原文入力:2011/06/17 09:31(1786字)
オム・ジウォン記者、イム・インテク記者、キム・ミンギョン記者
保守団体、住民投票請求 8月20日頃 投票へ…ソウル市 予算・行政力 浪費
ハンナラ党も "民心分からない" …市議会 "インチキ署名ある"
←ソウル地域の小・中学生全面無償給食に反対してきたオ・セフン ソウル市長が16日午後、保守指向団体がソウル市に‘生徒無償給食 住民投票請求’を出した直後、記者会見を行い 「住民投票が福祉ポピュリズムに終止符を打つ歴史的岐路になるだろう」と話している。 キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr
保守指向市民団体が16日、ソウル市にソウル地域の小・中学生全面無償給食に対する住民投票を公式請求した。これに伴い、早ければ8月20日以後 満19才以上のソウル市住民有権者を対象に‘全面無償給食’と‘低所得層50%段階別無償給食’に対する意見を聞く住民投票が実施される可能性が高まった。
だが、住民投票を巡り民主党が多数を占めるソウル市議会が強く反発している上に、与党のハンナラ党内でも反対気流が侮れず、大きな陣痛が予想される。無償給食を支持する世論が高い上に巨額を投じて住民投票をしなければならないのかとの批判が少なくない状況であるためだ。
ソウル市内の小・中学生全面無償給食に反対する‘福祉ポピュリズム追放国民運動本部’はこの日、住民投票を公式請求できる最小人員にあたる41万8000人をはるかに越える80万1263人の住民投票請求署名簿をソウル市に提出した。
今年はじめ、ソウル市議会の全面無償給食条例公布に反発し住民投票を提案したオ・セフン ソウル市長は、住民投票が請求された直後に記者会見を行い「住民投票が福祉ポピュリズムに終止符を打つ歴史的岐路になるだろう」と話した。
しかし、ソウル市議会は「署名運動期間に現役国会議員が不法介入した事実が明らかになっただけでなく、ソウル市委託機関などに対する組織的で強圧的な署名活動があったという事例が情報提供された」とし「異議申請期間に市民団体とともに直接署名簿の代理署名と幽霊署名など不法有無を明らかにする」と主張した。ソウル市議会のカン・ヒヨン民主党戦略副代表は記者会見で「住民投票はソウル市の予算182億ウォンを一気に捨てる史上初の予算浪費事例となるだろう」と批判した。
ハンナラ党内でもオ市長の‘崖っぷち解決法’を憂慮する声が少なくない。ある議員は「ソウル市財政を見た時、大規模予算がかかる住民投票まで送って反対しなければならない事案なのか、前後が合わない」として 「その過程でハンナラ党のソウル市党側とほとんど協議もなかった」と話した。ナム・ギョンピル議員は去る15日党代表出馬宣言をしながら「住民投票をすればまた葛藤が生じる。政界が出て(撤回するよう)説得する役割を党でしなければならない」と話した。首都圏のある議員は「オ市長が民心をよく分からないようだ」と批判した。オ・セフン市長はこの日「これと関連した政治的責任については今から熾烈に考えることにする」と話した。
住民投票が実際なされるまでには60~70日の長い旅程が残っている。署名簿検証を通じて重複署名者、他市・道居住者などを抜き出し、異議申請、住民投票請求審議会開催、公表などを経なければならない。80万人余りの署名簿を検証するには公務員200人がずっと5日間かけて電算入力をしなければならない。
だが、夏期休暇期間などと重なり投票率が高くないという展望が優勢だ。住民投票では投票率が住民有権者総数(2010年基準836万人)の3分の1の278万人に達しない場合、開票をしない。
一方、チョ・シン ソウル市教育庁公報担当官は「市教育庁はあらゆる論難にも関わらず定着段階に入った無償給食を動揺せずに実施する」として「無償給食と関連した住民投票請求が学校現場の混乱を煽る恐れがあり残念だと考える」と話した。
オム・ジウォン、イム・インテク、キム・ミンギョン記者 umkija@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/483150.html 訳J.S