国施設安全公団職員が6日午後、建物統制解除の可否を議論するためテクノマート事務室に入っている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr

シン・ヨンス梨花女子大教授(建築学)は「例えば平常時にランニングマシン10台を動かし、ある日20台を動かせば振動周波数が普段と変わるが、それが自然に発生した建物内振動周波数と同じになれば揺れが発生しうるが、そんなことはきわめて稀だ」と話した。揺れ現象が発生した当時、4D上映館では映画が上映されておらず、フィットネスセンター利用客も50人内外だった。シン教授は「原因を全般的に捜し出すことは難しく、逆に振動を加えて捜さなければならないだろう」と付け加えた。経実連都市改革センター運営委員のミン・ポムギ建築士は「振動がどの程度だったかは分からないが、揺れを発生させる可能性がまったくなくはない」とし「この建物は鉄骨構造で振動をよく伝える」と説明した。しかし、ミン委員は「略式調査をしたはずなのに、用途変更が構造的影響は与えていないと決めつけることができるのか疑問」と指摘した。チェ・チャンシク漢陽大教授(建築工学)も「4D上映館とフィットネスセンターの振動が揺れを誘発した可能性を排除するのは難しい」としつつも「建物の形状や振動が発生した位置などを考慮すれば、その理由だけで説明するのは不十分と思われる」と話した。

■近隣住民たち 不安感は依然
テクノマート入居業者職員らと近隣住民たちは安全に大きな問題がないという結論に安心しながらも、依然として不安感を表わした。5日午前、10分余りにわたる振動を感じたという入居業者のある職員は「明日から正常出勤という通知を受けた」とし「まだ原因が明確に明らかになったわけでないので、不安感が完全に解消されはしないが、安全点検をずっと続けるというので その過程を見守りたい」と話した。テクノマート近隣の現代アパート住民である主婦 キム・某(56)氏は「大きな問題がないという結論が出てきたが、たった一日で発表した結果であり、すぐには信頼できない」として「やはりテクノマート入居売り場よりは他所で買いたくなる」と話した。

■入居商人ら 怒り
テクノマート入居商人たちはこの日の待避命令解除を歓迎したが、今後はお客さんの足が減るかと思い心配していた。建物の6階で携帯電話を販売しているイ・キフン氏は「どう考えてもお客さんが減りそうで心配」とし「こちらの商人たちは全てテクノマートから出て行くわけにはないだけに、販売競争力をさらに強めるように努力する」と話した。9階の食堂街のある食堂主人は「業者たちはもう駄目だ」としてため息をついた。一部の商人は今回の区庁の待避命令が性急な判断だったと批判した。チェ・ウォンシク(42)テクノマート総商友会長は「プライム産業は管理を粗雑に行い、区庁はあまりに性急に判断し待避命令を下した」と話した。これに対して広津区庁側は「揺れが発生した当時、建物内にいた市民200~300人が一度に逃げ出す状況だった」として「安全を最優先に考慮した措置だった」と説明した。 パク・テウ、イ・チュンシン、パク・ヒョンジョン記者 ehot@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/486188.html 訳J.S