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クレーン上の‘12人のスマーフ(*)’頑張れ

原文入力:2011/06/29 10:18(1858字)

韓進重85号クレーン籠城労働者らのための‘文化祭’開かる
"飯食ったか 最後まで戦おう、頑張れ…俺達も頑張る"
※スマーフ:Smurf,漫画に登場する架空の種族。ヨーロッパのどこかの森の中に住んでいるという設定で、青い肌をした小さな体をしている(訳注)

 "85号聞こえるか。飯食ったか。最後まで戦おう。頑張れ。俺達も頑張る" 太く濃い慶尚道なまりが空に響いた。

 去る28日午後8時、釜山韓進重工業影島造船所85号クレーンの向い側。一日前の釜山地方裁判所の強制退去執行で会社の外に出てきた80人余りの労働者が‘85号クレーン’に向かって叫んだ。ソウル・江陵・浦項など全国各地から駆けつけた40人余りの人々も声を加えた。お互いに力を培う文化祭が開かれたのだ。

 85号クレーンの中間欄干には去る27日、釜山地方裁判所執行官などが強制退去を執行した後、12人の解雇労働者が登っている。その上には今もキム・ジンスク氏が174日目の籠城中だ。

 文化祭に参加した大学生チェ・ヒソン(21)氏は最近、明け渡し執行がなされたソウル、明洞3区域の商人たちと共に‘カフェ マリ’で、商人らの移住および生計対策・補償基準作成などを要求し連帯している。そして去る27日にこちらを訪ね二日間 風餐露宿(野宿すること)している。チェ氏は「釜山85号クレーンとソウル、明洞3区域には共通して‘くやしさ’があるようだ」とし「ツイッターで見てひょっとして公権力を投入し不祥事が起きるんじゃないだろうかと心配になり汽車に乗って駆け付けた」と話した。

 ツイッターID@jihoo1213氏は一日会社に休暇届けを出して席を共にした。彼は「ツイッターを通じて韓進重工業家族対策委員会の赤ん坊が病んでいることも、その赤ん坊が一歳だということも、クレーンの上がどんな状況で、何が必要なのかも細かく知れる」として「韓進重工業の整理解雇問題は結局、会社で仕事をしている私たち皆にいつでも起きうる問題で私たち自身の問題」と話した。

 文化祭では各地から駆けつけた人々が連帯の発言をしたり歌を歌った。聖公会大学校に通っているという二人の大学生は歌手パク・チャングン氏の歌‘どれほど’を歌った。 "どれほどさらに多くの人が死ねば/その意味を悟るのだろうか/友人よ、古くからの友人よ/その答えはどこに" 見慣れない歌手の聞き慣れない歌だったが、造船所工場で働きづめだった真っ黒な手の解雇労働者たちは、歌詞を噛み締め目がしらを赤くしながら歌を聴いていた。

 引きずり出された労働者とその家族たちの心境は特別なものがあった。解雇者の夫を持つパク・ウンギョン氏は一才の息子を抱いて参加した。去る27日、強制執行の時に外に引きずり出された夫と久しぶりに一つの傘をさした。しかしパク氏はうれしくないと言った。パク氏は「夫と会ったが一つも幸せな気持ちになれない」として「あのクレーンの上にいる人々も全員が私たち家族の父親たちで、ジンスクおばさんもやはり私たちの家族なのに、電気が切られてこの二日間連絡もできずいつも不安だ」と話した。

 パク氏の夫チェ・某(34)氏も「85号クレーンが何よりも心配です。クレーン上に上がっている人々が安全に降りてくることが最も重要だ」と話した。
 解雇労働者ハン・サンチョル氏は「労働組合指導部、会社は私たちを見捨てたが、このように全国各地から来て下さる方々がいらっしゃり、ツイッターで心を交わす方々もいて去る190日余りを耐えて来たし、あの高空クレーンの上にいる‘12人のスマーフ’たちは生きぬいている」として「感謝の気持ちを代わりに伝える」と話した。彼は空色の韓進重工業の作業服を着ている韓進重工業労働者たちを‘スマーフ’と呼んだ。

文化祭が開かれた1時間30分の間、向い側85号クレーンに新たに上がった12人のスマーフはずっとクレーン欄干に立ち、反対側を眺め共に手を振りスローガンを叫んだ。その間を鉄条網が新たに張られた影島造船所の塀と機動隊のバス数十台が遮っている。85号クレーン上‘臨時テント’には雨が降りしきっていた。

釜山/パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/485028.html 訳J.S