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[ルポ]ソウル駅ホームレスたち 寒波との戦争 零下20度でもきっちり清掃時間‘悪夢の30分’

原文入力:2011-01-17午後09:00:50(1905字)
"凍え死ぬぞ" 抗議にも拘らず出入り口には結局かんぬき
未明の切れそうな風の中に追い立てられ
酷寒のせいで応急状況増え支援センターの人手も不足

ファン・チュンファ記者

←17日午前1時30分頃、ソウル駅駅務課職員らが駅舎清掃を理由にホームレス100人余りを30分間、駅舎の外に追い出した。外に出てきたホームレスたちが荷物を持ったまま駅舎前を徘徊している。 オム・ジウォン記者 umkija@hani.co.kr

 "出て行って下さい。清掃時間です。2時にまた入ってきなさい!" 17日午前1時30分。ソウル駅に到着した最後の列車からおりた乗客たちが大部分駅舎を出ると、駅務課職員と公益勤務要員らが2階駅舎の中を忙しく行き来しホームレスたちを外に追い出した。約30分前頃、3階出発待合室に留まっていたホームレス数十人余りが終列車が出発した後 2階待合室に追われるように押し出されたところだ。

一人の公益勤務要員が2階の隈でボックスをかけて横になっている70代のホームレスを起こし、これに抗議する40代のホームレスと諍いが起きた。一方の手にカップラーメンを持ったまた別のホームレスも 「追い出すな。凍え死ぬぞ」と叫びまくった。

だが、騒乱は暫しだった。待合室に留まっていた100人余りのホームレスたちは5分もしないうちに慣れた足取りで駅舎から出て、駅舎の二重ドアは固く施錠された。

ソウル駅は毎日、午前1時30分になるとホームレスたち外に追い出し30分程度かけて駅舎を清掃する。到着列車と出発列車がなく利用客がいない唯一の時間帯であるためだ。ソウル駅関係者は「ソウル駅で生活するホームレスたちが多く清掃をしなければ臭いがひどい」として「公共施設のため清潔維持のために石鹸水で清掃をするためホームレスたちを外に追い出すしかない」と説明した。

酷寒の冬の夜をソウル駅で過ごす路上生活者たちにとって、この30分が最も耐え難い瞬間だ。10年ぶりに襲った鋭い寒波でソウル駅職員らも、ホームレスらも共に耐え難い越冬をしている。気温が10年ぶりに最低値に下がった去る16日の未明だけはソウル駅もホームレスたちを外に追い出すわけにはいかなかった。

駅舎の外に追い出されたホームレスの内、一部はソウル駅地下道や漫画屋などに散ったが、大部分は出入り口に集まったまま清掃が終わるのを待っていた。地下道へ行くよりは暫時寒さに耐えて再び駅舎に入る方がマシなためだ。だが、この日も気温は零下16度、体感気温は零下20度だった。二重三重に服を着込み毛糸の帽子をかぶっても、風が肌まで食い込むことは避けられなかった。公衆電話ブースで寒さを凌いでいたある70代のホームレスは「寒い日であればあるほど歩かなければならない」と言いながらあちこちと動きまわった。

午前2時頃、駅舎のドアが開きホームレスたちが3階の待合室へ駆け出した。あるホームレスは「3階待合室は夜に火を焚いてくれるのでソウル駅で最も暖かい場所」と言いながら「3階に席を占めることができなければ2階で寝なければならないので、すばやく動かなければならない」と話した。3階待合室に集まったホームレス100人余りは照明を避けられる柱の後方で寝袋を敷き2列になって横たわり再び眠りについた。

連日の酷寒のためにソウル駅付近でホームレス応急救護と支援事業を繰り広げるやり直し相談保護センター職員たちも同じく過労に苦しんでいる。去る16日には駅舎で寝ていたホームレスが救急車に乗せられて行き、先月にはホームレス1人がソウル駅入口で心臓マヒで亡くなるなど応急状況が頻繁に起きるためだ。
普段は昼間の相談が大部分だが、今冬には正午から翌日午前までホームレスの相談に応ずる‘深夜アウトリーチ(相談および応急救護)’が新たにできた。センター職員5人は午前9時から夜11時まで週6日勤務するが、人手がとても足りない。イ・ヒョンウン現場支援チーム長は「応急救護活動だけで一日が過ぎていく」として「他の事業をしながらも緊急状況が生ずれば状況統制や現場相談記録まで整理しなければならず活動家らの負担が大きい」と話した。

ファン・チュンファ、オム・ジウォン記者 sflower@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/459206.html 訳J.S