原文入力:2011/07/05 22:41(1943字)
イム・ジソン記者
惨事を招いた‘期数列外’
キム上等兵も "なくさなければ" 孤立・憤怒
人権委是正勧告にも海兵隊‘伝統’と見なす
←海兵隊銃器事故犠牲者たちの合同焼香所が用意された京畿城南市盆唐区の国軍首都病院葬儀場で5日午後、献花兵が菊の花を手に持ち弔問客を待っている。国防部は4日夜、犠牲者たちを1階級ずつ進級させた。 城南/キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr
国防部と国家人権委員会(人権委)による調査の結果、今回の海兵隊銃器惨事事件を犯したキム・某上等兵は‘期数列外’が産んだ怪物であり被害者であることが明らかになった。いつから始まったのか正確な起源は分からないが、部隊内で特定士兵を決め組織的に‘いじめ’を行う海兵隊特有の悪習が今回の惨事を招いたわけだ。
キム上等兵は5日、国防部の調査で「死にたい。殴打、いじめ、期数列外をなくさなければならない」と述べ、結局 期数列外のために孤立感と怒りが深まったことを表わした。
外部と断絶されている軍部隊、特に海兵隊で期数列外対象が感じる孤立感は言葉では表現し難いという。「期数列外が一番恐ろしかった」 去る1月、海兵隊内での苛酷行為に対し職権調査を始めた人権委調査官の前で海兵隊員は口をそろえて話した。当時ある兵士は先任兵が食物を強制的に食べさせ倉庫に連れてゆき暴行した事実を部隊内の行政官に知らせ、該当先任兵に再度呼ばれ「期数列外にされたいのか」という脅迫と共に暴行にあい気絶した。当時、調査を引き受けたチョン・サンヨン人権委調査官は「(入隊)期数を絶対のものとして見なす海兵隊の特性上、期数を無視して締め出す‘期数列外’に対する恐怖心は非常に大きかった」と明らかにした。
海兵隊と関連した各種コミュニティにも期数列外を今回の惨事の原因と目星をつける投稿が相次いだ。あるネチズンはDCインサイド海兵隊ギャラリーに「はるか後任の二等兵に古参兵の頬を殴れと言ったり、官物箱から下着を盗んだり…それが期数列外です。海兵隊の誇らしい文化」と文に残し、また別のネチズンは「私の時にもああしたことが一度や二度ではなかった」として「おそらく上等兵古参兵の間で引継事項(期数・階級ごとに許された生活規則)が下され、一等兵・二等兵がキム上等兵を殴ったり侮辱を与えたのだろう」と書いた。
2005年10月に海兵隊から除隊したカン・某(30)氏は「一種の象徴的脅迫である期数列外は海兵隊内で昔からあった」とし「一旦 期数列外になれば、その人は幽霊と見なされる。皆がいない人として取り扱い無視する」と話した。カン氏はそこから一歩進んで「殴打・苛酷行為がある場合もある」としたが、キム上等兵もそういう事例に該当する。
更に大きな問題は海兵隊がこういう悪習を知っていながら早く清算できなかったという点だ。人権委は去る3月、期数列外に対し職権調査を行った後、海軍参謀総長と海兵隊司令官に「海兵隊員間‘期数列外’は海兵隊組織から排除することを意味する」とし、再発防止のために△定期的な人権教育の実施△殴打・苛酷行為関連指揮責任原則の樹立△外部専門家を含む海兵隊精密診断実施などを勧告した。しかし海兵隊はこういう勧告をきちんと履行しなかったと人権委は把握している。
チョン・サンヨン調査官は 「大部分の(期数列外)加害者が新兵時期に類似の殴打・苛酷行為にあっているが、それを我慢し耐えることを‘海兵隊の伝統’と理解していると述べた」として「暴行事件を上級者に口外すれば、期数列外など2次被害を与える海兵隊の閉鎖的な組織文化が結局このような悲劇を招いた」と話した。殴打・苛酷行為に寛大な海兵隊の兵営文化と指揮監督者などの管理不良が問題を大きくしたという指摘だ。カン氏も「海兵2師団は中隊別小哨になっていて、行動半径が小さく少数が集まっているために小隊長や副士官が(期数列外を)知らなかったはずはない」と話した。
海兵隊に子供を送った両親たちの間でも‘期数列外’に対する心配が強い。海兵隊が公式に案内した海兵隊家族の集いコミュニティにさえ「部隊の先任たちが苛めを行うという息子の話を聞いても口をすべらせば期数列外(いじめ)にされ除隊するまで精神的苦労をするかと思い、内心で涙を流す家族が多い」という運営者案内文が載っているほどだ。
イム・ジソン、イ・スンジュン記者 sun21@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/485983.html 訳J.S