原文入力:2011/06/28 22:34(2327字)
パク・スジン記者
韓進重 12人 籠城 "公権力投入か…ぞっとするほど怖い"
会社側 電気遮断で13人は降りた
終日 雨が降ったり止んだりだった。キム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員が174日目の高空籠城を行っている韓進重工業影島造船所85号クレーンの中間欄干で夜を明かした12人の労働者は、雨の降る中、風と孤立と戦っている。
彼らは27日夕方から降り始めた雨を避けるためビニールなどでテントを張ったが、吹きつける雨は防げず、ビニール テントの屋根は風で破れた。クレーン上に留まっているイ・ヨンデ(52)氏は<ハンギョレ>と行った電話通話で「下では用役の数が増えたり減ったりしており神経が鋭く逆立ち、風が強く風邪を引いて苦しんでいる人が多い」と伝えた。
これに先立ち13人の労働者が27日夜10時頃、クレーン上から降りた。この日午前から会社側はクレーンに供給されていた電気を切った。労働者は食べ物と水が充分でない状況に加えて電気までが切られ、少数の人員だけを残した方が良いと考えたと伝えた。労働者は電気の供給を要求したが、会社側はクレーン上の労働者数を6人まで減らせば電気を供給するとして対抗している。携帯電話の充電ができずクレーン上の労働者たちの孤立感はますます強まっている。
28日午後2時頃から会社側はコンテナを動員し85号クレーンの前後を塞いでいる。そして大きなエアーマットを設置するため屑鉄資材などを片づけた。クレーン上からそれを見たイ・ヨンデ氏は「エアーマットを敷き、コンテナでクレーン前後を塞ぐのは、結局 公権力を投入するための準備作業」とし「ぞっとするほど怖い」と話した。会社側は「ややもすれば労働者がそちら側に降りて行くことがありえるので逃走を防ぐためのもの」と説明した。
27日裁判所の強制執行を通じ外に引き摺り出された労働者たちと、クレーンから自発的に降りてきた労働者など80人余りの労組員は家には帰らず85号クレーンの向い側の路上で座り込みをしている。睡眠も路上でとった。
チャ・ヘド(52)前金属労組韓進重工業支会長は「2003年の悪夢が思い出されて苦しい」と語った。彼は2003年キム・ジュイク前支会長がクレーンに上がり、自ら命を絶つ過程を全て見守った。彼はキム前支会長の49日を済ませてから警察に連行された。その時の整理解雇の激しい風が2011年、8年を過ぎ再び吹き荒れているということだ。チャ前支会長は「今回の整理解雇が解決されなければキム・ジンスク指導委員は生きて降りては来れない。公権力で解決しようとするなら悲劇が起きざるを得ない。会社側の前向きな立場変化が必要だ」と話した。 釜山/パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr
■‘クレーン上の解雇者’イ・ヨンデ氏 インタビュー
- クレーン上での初めての夜だ。どうだったか。
=昨夜は雨が降り続けた。あたふたとビニールで寝れるようテントを張った。急いで張ったが、雨が吹きつけて殆ど眠れなかった。とても寒かった。冬用のジャンパーを準備していたが風邪を引く人が多くて心配だ。クレーンの下では用役の人数が増えたり減ったりするので それも気になった。
-現在の状況は?
=風が強く、雨が降ったり止んだりしている。天気までがいらいらさせる。大・小便、生理現象を処理する方法に困っている。今日はあたふたと、臨時トイレを作り、風でテントも飛びそうなのでテープを付けったり、まあそんなことをしている。今ここは電気も切れた状態だ。バッテリーも殆どない状態だ。電話もよく受けられない。
-クレーンの周辺はどうか
=今85号クレーン前後をコンテナで全て塞いだ。塀には鉄条網を打った。極端な行動に備えてのことか、エアーマットも敷いた。もっと敷くために屑鉄資材などを片づけているところだ。そういう作業をしているということは、まもなく公権力を入れるという意味のようだ。すでに見ての通り、塀の外には警察がいる。もしキム・ジンスク指導委員に何かことが起きれば、会社と警察の責任だ。とにかく会社側のこういう対応を見ると、ぞっとするほど怖い。死にそうだ。
-キム・ジンスク指導委員はお元気か
=お元気だ。キム・ジンスク指導委員が見えなければ皆が不安で顔を見せて欲しいとキム・ジンスク指導委員を呼んでいる。顔を見せてくれと確認し、顔を見れば安心する。
-昨夜13人の労働者が降りてきた理由は?
=私たちがここに上がってきた目的はクレーンの占領ではない。私たちが上がってきた目的はキム・ジンスク指導委員が生きて降りて行けるように守ることだ。人員が多いので整理がつかず、具合の良くない人も多いので最小限だけ残るのが良いとして降りて行った。全員泣きながら降りて行った。
-朝、外にいる労働者がクレーンに向かって‘頑張れ’と叫びストライキの歌(罷業歌・パオブカ)を歌った。
=私には 1次希望バスが来た時、クレーン上にいたキム・ジンスク指導委員がどんな気持ちだったかよく分からなかった。私が上にいて見たら、組合員たちが共に叫び声を上げ、スローガンを叫ぶ時、鼻がツーンとして涙が出そうになる。同僚がそばにいるということがどれほど力になるかが分かったし、最後まで頑張るという覚悟も新たにした。
パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr
原文: 訳J.S